祈りを、うたにこめて

祈りうた(エール   マスク  いいじゃないか)

マスク

 

一日じゅう使われたのだった

よごれて臭くなって棄てられたのだった

もう用はないと

いくらでも替えはあると

 

なかなか買えなかったときも

あったのだったが

道端に落ちているものさえ

欲しい と思われたのだったが

 

おろしたてのとき

真っ白だったとき

じぶんをよごして君を

世界の汚さから守ってくれたのだったが

 

 

 いいじゃないか

 

ぼろぼろになっても

いいじゃないか

枯れ木!

 

きたないとよけられても

いいじゃないか

枯れ草!

 

役立たずといわれたって

いいじゃないか

廃屋(はいおく)

 

もうあおい枝がのびなくても

もうあまい香りがひろがらなくても

もうひとが土足ではいってきても

 

いままでのきみを きみの誇りを

みんなみんな

神さまが知ってる

 

●ご訪問ありがとうございます。
マスクにしても、緑の木や香る草花にしても、人の笑い声があふれた家にしても、時間のながれのなかで変化していきます。
この詩を「寓話」としてお読みくださった方もいらっしゃるかもしれません。社会から身を引いた人のことを裏に秘めたものだと。
そして、誰が認めなくても、当時の華やかさや活躍ぶりは自分こそがいちばん知っていると、そう誇りたい気持ちもまだ働くかもしれません。
私自身、定年後しばらくは以前の働きぶりを反すうしたくなりました。多忙ぶりを懐かしく思ったこともあります。

けれど、時は経ちました。
そして、いえ、誰が評価してくれずとも、神さまだけはずっと見守っていてくださったのです。それで十分、じゃないでしょうか。

これまでの暮らしに感謝。
そして、新しい一歩に、定年後の暮らしに乾杯!

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