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おじさん日記 ~Okinawa Self-Diving Log~

セルフダイビングのブログ。ログや写真や器材が中心ですが、その他ダイビングに関係ないことも好き勝手書いています。

オーバーホールを自分で行うことについて

2015-12-21 20:40:48 | オーバーホール
僕は今後、自分で使うダイビングの道具を自分でメンテナンスしていく予定。オーバーホールを含めて。

自分がAPEKSのレギュレーターを使っていることを知った某プロの方から、「APEKS使っているならオーバーホール自分でやるといいよ!簡単だよー!」と言われたのがきっかけ。それまで、自分でレギュレーターをオーバーホールするなんて考えたこともなかった。

「命に関わる道具なので、オーバーホールは専門家に任せるべき」というのが器材メーカーや販売店の意見で、一般人がメンテナンスをすることを良しとしていない。

命に関わる道具というところは僕も同意見。そして、よく分かっていない人がオーバーホールをするのはよろしくないというのも同意見。

ただ、知識と技術を学んだ上で、自分の器材をメンテナンスすることは構わないと思っている。


命に関わる道具の代表例が車やバイク。
車はダイビングと違って、不調があると自分だけでなく他人にまで危害を与える。

そんな車も、趣味として自分で整備をしている人はいる。そう、誰でも自分の車を整備して良いわけです。

他の人の車を整備するには整備士という資格が必要だけれど、自分の車は自分で整備してOK。車のパーツも自分で手に入れられるし、どのように整備するかの情報も手に入る。

車は自分で整備して良いのに、ダイビング器材はどうして自分で整備してはいけないのか。
これはメーカーの自主基準で、当然法律で決まったものではない。本来、知識と技術と道具があれば、自分で自分の器材をメンテナンスすることは問題ないはずなんだけれどね。

ダイビング用品は需要が少ないので、メーカーも器材店もお金になるオーバーホールという作業を一般人にやらせたくないんじゃないかと疑ってしまう。ただ、仮にメーカーがオーバーホール手順や部品を一般にも公開したとしても、オーバーホールを自分でやりたいと思う人はごく少数だと思うので経営に大きな影響はないと個人的には思うのだけれどなー。だって、車だって、簡単な部類に入るオイル交換とか切れた電球の交換とかでさえ整備工場に任せている人が大半でしょ?

そして、メーカーだけでなく、オーバーホールする側もオーバーホールの作業の詳細を解説しているインターネットサイトは見つからない。車だと「自分はこうやりました」のような写真付きの説明サイトが結構あるのだけれどね。

ただ、幸い海外のサイトで、オーバーホールマニュアルをPDFで公開しているところがあった。
http://www.frogkick.dk/manuals/apeks/
僕が持っているAPEKSのマニュアルだけでなく、いろいろなメーカーのものがある。アクアラングやスキューバプロといった海外でも有名なメーカーはだいたいの器材が網羅されている。

本来は著作権の関係でこういうのアップロードしてはいけないはずだけれど、リスクを冒してアップしてくれているのでありがたい。ダウンロードすることは自由なので、自分が持っている器材の分をダウンロードして印刷した。英語だけれど、オーバーホールする際にはとても助かる。

また、知識や技術を得たとしても、メーカーが交換部品を売ってくれないというのも1つの大きな壁。Oリングは何とか汎用品や他のメーカーのものでも対応できることが多いが、ファーストステージの高圧シートやセカンドステージの低圧シートといった最重要部品はそのメーカーのものを入手する必要がある。

売ってくれないって何なんでしょうね。もちろん車だったら部品は注文すれば手に入る。安全に大きく関わるブレーキ関連の部品も含めて。一般人には売らないというやり方は、個人的には好きじゃない。

DIYオーバーホールで1番の壁がこの交換部品。
イントラさんとか器材店の店員さんに知り合いがいて、その人がメーカーの正規メンテナンス講習を受けていればうまいこと譲ってもらえるかもしれないけれど、自分の場合はそれは難しい。

DiveRiteやHollisといったテクニカルダイビング関連のメーカーは以下のような海外サイトでパーツ販売をしていることが多い。でも普通のダイビングメーカーは部品を販売してくれない。
https://www.divegearexpress.com/regulator-parts-kits


