祈りを、うたにこめて

祈りうた(野菜の声  もやし)

野菜の声  もやし

 

 

野菜コーナーに山と積まれ

品定めなどされずにバスケットへ放り込まれる

安くて当然 

一円上がっても高いと言われる

 

焼きそばでも味噌汁でも鍋でも中華でも

袋からバサバサ出される

ひとつふたつ落ちても大事にされない

全部でひとつ、それがもやし かな

 

 

もやしの一本一本を割いて

そこにひき肉を詰める

もやし一袋

何時間もかけてひき肉を詰める

詰め終えたもやしは五分で食べてしまった

―そう言って笑ったひとがいた

こちらも笑いながら

なんだか切ないなとも思い

ずいぶんの値打ちものだなとも思った

 

 

コロナ禍でアルバイトができなくなり

切り詰めた食費でもやしを買います

それが一日の食事です

―そうインタビューに答えた女子大生がいた

豆腐二丁を買い

それを食事にしていた学生時代を思い出した

笑うこともできないなと思いながら

 

一人の空腹を助けたもやしに 感謝

 

 

 

●ご訪問ありがとうございます。

 ひ弱なイメージ、安い野菜の代表のようなもやし。けれど、よく見ると、一本一本、生命そのもののようにピチピチしています。

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