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神の手は力ある働きをする。

 主の右の手は高く上げられ、
 主の右の手は力ある働きをする。

(詩篇118編16節より)

運命に嫐(なぶ)りものにされる。

2017年10月16日 | キリスト教
【運命の女神たち】フランシス・デ・ゴヤ


 嫐りものの「なぶる」という言葉、嬲るでも「なぶると読むそうですが、この語だと自分的になんとなく「気に入らない☆」と思いましたので、嫐るのほうを選択してみました(というか、フツーに平仮名で書けって話^^;)

 あ、でも男の人にとってはこの漢字のほうが嬉しいのかな。二人の女性にムチとロウソクで嫐られたい……とか(笑)

 もちろんこの二人の女性が自分のマイマザーと嫁さんで、このふたりに嫐られるとかだったら、かなり死にそうですけどねww

 それはさておき、ここからは真面目な信仰のお話。。。

 今回は旧約聖書のヨブ記に関することなのですが、以前に書いたヨブ記に関する記事については、以下のふたつの記事をご参照くださいm(_ _)m


 ・マーリン・キャロザースさんの感謝と賛美の教え-【5】-

 ・功利的信仰。

 
 >>実に、私には食物の代わりに嘆きが来て、
 私のうめき声は水のようにあふれ出る。
 私の最も恐れたものが、私を襲い、
 私のおびえたものが
 私の身にふりかかったからだ。
 私には安らぎもなく、
 休みもなく、いこいもなく、
 心はかき乱されている。
 
(ヨブ記、第3章24~26節)


 この25節の脚注を見てみますと、わたしの聖書には「私の最も恐れたもの 私のおびえたもの=死ぬことなく、苦しみながら生き続けること」とあります。

 これはヨブ記の第3章で、第1章と第2章には、彼が神から「地上に彼ほど清く正しい者は誰もいないのだが」と言われるほど正しい人であることが述べられ、またそこへサタン(悪魔)が「ヨブの持ち物を打てば彼は神のことを呪うに違いない」と言う場面があり、実際サタンはヨブの所有物――らくだといった家畜、さらには七人の息子や三人の娘を打ち、災害や遊牧民の襲撃などによってヨブはすべてを失います。

 ですがヨブはこれほどまでの悲劇が起きても、神につぶやくことをせず、「私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう。主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな」と言って、神さまに対し罪を犯さず愚痴をこぼすことさえしなかったと言います。

 けれども、ヨブが運命のなぶりものにされる第二段階……サタンが今度はヨブの足の裏から頭の頂きまでを悪性の腫物で打つと、ヨブはもはやこのサタンの与えた運命に耐え得ませんでした。しかも彼の奥さんまでが「それでもなお、あなたは自分の誠実を堅く保つのですか。神を呪って死になさい」とまで言っています。

 そして第3章以降は、ヨブと彼の見舞いにやって来た三人の友人との、長くかかる神学論争へと発展してゆきます。

 簡単にいえば、第1章の最初に「この人(ヨブ)は東の人々の中で一番の富豪であった」とあるとおり、ヨブはそのような高いところから失墜したということであり、サタン(悪魔)はそのようにすれば必ずヨブは神を呪うはずだ……と、天上の会議で神に申し上げたということなんですよね。

 ヨブの三人の友人であるエリファズとビルダデとツォファルは、ヨブが何か罪を犯したから、彼が実は罪深かったからこのような災いが彼を襲ったのだろうと仮定して彼を「罪人」と定めるわけですが、もちろんヨブにとっては堪ったものじゃないという話(^^;)

 さて、ここで第3章の25節の脚注のことに戻りたいと思います。

 ヨブはこの第3章や、あるいは続く友人3人との論争の中で「何故死を願ってもそれが来ないのか」、「生まれなければ良かった」、「死にたいのに何故死ねない」……といったようにつぶやきます。読んでいる読者のわたしたちにとっては「そりゃそーだ」といったところなのですが、わたしがヨブ記について何より一番共感するのがこの箇所だったでしょうか。

 右に転がっても悩みがあり、左に転がっても苦しみがあり、暗闇の中、前に進もうとしたら悪魔に蹴られ、後ろへ戻ろうとしても目に見えない悪霊に張り倒される……このような狭い檻に閉じ込められ、ろくろく眠れず、いつこのような苦しみや悩みが終わるかもわからない……となったら、「神さま、わたしの命を取って死なせてください~。お願いしますうっ!!」というくらいしか、この惨い運命に対抗する術はない気がします。

