自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二 ・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

【515の放浪】《第21話》【ゴルフ場にて】≪10≫

2013年12月11日 00時00分00秒 | 515の放浪
≪10≫--------------------------------------------
「知らなかったのか?・・知らないでも、ボールが入ったってことは・・本物の霊だな」
ああ・・あああ・・それが本物の霊のしわざなのかどうかより、オレは知らずにキャディーと話していて、まずいことを言わなかっただろうか。
生きているキャディーにも、亡くなったキャディーに対しても失礼なことを、うっかり言ってなかっただろうか。
風呂に入っても気がかりで、ずっと頭にシャワーを浴びながら考えていた。
ある人が、そんなオレの姿を見て心配した。
「どうしたの?体の具合悪くなったの?」
びっくりした。急に話しかけられて・・
「いえ、体は大丈夫です・・ちょっと心のほうが具合悪くて・・」
「心の具合?・・そういう人には見えないけど・・」
どういう人に見えたんだい。精神障害かい。
「いえ、とにかく大丈夫です。ありがとうございます」
「そう・・大丈夫ならいいけど・・」
とその人がいなくなったので、それからまたしばらく頭を冷やしていた。
水で体を清めたということかもしれない。
帰りに、池の方向に向かって手をあわせた。
『あなたのことを忘れていたことを謝ります。ひとりで誰にもみとられず苦しかったでしょう。あなたの不運不遇を忘れません。安心して成仏してください』
最後に一礼して、車に乗り込んだ。
『成仏』の意味を少しだけわかったような気がした。

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