大丈夫だよ。

卵巣腫瘍の治療を終え、再発予防の為の情報を交換したいと思っています。病を皆で乗り越えましょう。

感謝

2006-12-05 15:14:21 | 06 退院・通院・化学療法

 木曜日に点滴してから、体調は最悪…。当日は3回の噴出。翌日もけろっぴ。翌々日からは何とか飲み込むという具合で、6日目になりました。

 今日は少し楽になり、久しぶりにジムに1時間ほど行って体を動かして来ました。お風呂とかは入らなかったけれど…。(まだ気分が悪くなるので、やめとこって感じです。)

 読売新聞の記事で「鉄製のフライパンは一生使える。」というのを見てから、ずっとやりたかったフライパンの空だきをやったり。(本当に黒いカスがとれて、きれいなフライパンになりました。)

 この間最近記事ではいい感じで登場しなかったぽこたにも随分助けてもらいました。家族に感謝です。

 木曜日なんかは、「噴出」している私の後を、うちのわんたが追ってきました。トイレに間に合わず廊下にちょっとけろっぴが落ちているのをわんたがなめていて、ちょっとうるっと来ました。体の調子が悪いの分かるんだなって感じです。(なめるの汚いというつっこみはさておき…)

 金曜日は動かずに、ひたすら伏せているという感じでした。飲めるのは、微量のりんごジュースと水だけ…。勿論わんたの散歩、ご飯、全てぽこたに任せきり…。にんじんりんごジュースは、匂いが気持ち悪くて飲めない…。

 土日はフルタイムでぽこたは家事。慣れていないので、コマンドを出すのが面倒だけど、ガスコンロの掃除から、普通の掃除、買い物、炊事、洗濯とフル稼働してもらいました。

 つくづく思うのですが、結婚していて良かった…。

 夫婦って、晴れの日ばかりじゃありません。時には喧嘩して、「別れる、別れない」の話になることもあります。最近熟年離婚なども増えているし、離婚が人ごとではないなあとも思うのです。

 でも、病気後、確実に絆は強まったと思います。

 何より、「一人でも生きていける。」なんて思ってた自分が、「一人じゃ何もできない。」という体にまでリセットされ、家族や人のありがたみをしみじみ知ったというのが大きいです。これまでの自分は傲慢で不自然でしたね。

 3世帯同居なんてありえない、なんて思っていたのに、今なら何だか分かるような気がします。人って助け合いながら生きているんですよね。

 昨日、ぽこたに「化学療法はこれでおしまいだ。」というのを改めて宣言してみました。ぽこたは「今だけだよ。辛いのは。」と言い、今度一緒に話を聞きに行くということになりました。

 その時話したこと。

 うちの父は、5月のGWに大腸がんで手術して、そのまま病床から一度立ち上がっただけで、普通のご飯を食べることなく8月に亡くなりました。

 その間、ホスピスを探したり、色々調べました。

 ホスピスでは「大腸がんは、腸閉塞になると辛いから、とにかく手術をして、それからこちらに来ることを考えてもいいでしょう。」と言われました。

 でも、父は、「とにかく」やった「手術」後、もう立ち上がることはなかったのです。

 父の葬式が終わった後、私は尊厳死協会に入りました。

 尊厳死というのは安楽死と違って、「自分が全責任を持つから、延命措置はしないでくれ。」というものです。この宣言書があると、医師が延命措置をしないという選択をすることが可能になり、自然な死を迎えることができます。

 何でその協会に入ったかというと、「長く生きること」より「良く生きること」が大切なんだとつくづく思ったからです。

 父が病床で生きていてくれたこと、どんな形であれそれ自体はとても嬉しかった。でも父はどんな気持ちでいたのだろうと今でも思います。

 「痛くない?」と聞くと、「痛くない」と答え、一度も弱音を吐いたりすることはありませんでした。

 気管切開で声を奪われ、尿と人工肛門の袋がぶら下がり、栄養は鎖骨下からの静注だけです。勿論それ以外に色々な点滴がされます。時には足の甲から。胸には心拍計、指には酸素計。

