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おじさん日記 ~Okinawa Self-Diving Log~

セルフダイビングのブログ。ログや写真や器材が中心ですが、その他ダイビングに関係ないことも好き勝手書いています。

オーバーホールの必要工具

2015-12-23 21:46:20 | オーバーホール
レギュレーターのオーバーホールを自分でやってみたいけれど、どんな工具があればできるのだろう?という方へ。僕も以前、手っ取り早く知りたかったけれど、ちょうど良い情報が見当たらなかったので、ここでご紹介。

1.普通の人は持っていないけれど必要なもの


中圧計。ファーストステージの中圧値を測定して、この値を見ながら最終調整する。特殊なもので需要も少ないので日本で買うと高額。だいたい相場は1万円。僕は海外の通販で2千円くらいのものを買った。


ファーストステージに引っ掛けて開ける工具。これも必須。なじみのない工具なので、ダイビングのメーカーのものを買ってしまうと、4000円くらいする。
でもこの工具、「引掛ピンスパナ」という工具で、オーバーホール専用のものではないので、ダイビングとは関係ないところで買えば1000円前後で購入できる。近くのホームセンターではちょうど良いものが見つからず、僕はAmazonで購入した。

http://www.asahi-tool.co.jp/product/spanner-wrench/cate-fp-hook-spanner-pin-type.html
ちなみに自分のものは直径40-42mm用のFP4042。APEKSのファーストステージは全てこれでOK。アクアラングのカリプソもこれで大丈夫。全て測ったわけではないけれど、このサイズのファーストステージが多いんじゃないかと思っています。


充填されたタンク
人によってはこれが1番ハードルが高いかも。ファーストステージもセカンドステージも、最終的にはタンクにつながないと調整できない。また、洗浄後に水を吹き飛ばすのにも使える。

必須の特殊工具はこれくらいかなぁ。


2.一般的な工具のうち必要なもの


モンキーレンチ。ヨークリテイナーという、タンクと直接接続するところを回すために、1番右のようなでかいモンキーレンチが必要。どでかいけれど、1000円未満のものがあったのでそれを使っている。それと、1番左のような薄いモンキーレンチがあるといろいろと便利。


六角レンチ。APEKSの場合は5mmと6mm。


バイス。万力。工夫すればなくてもなんとかなるかもしれないけれど、ファーストステージは場所によってかなり強いトルクで締め付けられているため、ないとキツイかも。しっかり固定して作業をしないとレンチなどが外れてねじ山などを破壊してしまうことがあるため、バイスを使ったほうが安心して作業できる。
ちなみに自分のものは3千円くらいの簡易的な卓上万力ですが、十分な力を発揮してくれます。
http://www.amazon.co.jp/dp/B009TQ93IQ


Oリング外すもの。傷がつきにくいプラスチックや真鍮製が良いようだけれど、僕のはたまたまステンレス製。なので、傷つけないように気をつけながら使っています。


スナップリングプライヤー。APEKSのレギュレーターでは必要ないけれど、CリングやEリングが使われているメーカーの場合、付け外しに必要になる。


シリコングリス。各器材メーカーで指定のものがあるようですが、カメラ用のシリコングリスで大丈夫だよと教わりました。


クエン酸。ホームセンターで300円くらいだったと思う。金属部品の酸洗い用。
他の酸でも良いけれど、手に入りやすさと扱いやすさで、クエン酸が無難だと思います。


洗浄の時に使うボウルとカゴのセット。100円ショップでセットで売っています。部品がバラバラにならないようにファーストステージ、セカンドステージ、オクトなど別々に入れるので、数セットあった方が良いです。


ナイロンブラシ…とオーバーホール屋さんのホームページとかにはかっこよく書いてありますが。実際はただの歯ブラシ。


結束バンド。作っている会社によってタイラップと言ったりインシュロックと言ったり。主にレギュレーターのマウスピースやインフレーターホースに使う。5mmくらいの幅のもので黒の耐候性のもの。オーバーホールを業者に頼むと「タイラップ 200円」とか書いてあってこんなもののくせに良い値段とってくれるけれど、1本10円程度のもの。あと、とても強い力にも耐えられるので、ライトとかをカラビナにくくりつけるときとか色々に使えて便利。