幸い、私が使っているAPEKSのレギュレーターは、一般人でも交換部品が手に入ることが分かった。

そして、日本でも一般向けに販売してくれているところがある。
http://www.ex-scuba.com/equipment/list/reg/ap.htm
もし日本で買えなくなったら海外のサイトから買うことになるわけだけれど、このお店は海外サイトでの販売価格とほとんど変わらない価格で日本で販売してくれているのでありがたい。

知識とパーツが手に入ることになったので、自分でオーバーホールすることにした。
説明書があるので大丈夫だろうと思いつつも、ちょっと不安があったので某器材店でオーバーホール講習を受けて一連の手順を教えていただいた。ちょっとしたコツとか、やってみないと分からないことってあるので。オーバーホール講習といっても、メーカーが開催しているものではないので、ワランティとかはないし、オーバーホールを商売にすることもできないけれど、自分にはそれで十分。

さて、オーバーホールするにあたって、このブログではその内容を写真と共に公開していきます。興味がある人が記事を見ながら作業すれば実際にオーバーホールできるくらいの内容が目標。

オーバーホールを行っている業者やイントラさんだとメーカーとの関係もあるだろうし自分のお店の利益にも関わるので手順を公開することはできないだろうけれど、一般人の僕はそういうのとは一切関係ないのでどんどん公開していこうと思います。むしろ、このネット時代なのになぜ今までこういったサイトがなかったのか不思議なくらい。

今後、APEKSのレギュレーターを中心に器材ごとにオーバーホールの手順を記事にしていく予定。DIYオーバーホールに興味がある方は参考にしてみてください。でも、特殊な工具も必要だし、時間もかかるので、「安く済ませたい」と思う方には不向きです。特に最初は時間がかかるので、時間対効果を考えると得とは思えない。
オーバーホールに必要な工具はコチラ↓
http://blog.goo.ne.jp/diving-snowman/e/0aee3547b9c021303b2be4b7defb3375

ただ、機械いじりが好きな人で、ダイビングが趣味の方。その趣味の範囲を、潜ることだけでなく、自分の器材にまで広げたい方にはおすすめ。

器材の仕組みがより詳しく分かるし、塩噛みやサビの状況を直接見ることができるので、自分の器材の扱い方が合っているかどうかの確認もできる。

また、メーカー公認のオーバーホール業者でも、オーバーホールの内容はピンキリのようなので、そういった意味では自分でやった方が安心かもしれない。一部分しか分解していなかったり、消耗品の交換でメーカーの正規部品を使わなかったり、洗浄がてきとーだったり、ネジ穴を壊してしまったり。オーバーホールは見えない部分の作業なので、手抜きをする業者もあるみたい。よく分からないことをいいことに部品の金額を上乗せする業者もあるとかないとか。

さて、今後オーバーホールの詳細を記事にしていきますが、注意事項として、
・あくまでも自己責任で行なってください
・万が一内容に誤りがあったとしても責任は負えません
・自分で器材に手を加えると、どのメーカーもワランティの対象外になると思います

以上の3点はご了承ください。

また、作業内容の中で、「この部分はこうした方が良いのではないか」などのアドバイスがあればコメント欄にいただけるとありがたいです。


6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (はらだ)
2016-02-02 09:13:27
初めまして。静岡に住んでいるはらだと申します。
沖縄のタンクレンタルについて調べていたらコチラのブログに着きました。

私にとって興味のある記事 ばかりでビックリしました!

特にレギのオーバーホール記事は今後参考にさせていただきつつ、自分の器材オーバーホールにチャレンジしたいと思います。

今度とも宜しくお願いします。
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はじめまして (diving-snowman)
2016-02-02 20:07:43
はらださん、初めまして。コメントありがとうございます。素人ですので、何か間違いなど気づいたところがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。現在、セカンドステージのオーバーホールについても書いている途中です。

