紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

お江戸でお勉強!

2016年03月11日 | イイ建築・家具の話

火曜日から木曜日までお江戸へ出張!してまいりました。(だから水曜日のBlog更新サボっちゃいました。すいません。それを取り返すために、今日のBlogは長くなりますよ〜(笑))

月曜日のブログでも取り上げましたが「わざわ座」という運動のお仲間に入れていただくために。詳しくは弊社としての活動を始めてから取り上げさせてもらいたいと思いますが、「誠実な素材。手仕事の復権。」など、弊社の創業以来の理念と全く符合する運動。これが広まっていけば地域も日本も良い方向へ向かうはずと思います。

ホントに簡単にさわりだけ説明するなら、弊社で新築やリフォームなどをしていただいた住まい手の皆様に、建築途中で出る端材や、また建築会社の倉庫に眠る&解体した家の古材や、はたまた信頼できる素材によって、大工さんが家具をつくる。ということです。その家具の範疇もこれから大きく広がるでしょうし、家具だけなら今までもご希望の方には弊社のデザインと弊社の大工さんで造ってきましたが、日本を代表する家具デザイナー小泉誠氏と建築家伊礼智氏がデザインした家具を造れるという所が味噌でありますね。

もちろん大工さんですから、どんなに腕が良くとも、家具の分野では最終的には家具職人さんまでの仕事のレベルは無理ですが、誠実な材料で、デザインも耐久性も長年愛着を持って使っていただけるという所は、間違いないと思います。

早く実際造ってご紹介するのが私も楽しみです。皆様も是非是非お楽しみに〜。

さて、その模様や、見学させていただいた実際の家具やそれを置いていた東京の工務店様のモデルハウスの模様は(素晴らしかったですよ〜)またおいおいご紹介させていただくとして、、、

さあまいりましょう!私の建築探訪の模様を(笑)

まず、新幹線を降りるなり中央線に飛び乗ってわき目もふらず向かったのがコチラ。

小金井市の江戸東京たてもの園にある「前川國男邸」です。

 

ぱっと目の前にこの有名な姿が現れた時は感動が。だけど、まず初めに思ったのは「意外と小さいな」って事。今まで建築の本などでみていた印象よりは随分小さいなというのが第一印象。

だけど、

 

中に入るとまた大きくなるんです。これは僕の勝手な解釈ですが、良い家って『外から見ると小さいのに、中に入ると大きい』これ、ホントに共通しているように思います。

あとは昔雑誌で見た色々なアングルが現れます。室内はシンプルですが、とても広さのボリューム感が良かったです。丁度良い感じ。こういう感覚は上手く言い表せないんで体感するしかないんです。建築・家づくりに携わるものにはとっては、欠かせない勉強ですね。

 

最後にアプローチ。このアプローチも魅力的です。

初日はまず第一に見学させていただく工務店さんにお邪魔するのが礼儀でありましたが、コチラに先いく方が便利だったし、、ここでバッチリと長居。。。本当にすいませんでした。気持ち良い家はついつい長居させられちゃうんです。

この後は、工務店さんできっちりとお勉強させていただきました。誠にありがとうございました。

さて、二日目。

この日は昼から「わざわ座」の説明会ですから、午前中は空いてます。初日とうってかわり雨が降り滅茶苦茶寒い中、すっかり油断し薄手のスーツしかないため「サブイサブイ」を連発しながら向かったのは、

世田谷区成城の猪股邸。かの有名な吉田五十八氏の設計&水沢工務店の施工です。

学生時代はもちろん成城に住んでいたわけではございませんが、まあまあ近くに住んでいたこともあり、何となく土地勘もちょいとはある所。。。なんて、ウソをつきました。。ただ同じ小田急沿線の近所の駅に住んでいただけで、成城などの高級住宅街には土地勘ございません(笑)

上の素晴らしいアプローチを抜けると玄関。

 

凛とした玄関です。

それから、

広間

書斎?

