
(このタンポポの頭上には、どうやら栗の木があるらしい)
木村 最近、怒ったことあるか?
目黒 夜中に突然、沢野のことを思い出して、我慢できないほどムカムカ
してくることがあるな(笑)
椎名 そうそう。
木 あれ、椎名も?
椎 そうだよ。沢野のことを思い出すだけで、寝ていても目が覚めちゃう
ぜ(笑)
木 それは、沢野が何か悪いことをしたのか?
目 具体的なことは何もないけど。。。
椎 思い出すんだよ、今までのことを(笑)
目 何度あいつに約束を破られたことか、って思い出しちゃう。
木 眠れなくなる?
椎 夜中にムカムカして目が覚めると、沢野のところに電話しよう
と思うよ(笑)
沢野 そういうことがあるから、うちはいつも留守番電話にしておく(笑)
・・・(中略)・・・
木 おれは、沢野とは12才の頃からの付き合いだから、諦めというも
のがあるな。問題の多い男ではあるけれど、こいつも愛しい奴
なんだ、と。
椎 そういう、物分りのいい奴って、嫌だな。
木 お前、腹減っていないか?
椎 きょうは昼飯も晩飯も食っていない。
木 腹減ると人間は怒るんだよ。そういう時は、沢野も気をつけたほう
がいいぞ。
沢 まぁ、僕の話はそれくらいにして(笑)



目黒 正月をどこで過ごせばいいかな、というテーマです。
沢野 それなら温泉場かな。
木村 今まで迎えた正月の中で、一番印象深いのは東南アジアの、船の
上で迎えた正月だな。
椎名 船上?
目 どういうところがいいの?
木 太陽が沈んでいって、月が上がってくるだろ。その月が沈んでいく
と、今度は初日が出てくる。何もない海の上でさ。景色も何もない。
宇宙の中の木の葉のような存在だな、って感じるよ。
椎 おのれが?
木 うん。まだまだ小さいと。
沢 いちばん辛いのは、正月を愛人の部屋で過ごすことじゃないかな。
目 どういう意味?
沢 だから、一年中遊んでいても、普通正月は家にいるだろ。その正月
に家にいないってことは、なんだか辛い、ような気がする。
目 正月に、帰る家がなかった、ということじゃなくてかい?
木 あと、暮れとか正月に、キャバレーに行くとモテるんだって。
椎 ようするに、行く人が少ないからかな?
目 じゃぁ、正月に(自分の)家に行っても、モテるんじゃないの(笑)



目黒 正しい”友情”とは、いったい何か。
沢野 友情って、困った時に手を差し伸べないことだろうねぇ。
目 友人が困っていても、助けないってか!
沢 だって、差し伸べたってしょうがないんだよ。
木村 まぁまぁ君たち!逆に考えればいいんだよ。正しくない友情とは
何かだな。
椎名 困っているときに、助ける奴(笑)
・・・(中略)・・・
椎 真の友情は、すっごく苦しいことを、お互いに経験した人同士だよ。
戦友がそうだろ。山の仲間もそうだよ、な。
沢 そうかなあ。山は下りると何もないよ。
椎 それは、お前の人格の問題だ。
目 苦しい体験の究極は、”死”だろう。
木 楽な体験はダメなのね。
椎 一緒に温泉に行って「やぁ、一緒にあったまったなぁ~」(笑)
ってのはダメ。
木 友情はおこりにくいか。
目 おれ、競馬場の帰りに、見知らぬ他人に友情を感じることがある。
あぁ、あいつも負けたのかって・・。
椎 勝った者同士で、友情は感じないだろ。
目 感じないな。負けた者同士だよ。すると、負の体験、マイナスの
体験を共にすると、友情は生じやすいのか。
木 そうかもしれない。
沢 ・・でもさ、友情って、あったからってどうってことないよ。
目 お前、そればっかりなんだから。
沢 この広辞苑で、ほら、愛情と友情がどう違うか、目黒くん、引いて。
目 そんなの、自分で引けよ。
沢 僕、そういうの、苦手だから。
目 誰が引いても同じだよ。
沢 ほら。
目 お前が引けばいいじゃないか。・・ええっと、なんだよ、字が
ちっちゃいなぁ。
木 おれ、最近老眼だから、辞書引くのダメなんだ。
椎 木村の眼鏡、老眼鏡なのか。
木 そうだよ。
目 本当?いやぁ、友情感じるなあ。おれも最近そうなんだ。