まとまりのないブログではありますが、よろしくお願いいたします。
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初めまして (ゆう)
2016-10-19 22:46:12
初めまして、京都在住の経験60本のまだまだビギナーダイバーです。
私は10代の頃からバイクやジェットスキーのレース、冬はフリースタイルスキーなど今ではエクストリームスポーツと呼ばれる事を色々経験してきたおじさんです。当然バイクも自分で全バラ、オーバーホールしてサーキットを200キロオーバーで走ってきました。そして40過ぎて幼少からの念願だったダイビングの世界に入り今年で4年目です。ダイビングは究極のエクストリームスポーツだと思っていますし、
機材は自分がメンテするのが基本と思っていました。ところがブログに書かれているようになんとも狭い世界に少し辟易しています。まず素人で開けられないように特殊な工具を使い、パーツも売ってくれない。 あり得ない世界です。
そんななかこちらのブログにたどり着けて、ありがたく拝読しています。普段仲間とはセルフで潜っていて、結構散りじりに別れる事が多いのでソロダイブの記事も大変参考になりました。ポニーボトルはやっぱり買っておきます。
まだ、全ての記事は読んでいませんが、結構思いが同じなところがあり感激してコメントしました。これからも読ませて頂きます。
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メンテナンス (snowman)
2016-10-21 00:13:05
ゆうさん、初めまして。コメントありがとうございます。すごいご経歴ですね!いずれ自分もダイビング以外の趣味にも手を広げていきたいです。

ダイビング器材は単純明快です。レギュレーターはファーストステージとセカンドステージでそれぞれ減圧しているだけで、調整はバネの長さで行うのがほとんど。その他の部品に至ってはONかOFFかだけですので。バイクのエンジンのオーバーホールまで手がけるゆうさんであれば、すぐに理解可能な仕組みだと思います。

仕組みを理解して正しくメンテナンスすれば、よくあるショップイントラの片手間オーバーホール(一応メーカーの正規代理店扱い)なんかよりずっと器材に対して信頼がおけますし、自分好みの微調整も可能です。

イントラの片手間オーバーホールであっても大部分のお店はきちんと作業していると信じたいですが、1日か2日だけメーカーのメンテナンス講習を受ければメーカー認定の技術者を名乗れてしまう仕組みなので、それぞれのパーツの意義を理解するレベルに到達せずにとりあえず言われたとおりに組み立てているって人も少なからずいると思っています。

正直、ショップの売上のためオーナーに命令されて仕方なく客の器材のオーバーホールを行っているイントラよりも、自分で自分の器材をメンテしようと思って自主的に学ぶ一般人の方が、同じメンテナンス講習に参加したとしても、知識や技術は上回ると思っています。興味や好奇心が違いますし、自主的に勉強しますから。

そんなメーカーのメンテナンス講習は、もちろん(?)一般人は参加できません。僕はダイビングは好きですが、ダイビング業界は閉鎖的で変に偏っていてあまり好きになれないんですよね。。

こんな文句ばっかりのブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。
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メンテナンス (ゆう)
2016-10-23 09:19:56
お返事ありがとうございます。
パーツを売ってくれないというのはどうしようもないですよね。
僕のダイビングの師匠はオーバーホールもできる方ですが、僕の持っているマレスはきっちり水洗いしてればフリーフローしないかぎり何もしなくていいよ!
って教えてもらえたので一晩水に浸けて塩抜きして緑錆見える部分に着いてきたら綿棒に着けたクエン酸で拭き取っています。
それとスペアのレギとゲージのステムのOリングくらいは持って行くようにはしています。
最近はダイブイン等の海外通販が便利になったので買い換え派でもいいかなと思っています。
メンテに1万円くらいとられるなら3年に一回ヤフオクで売り飛ばして買い換えれば出費はあまり変わらないかもと。
ただ、日頃のメンテする上でこの蓋どうやって開けるの?ってときにおじさん日記さんのようなブログがあると非常に参考になります。
またメンテ記事楽しみにしています。
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メンテナンス (snowman)
2016-10-27 21:39:37
ゆうさんそうですね、レギの使い捨て&買い替えもアリだと思います。特に一番安価で売っているスタンダードピストンタイプのレギュレーターはシンプルで耐久性があるので、そういった使い方でも結構長く使えるのではないかと僕は思っています。

海外通販で日本ではあまり聞かないメーカーでも、オーバーホールのことを考えなければ問題ないですね。
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