3.なくてもいいけれど、あると便利かもしれないもの


三点支持オープナー。二点支持オープナーでも良いのだけれど、三点支持の方が確実だし二点だけを使うことができるので、どうせ買うなら三点支持オープナーの方が良いと思う。普通の時計の修理用として売られています。APEKSのレギュレーターは三点支持オープナーがなくても分解できるけれど、メーカーによっては必要になってくる。ダイブコンピューターのフタを開けるのにも使える。安物を選んだら1000円未満で買えました。


ファーストステージを固定する工具。高圧ポートか中圧ポートにねじ込むことによって、ファーストステージを固定しやすくなる。万力でファーストステージを直接挟むことがなくなるので、傷がつかない。いちおうメーカーのマニュアルでは「使うように」と書いてある。海外通販で格安だったので買ってみたけれど、なくても良さそう。


セカンドステージのカバーオープナー。こんなのなくても普通は手のひらの摩擦だけでカバーは開けられるし、ちょっと固くても何らかの2つの突起を引っ掛けて回せば開けられるはず。でも何故かどう頑張っても開けられないカバーが1つだけあり、このオープナーのお世話になった。
あと、実際はほとんど使わないけれど、セカンドステージのレバーの高さを調整するツールも兼ねている。


セカンドステージの吸気抵抗を決めるのに使うもの。ダイビング用のマルチツールには付いていることが多い。大きめのマイナスドライバーでも代用できると思います。ちなみに横幅を測ってみたら9mmだった。


エアーノズル。BC用の中圧ホースの先に付けるもの。洗浄後の水を吹き飛ばすのに便利。タンクから直接だと、高圧すぎて難しい。


洗剤。クエン酸を使った酸洗いだけでも良いけれど、油汚れやプラスチック部品の洗浄に使う。普通の中性洗剤でも良いけれど、洗浄力を考えるとアルカリ性の洗剤。アルカリ性といっても、単なる重曹よりは界面活性剤入りの洗剤の方が汚れは落ちやすい。実際に業者の方がオーバーホールで使用しているものが近くのホームセンターで売っていたのでそれを購入しました。

酸素対応レギュレーターの時は、もっと確実に脂分を落とすために、素手では触れないレベルの強いアルカリ性の洗剤を使うこともあるようです。


超音波洗浄機。なくても大丈夫だけれど、あると便利。細かい部分は手が届かないし、さくっと汚れを浮かせてくれるので。2千円台のしょぼい家庭用超音場洗浄機だけれど、結構使える。メガネとか時計の金属バンドとか電気カミソリとか、汚れるけれどなかなか綺麗にできない日常生活のものたちにも使えるので、2千円台にしては良い買い物かなと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000LUKM5M

次は実際のオーバーホールの手順について書いていきます。

<追記>2015.12.25
結束バンドとセカンドステージオープナーとエアーノズルを追加し、リンク先のエラーを修正しました。
<追記>2016.5.29
スナップリングプライヤーを追加しました。
<追記>2016.8.9
三点支持オープナーを追加しました。


4 コメント

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必要器材 (kipusu)
2018-04-19 08:17:38
初めましてkipusuと申します。

ブログ参考にさせて頂いています^_^

今自分でオーバーホールしようとして中圧計を探しているんですが中々見つからなくて、、、

できたら中圧計を売ってる海外サイト教えてもらってもいいですか?
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中圧計 (diving-snowman)
2018-04-19 12:39:45
kipusuさんコメントありがとうございます。私は以下のものを購入しました。
https://www.divegearexpress.com/deluxe-ip-gauge
リンクが無効になった時のために、Dive Gear Expressというお店で、IP gaugeを検索すれば出てきます。約2000円でした。250ドル以上で海外への送料も無料になるありがたいお店で、私は海外通販の大半はこのお店で購入しています。
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Unknown (kipusu)
2018-04-19 17:56:59
返信ありがとうございます!

調べたんですが見つからなかったので助かります!
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マルテンサイト千年グローバル (サムライ鉄の道リスペクト)
2024-09-14 17:10:53
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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