上記の会話文は「発作的座談会2」(角川文庫)より、引用しました。
この4人の中で親友を選ぶとしたら、あなたは誰と友情を育みたいですか?
うぅ~、難問デスカネェ。。。。ていっ!(ノ-_-)ノ・・・~~┻━┻

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木村さんあたりが相性がよさそうですね。
どっちにしろ、この4人は会話を楽しんでいるようです。
男の会話・・・たわいないことが多いです。
山の話だけで酒の肴はいりません。
私の感じでは、昔ならかなりあったことでしょう。
ある面、羨ましい。
しかし、家庭との絆がまだまだ繋がっているのが条件ですね。
座談会の人たちは、家庭に帰れないケースを話しているようです。
家庭にも愛人の部屋からも歓迎されていれば……、やはり、このケースも辛いかなあ?
木村さんは、弁護士という職業柄か、仲間内では、いちおう常識人とみなされています。
しかし、本音を見せていない可能性もありますよね~
この座談会では、おばかを演出しているようなところもありますから、額面どおりには受け取れませんが・・。五分五分?
山のお仲間は、かけがえのないお友達なのでしょうね。なんとなく、想像できます。そりゃ~楽しいんでしょうね。話題が尽きない気がします
おお!予想通り、ひよどりさんはここで立ち止まるだろう、と思っていましたヨ(笑)
「正月を愛人の部屋」で過ごす。沢野氏は、えらいこっちゃ!な話を出しています。まさか、経験談かな?ありえますかね~
自分の家に戻り辛くて、そこに居るのかもしれません。それなら、羨ましくもないでしょ!
家庭にも愛人にも、行かないで
それを”辛い”なんて、言わせませんことよ。まぁ、今日はこれくらいで、許しますけど。おほほ
そんな場所で年を越せたらいい思い出になると思いますよ。
別に正月にはこだわりませんが。(笑)
応援しときましたよー!!
その昔「哀愁の町に霧が降るのだ」と「国分寺書店のオババ」にはまった頃がありましたので。
拙ブログでネタにした「食べれば解る人」は椎名誠氏が沢野ひとし氏を指した言葉ですから
・・・ところで、トーコさんのブログは日々進化してますね
羨ましい限りです
私は未だにお仕着せのテンプレートを旅する、脳の無い女でございます
お力をお貸しいただき、鋭意奮闘中です(はて、何を?)
こんど、”夜桜”見せていただきます~ヽ(≧▽≦)/キャー
(キクチちゃ~ん、手土産の使いすぎを勘弁ね!)
キャバクラ、とかいうものに嵌って、離婚して、さらに貢ぎ続けている人が、いるらしいンです。知り合いの、そのまた知り合いですが。
向こうも、お仕事だから、デスヨ。いつでも、”ご主人様”には、親切でしょうね。あ、それは”冥土カフェ”か(笑)
チップをありがとうございます。ご主人様?
おお!あなたの方がずっとお若いのに、同じの読んでいますね。初期の作品は、良かったですね~。
個人的には「蚊」という本が、好きでした。短編ですが。迫力満点。
沢野氏は、”帰宅困難症”かもしれません
「食べれば解る人」。読んでいません。そうですか、沢野氏のことなんですね。ネタの提供では、第一人者!!
「太王四神記」。ビデオにも録りました。エンディングテーマ曲が「千年恋歌」って、私好みですし(笑)
玄武、白虎、青龍、朱雀。東方神起。楽しくなってきました。教えてくれて、ありがとうね、nunkikiさん