les généalogies des Essais―Delfini Workshop annexe

エセーの系譜をおもに検討。

L・Wノート:Bemerkungen über die Grundlagen der Mathematik(34)

2012年10月13日 | Wittgenstein

■旧暦8月28日、土曜日、

(写真)無題

旧暦だと、8月の下旬なのか。驚き。今日は秋日和だった。金木犀の香が、道々に充満している。



43. Die logische Gewißheit der Beweise - will ich sagen - reicht nicht weiter, als ihre geometrische Gewißheit. Ludwig Wittgenstein Bemerkungen über die Grundlagen der Mathematik p. 175 Werkausgabe Band 6 Suhrkamp 1984

わたしは、こう言いたい。証明の論理的確実性は、その幾何学的確実性を超えない。

■論理的確実性は、人間の外部にあって、強制する力と関連している。端的に言って、環境に存在する暴力である。これを、読み取り(言語的に変換し)共同体内に事後的あるいは予防的に取り込んで、社会的に無化するために、論理が発明されたのだと思う。幾何学は、そもそも、測量に起源を持っている。土地に関連する技術であるから、農耕の始まりが前提されている。農耕は、狩猟・採集に比べると、余剰生産物が生まれやすく、貯蔵もしやすいから、その分配をめぐって、階級や国家が発生していたと考えられる。そうした農耕の生産・分配に測量技術は関連していると考えられる。

論理学や幾何学は、一見、永遠の真理のように現象するが、論理的に確実あるいは幾何学的に確実であるとは、論理ゲームの規則、幾何学ゲームの規則の運用の仕方が正しい、ということにすぎない、とヴィトゲンシュタインは述べている。これは、運用の正しさを判断できる集団が存在するということでもある。

先に述べたように、論理や幾何学の起源を考えてみると、それらが、何らかの「社会的な力」と関連していることが見えてくる。真理は社会的な力と無関係ではないのだ、と思う。