隆一「今夜の宴会は、2階宴会場『有馬』に午後6時30分集合ということで、それまでは各自、自由行動としまーす」
「オーケー」
「了解ー」
みんな軽装に着替えて、カップルで出掛けるもの、カップルでもグループで出掛けるもの、それぞれだ。
隆一は、有紀と2人だけでホテルを出た。
残されたのは杉山だけである。
(外に出てガールハントでもしようか。いやその前に女性10人の追加費用を、親父と交渉しなくちゃいけなかったんだ)
杉山は、覚悟を決めて父親の会社に電話をかけた。
杉山社長「予算の増額?そんなに人数が多いとは訊いてなかったぞ。ダメだダメだ」
杉山社長としては、はやく息子に自分の会社を継がせたい。
だが、風来坊の杉山は、まだまだ自由な生活を満喫したい。
恋もしたいし、父親が気に入ったら、その女性と結婚してその後いずれ会社を継いでも遅くないと考えている。
父親はまだ元気でピンピンしているし、杉山も今のところ、ジャズ喫茶のマスターの生活が気に入っていた。