とさすがの贅沢で素晴らしい空間。

お茶室や

軒下空間もやっぱり魅力的です。

ここは持ち主さんが世田谷区に寄付をされて、また行政もそれに応えて維持管理をされています。当日もボランティアの地域住民の方が、お掃除をされたていたり、ご案内もしてくださいました。何せとっても素晴らしい建築空間ですから、ゆっくりと椅子に座ったりソファに座ったりして、家主になった気分で空間を楽しまさせてもらいました。随分長居もしましたが、館内のボランティアの方にもとても良くしてもらって感謝感謝です。

寄付をされた方、ボランティアの地域の方、そして行政、みなさまのご尽力のおかげで、こんなに素晴らしいお家を見学させていただいて、勉強&楽しめる。本当にお金には代えられない素晴らしいことです。誠に誠にありがとうございました。

最後に、

写真がイマイチですが、吉田五十八氏の気迫のようなものを感じる納まり。全てにおいてここまで拘るのは、ホント凄いと思います。良い勉強をさせていただきました。

さて、これで会場の半蔵門の方へ向かうわけですが、乗り継ぎのため表参道で地下鉄をおりた時、ピンと閃いて乗り継ぎをやめ地上に出て、早足で表参道を歩いて

根津美術館へ

ここは今タイムリーな隈研吾氏の設計ですし、見てみたいとずっと思ってた建築。

じゃん。このアプローチの空間で勝負あり。って感じです。

私、このように軒(屋根)の出はとても大きい、シンプルな切妻型の外観が一番すきでありまして(そういえば、私が好きな竹中大工道具館にしても、佐川美術館にしても、久保惣記念美術館にしても、皆そうですね)、またこういう石と砂利の感じもとても好みなのです。

でも、ただシンプルなだけではなく、

こんな屋根を出す構造材をとても薄く見せてる所とか、

屋根先を軽快に見せるやり方とか、色んな工夫があって、このままは無理でも考え方は家づくりに大いに役立つ所がたくさんあるのです。

ここが南青山、大都会のど真ん中だってことを忘れさせる贅沢なお庭から見ても美しい建物の姿。

それからお庭では

 

こんなざまざまな(ホンマさまざまです。全部はとても載せきれません)庭の石の敷き方を見て、楽しみながら色々とお勉強してまいりました。

そして昼ごはんを食べる時間を逃し、時間ギリギリに会場に飛び込んで、そこから夜遅くまで会議&会合で、私のお江戸出張は終わったのでありました。

これからも本年は結構お江戸方面に行く機会がありますので、今回見逃した所はまた次回です。

……

さておまけ。

ちょいと前までは、学生時代がお江戸だったこともあるのでしょう。やっぱり何か東京はやっぱりスゴイ!他とは違う!的なものがあったのだと思います。要は憧れのようなものでしょうか?自分自身では意識したことはなかったけど、あったんだなと今回ふっと分かりました。

仕事でも遊びでも、何かワクワクするような、誤解を恐れずに言えば、そこに居ることに何か優越感があるような感じ。。

だけど、今回は何とも思わなかった。これが結構面白いと思っております。

 

ホテルや会議先の関係で新宿や渋谷に行っても、表参道を歩いても、赤坂のあたりを友人と食事する所を探しなら歩いていても、

これも誤解をおそれずに言えば、別に地元と特段変わったとは思わないような感覚。

そりゃもちろん、高層ビルや人の数、店の数、全く違うけど、あまりそこに価値が見いだせないというか、ここに居たいな〜という憧れは感じなかったわけですね。

建築的にも刺激的だし、便利だし、美味しいものも綺麗な物も溢れているし、魅力はあふれるんだけど、だからといってまた明日来たいとは思わない。。やっぱり地元がイイやと。

本格的な「おっさん」になったということでしょうか(笑)

それとも、良い意味で自分に自信がでてきたのでしょうか♪

まあ、後者だと思っておきましょう!東京の都会のど真ん中で生まれ育ってという方は、またどんな感覚になるんでしょうかね?まっ、都会とか地方とか関係なく、自分の生まれ育った場所が一番良いのかもしれませんね。

ではでは良い週末を!!

 

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

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