 父は本当に偉かったと思います。

 それ以来です。「死ぬことが怖いんじゃない、死ぬ前の動騒が怖いんだ。」と思うようになったのは。

 こういう言い方もできます。「死ぬことが怖いんじゃない、死ぬ前にされる処置が怖いんだ。」

 今の点滴は、あまり相性が合わない(自覚される副作用が辛すぎる)ということから、私にとって「死より怖いもの」となりつつあります。

 この点滴の副作用が出ている時は、発想がネガティブになります。

 例えば、事故死のニュースを見て、「いいなあ。」と思っている自分がいるのです。

 勿論、副作用が落ち着けば、今日なんかは、「生きるっていいなあ、空が綺麗だなあ。」なんて思うのです。

 確かに、今確実に「叩いて」おくことはとても重要。でも「叩かれる」のは、対象だけじゃない。

 一方、化学療法できちんと治っている人がいるのも事実。

 こんな話をぽこたにしました。

 こうなってくると、「死ぬまで元気」っていう例の会話が現実味を帯びてきます。

 楽しく生きて、死ぬ直前まで普通の生活をして、ある日突然というのがやっぱり理想です。 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すみさん (ねこた)
2006-12-09 23:21:18
 旦那さんと延命治療への考え方が違うってどういうことなんでしょう?日記楽しみにしてます。
 私の場合、「患者よがんと闘うな。」じゃないけれども、「もう治らないよ」というところまで来たら、あっさり自然に死にたいと思ってます。
 延命なんてとんでもないです。カロリー輸液さえしたくないです。
 そういう話、今度しましょうね。(重たい?)
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Unknown (すみ)
2006-12-07 00:28:09
「私は母親には甘えられません。母は自分より弱い人だと思っているので」←ウチと同じだ~(汗)
わたしの場合は相談相手は旦那ですけど、いつか記事にするつもりですが、延命治療については考え方が違っていました。難しいです。

ぽこたさんの株はかなりアップ!!
一方で、ねこたんの化学療法、なんとも重い問題になってきましたね。お父様の時のことが、強くあるんですね・・・。

点滴後は辛くて仕方なくって、副作用から解放されてくると一気に気持ちが元気になるの、わかります☆
今回の副作用も、早くスッキリ抜けるといいですね・・・。
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decoさん (ねこた)
2006-12-06 12:22:49
 サイモントンはまたあると思いますので、お会いできるといいですね。
 3ヶ月に一回くらいやっていますので、紹介していきますね。
 これからも宜しくお願いします。
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ちゃこらさん (ねこた)
2006-12-06 12:21:50
 そうなんですよね。男って褒めないといけないんですよね。(笑)友人が言っていたのですが、「男性は家事を自分がやるものと思っていないので、やったら大げさに褒めなければいけない。」って言っていました。
 ぽこたは家事全般できるようになっていると思います。時折ボタンがはずれると、悲しそうに立っていますが、ソーイングセットを渡して終わりです。冷たいかもしれないけれど、万一私が倒れたら(実際今そうなっちゃったけど)と思ってずっとそうしてきました。
 でも、病気になってから「ありがとう。」はやたら言うようになりました。大切ですよね。
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さくらたん (ねこた)
2006-12-06 12:19:01
 受け止めてくれる人がいるってだけで幸せかもしれませんね。私は母親には甘えられません。母は自分より弱い人だと思っているので。(本当は強いかもしれないけれど。)
 家事一般ぽこたはきちんとコマンドを出せばやってくれます。でも、事細かに出さないと、変なことになるので、面倒くさいんですよね。(笑)
 慣れていないってのがあるのかもしれないけれど。
 さくらたんも「大事なもの」の順番が分かったんですね。わたしも分かりました。
 とにかく「人」を大事にしようと思います。
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Unknown (deko)
2006-12-05 23:20:13
こんにちわ。嫁さんのところから来ました。
はじめまして。
 結婚はいいときばかりじゃないですよね。
サイモントン療法に興味があるのですが、12月23日は予定が入っていたので残念です。
 機会があったら、聞いてみたいと思っています。
また遊びに来ますね。
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ジム (ちゃこら)
2006-12-05 23:04:24
ジムに行ってきたんですね!
すごい・・・!
さすが「我等のねこたさん」ですよ~!!
頑張っているなあって、こちらまで刺激されます

そして、ぽこたさんスゴィ
多分、普段家事をしていなかったぽこたさんにしたら、想像以上に大変な作業なんだと思います。
ちょっと上手にできなくても、ここで多いに誉めて感謝してあげてくださいね~
気を良くして、ますます腕を上げてくれると思いますよ~
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ぽこたさんアップ↑ (さくらたん)
2006-12-05 21:30:14
ねこたん復活☆☆ですね。しかもジムとか行ってるし~。良かったですっ♪
ぽこたさん株急上昇ですねっ!ガスコンロの掃除までやってくれましたか!!!本当にいいヒトです~。自分の思いを(特にヘビイな部分を)きちんと話すことができ、受けてとめてくれるヒトがいることは、とても有難いことですよね。
私も家族との関係は、病前より良くなったような気がします。友達も、本当に会いたいヒト話したいヒトにだけ連絡するって感じです。大切なモノがだんだんわかってきたんでしょうか??
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