祈りを、うたにこめて

祈りうた(導かれて  西村正紘の川柳)

西村正紘の川柳

 

 

 西村正紘の川柳に

 

自惚(うぬぼ)れも悲観もしない比べない

 

というのがある。

 

 自分自慢をしない

 自分いじめもしない

 自分をひととは比べない

 自分はこの世でただひとりの存在だ

 この自分というものをていねいに扱おう

 等身大からはみ出さないで生きよう

―生き方に自信のもてないひとへのエールの句である。

 

人生の袋小路さ焦るまい

 

という句もある。

 

 自分は器用に生きられる者ではない

 あっちへぶつかる こっちへぶつかる

 かすり傷ですむこともあれば

 一針二針縫うことだってある

 それでもなんとか切り抜けられれば良い

 でも 行き詰ってしまうことだってある

 誠意や真心だけでは通用しないのが世間というもの

 行き止まり そんな壁を感じてしまう

 ダメだ、ダメだ突き破れぬ そんなふうに思い詰めてしまう

 卑下もしない、絶望もしない

 そう思ってきたはずなのに

 

 だが 

 待てよ!

 自分はけっきょく人と比べているではないか

 勝ち負けの世界に身を置いてしまっているではないか 

 そして 自分は負け組だと決めつけているのじゃないか

 ドキドキするな 自分をおどすな

 息を吸って吐いて 

 おちついたら顎(あご)をあげよう

 自分の羽を広げてみよう

 そして また飛んでみよう

 何とかなるさ 飛んでれば

―これも、へこんだひとへのエールの句である。

 

私にも出来そうそれが第一歩

(川柳作家ベストコレクション『西村正紘』新葉館出版)

 

 

★たんぽぽの 何とかなるさ 飛んでれば 

いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。

 

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