 悩みの形態や苦しみの種類などは違っても、こうした状態を「経験したことがある」という方は多いと思います。

 一応、こうしたことの答えとして、前に別のところで「神を喜ぶことはあなたがたの力だから【1】~【6】」という記事を書いたのですが、マーリン・キャロザースさんの感謝と賛美の教えにあまり深く触れられてない方にとっては、「そんな時こそ神さまに感謝と賛美!!」って、「頭おかしくね?」っていう話だとも思います(^^;)

 他に、聖書には「神に信頼する者は、決して失望させられることがない」という言葉や、「あなたがたの会った試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます」(コリント人への手紙第一、第10章13節)」っていう言葉があるんですけど、正直、わたしこれも最初に読んだ時には「神に失望させられることはある」とか、「脱出する道などないし、自分の手に余る悩みや苦しみを与えられたから、自殺する人がいる」といったように思ったりもしました。

 ただ、とにかくこうした悩みや苦しみといった黒雲を突き抜けるのには<信仰>が重要だというのは確かなことですし、わたし自身、マーリンさんの「良いことも悪いことも、その他どんなことも神さまに感謝し賛美する」……ということを実践してきて損をさせられたことは一度もない、ということは言えると思うんですよね。

 それと、これは聖書に書いてあることですから、当然イエス・キリストの十字架上での血の贖いを信じ、かつ聖霊のバプテスマを受け、聖霊さまが内住されている方以外には適用されないとも思います。つまり、イエスさまのことを最後まで信じ頼ったなら、確かに「イエス・キリストに信頼する者には失望させられることがない」ということが実現し、どんなに追い詰められ、人生の袋小路に追いこまれても、最後には神さまが必ず助けてくださるということです。

 ですので、そもそもノンクリスチャンの方が聖書でただ一種のひとつのお話として、あるいは「聖書に出てくるいい言葉」といった形で読んでも、「うむ。確かにまったくそのとおりじゃのう☆」となるかどうかというのは、また別の話というか(^^;)

 なんにしても、ヨブはこの信仰上の悩みと苦しみという黒雲を抜け、もう一段階どころか何十段、何百段も上の信仰を神さまによって新しくされ、元の財産の二倍以上も祝福されて、再び息子や娘、孫たち……といった親族にも恵まれ、長寿をまっとうして死んだ――と、ヨブ記の最終章、第42章には書かれています。

 つまり、ヨブ記の一番の読みどころは、友人三人と深い神学論争が長く続き、最終的には若者エリフが間に入ったのち、実際に神さまの顕現があり、神さまは友人三人を退け、それよりもヨブのことを正しく扱った……ということだと思うんですよね(もちろん、バラクエルの子エリフが「このことであなたは正しくない」と指摘したとおりの罪がヨブにはあったにしても)。

 もっとも、この決着が気に入らないという方も多いかもしれませんが、「神はおられるのかそれともおられないのか」ということでヨブと三人の友人たちは究極話しあっていたとも言えるのではないでしょうか。もちろん、彼らの間で「神はもちろんおられる」ということでは一致を見ている。けれども、「神がいるのならば何故」ということでは、意見が一致を見ていないわけです。

 そこで友人三人はヨブの罪を仮定して彼を裁いたわけですが、そのことに対するヨブの答弁というのは、読者にとっては「まさしくそのとおり」としか感じられないものであり……実際、神さまが本当に現れてくださったことで、この「神がいるのならば何故」論争は終止符を打ちます。

 ヨブ記のこの結末を「なんかずるーい☆」と感じる方も多いと思うのですが、わたしがヨブでもやっぱり神さまのこの答えで十分満足すると思うんですよね(^^;)事実、神さまの顕現によってヨブは自分を正しいとするあまり、今度は神よりも自分を上に置く……といったように、その「正しさの主張」が奢りや高慢に変わってきており、その自分の心の高ぶりと罪に、神さまの顕現によってヨブ自身も気づいたことでしょう。

 なんにしても、「今ものすごく悩んでいる」とか、「なんで人生はこんなにつらいんだろう」と感じられてる方に、ヨブ記はとてもお薦めな書です。「ヨブ記」として単独で売られてもいるようなので、自殺を考える前にまずヨブ記、またそれよりもっといいのは教会でイエスさまのことを信じ、そして聖書の学びをする……ということかな、と思ったりします。。。

 それではまた~!!





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