NO TECHNO, NO FUTURE.

Techno CD Review Blog
他の話題も書くことにしました

電気グル―ヴ/Upside Down

2010-03-17 | Single
完全に時期を外してしまった感はありますが、電気グル―ヴの2009年11月発売のシングル。
ノイタミナややりすぎコージーのタイアップ付とかなりプッシュした内容となっておりますが、その内容が個人的には興味ありでした。
TVsize込みで全部で4曲構成ですが、1、2曲目のマスタリングがとても好み。
3曲目はまあまあ。
4曲目は????。
Mixerの情報がライなノーツに載っていて納得しました。
それぞれMixerが別々でした。
ものすごく差があるってわけではないですが、とにかく1、2曲目のマスタリングが絶妙です。
こういうMixされちゃうと、いやわかっているな~と感じせざるえません。
曲は電気らしいテクノすぎない内容の曲で、Shangri-Laの砂原さんMIXはファンには涙もの。
とにかく気持ちいい音源が聴けるシングルです。
逆にやりすぎコージーOPはやっつけ仕事的に聞こえてしまうかも。
新しくはないんですが、使いどころがある曲だと思います。
何はともわれ、マスタリングがいいアルバムってなかなか評価されることはないんですが、興味がある方はぜひ聴いてみてください。
同じ曲のMixer違いってあんまり聴くことができないんで、それだけでも面白いと思います。

Autechre/Confield

2010-03-17 | Album
これも前回紹介したOrbitalと同じ2001年のアルバム。
同じく秋葉原の秋の音展で200円で売られていたものを回収してきました。
この頃テクノを漁っていたと思われる人が放出したんだろうという形跡が中古CDの在庫に感じましたが、重複するのもあったりで結局買ったのはこの2枚とJAZZ1枚、CLASSICのSACD10枚でした。
全部200円だったのでちょっと嬉しかったりして。

オウテカは、今年にも待望のニューアルバムを出す、WARPの看板アーティスト。昔から独特のスタイルを崩さないやり方はインタビュー紙の記事を読んでも強く感じました。
アナログシンセにあまりこだわらず、良いものを使い続けるところとか、すばらしいですね!
ENSONIQのサンプラーが好きだった記事を見た記憶もありますし、YAMAHAのRX30というリズムマシンを手に入れて、「僕たちはこれで何でもできる!」と喜んでいたという記事を読んだこともありました。
現在の状況をぜひサンレコで特集して欲しいものです。

オウテカも昔はソニテクだったはずですが、このアルバムはBeat Recordsからの販売。テクノのシーンの陰りを感じずにはいられません。
大手レコード会社がどんどん捨てていく中で、なんとか発売元を確保してくれる各ディストリビュータさんには頭が下がる思いです。

このアルバムは、当時から傾倒していたエレクトロニカよりの手法をふんだんに駆使した実験的なアルバムです。
以前、CLUB CITTA川崎でのとれまイベントでもダンサブルかつ実験的なパフォーマンスを見せてオーディエンスを困惑させていたオウテカがここにもあります。
綺麗な4つ打ちリズムが好きな方はかなり厳しい内容です。
普段あまりライナーノーツは見ないんですが、さすがに今回はどんな内容か読んでみました。
ライターは野田努。過去のインタビューを掘り下げたような内容で、新作に対してのインタビュー等はなかったんですが、彼ららしい、4つ打ちを否定してHIP HOPから影響を受けた変則リズムをテクノで表現することをアピールした内容に感銘を受けました。
今回のアルバムにもその姿勢が貫かれています。
ネット上で検索するとサンレコのWebサイトで過去のインタビューを見ることが出来るんですが、残念ながらこのアルバムを作成した時のインタビューがありませんでした。
機材の変更がそれほど派手ではないので、この頃はMAX/DSPの使い方に慣れてきたころの作品ではないかと推測されます。
そういえば、知人でReactorでLiveをよくしていた奴もDJはハードテクノだったのに、Reactorにしてからオウテカのようにエレクトロニカに傾倒してしまったことを思い出しました。
ソフトウェアやインターフェイスが音楽スタイルを変えるというのもまたおもしろいことだと思います。
全体的に変則リズムのエレクトロニカの洪水で規則的なリズムが好きな自分にはいささか難解ですが、日本盤ボーナストラックのライブ音源はメチャメチャかっこいいです。
こういうライブパフォーマンスって勉強になるなと思いました。

今思うと、10年前にあれほど流行ったハードテクノが衰退して、こういうコアな音源を作る人達が現在のシーンに根強く残っているのはとても感慨深いものです。

Orbital/The Altogether

2010-03-17 | Album
1990年代初期テクノを引っ張っていた重要アーティストの1つ、Orbitalの2001年の7枚目のオリジナルアルバム。
当時の自分はハードミニマル全盛期だったので、アルバム発売自体はチェックいしていたものの、思い切りスルーしていました。
結局手に入れたのが、昨年の秋葉原で開催されていた音展での中古販売コーナー200円という悲しい状況。
ブームが去るということはとても悲しいことだと思います。

とはいえ、自分の中でのオービタルの評価はむしろ2001年のころよりも大変たかくなっております。
まず、一度の解散を超えて再結成をして活動をしているということ。
キャリアが20年にわたるという超ベテランでありながら一線にいるということ。
レイブ世代特有の空間を作り出せる楽曲、DJプレイを提供しているということ。
当時の狭かった自分の視野では気がつかなかったことが今ではいろいろ感じられます。
これも流行が去って本来の良さが見えてきた結果と言えそうです。
テクノはとにかく今は下火。
でも実は、またブームが来るのではないか?
またその時は、ニューフェイスによる新規開拓でなく、今までのテクノの再評価が来るのではないかと考えております。
来日情報も細かくチェックしていると、結構な人たちが来日しているんですよね。
草の根の情報ですら探すのが難しいテクノでは、皆が知っている人たちの再評価に期待したいところです。

そんなことを考えながら、このアルバムを聴きました。
当時ハードテクノオンリーだった自分は、試聴をしてその音楽性の高さに、自分が求めているものではないと感じスルーしましたが、今聴くととても聴きやすいアルバムだと思います。
そんなふうに感じるようになったのも、WOMBでのDJイベントを楽しんだからだと思います。
レイブ世代のDJプレイは独特の空気感を作ってくれます。
今だと、2manyDJあたりがとても近い気がするんですが、とにかく天井を感じさせたない大きな空間がそこに出来上がるんです。
DJってすごいな~と感激してしまいます。
そんなDJプレイにとても合う曲が詰まっているThe Altogether。
決して万能な曲が入っているわけではありませんが、これを使いこなせるのは腕の見せどころではないでしょうか。
ちなみに好きなのはDR.WHOあたりですね。こういう感じの曲が使いこなせるとかっこいいなーなんて思います。