祈りを、うたにこめて

祈りうた(ちいさな翼  地球と握手)

地球と握手

 

寓話 似合わない

 

塀の前で花が褪(あ)せている

よれよれになった自然

公園で樹皮(じゅひ)がはがれている

がさがさになった自然

河原で茎が折れている

ぐしゃぐしゃになった自然

 

でも だれもわらわない

みんなみんなありのまま

だれも卑下(ひげ)しない 

だれも妬(ねた)まない 

だから みんなみんな魅力的

 

その自然を

吸いがら 用済みのマスク  

ゴミ袋 落書き

(たん)

戦車の残骸(ざんがい) 教会の破片

道路に棄てられた遺体

ぜんぶぜんぶ ひとが汚(よご)した

ぜんぶぜんぶ ひとで穢(けが)した

薄笑いしながら

 

だから 

みんなみんな不自然

みんなみんな 

この地球に

似合わない

 

      

 

 

寓話  愛の木

 

「まねる」と

「まなぶ」

おんなじ根っこの知恵の木

まねるが兄 まなぶが弟

 

まねるは ぐんぐん水を吸い上げて

つぼみをつける

学ぶは じっくり養分をためながら

つぼみを実に変えていく

 

兄は弟を愛している

弟は兄を慕っている

青い空 透きとおる空気 肥えた土

一面にひろがる小麦畑

 

おんなじ根っこをもった知恵の木

つぼみがつき 

それが実り

いのちを分けあう しあわせの

 

●ご訪問ありがとうございます。

 第二次世界大戦のとき、旧ソ連軍は、ナチス・ドイツと戦いました。そのソ連軍は、ロシアであり、ウクライナであり、ベラルーシなどでした。「きょうだい」として、同じ「敵」を相手に戦ったのです。
 その国家の歴史を詳しく知る者ではありませんが、残酷な情報が増えれば増えるほど、なぜそのような侵略が止まないのか、ーただ一人の欲望のために、という嘆きが強まります。
 人の悪が穢す世界、「きょうだい」が殺し合いをする世界、それが浄化される日の一刻もはやいことを、朝に晩に祈っています。

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