紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

愛着をもって使い続けるということ

2016年08月10日 | こういう家を造りたい!(大彦の思い)

明日11日(木)〜16日(火)まで弊社はお休みをいただきます。展示場もその間はお休みを頂戴いたします。

今月はお盆休みがあるけれど、その前に情報誌「つくり手」を発送することができて良かった良かった。

5月から初めて今月で4回目の発行。弊社広報の久保さんを中心に設計も大工さんも皆で造っておる情報誌です。今月も皆様お疲れ様でした。

この情報誌を造る段にあたって、実際お家を建てていただいたお客様にインタビューをさせていただくコーナーを設けまして、毎月そのインタビューに、私お客様のご迷惑もかえりみずお邪魔して、厚かましくお茶やお菓子を頂戴しながら楽しまさせてもらっておるのですが、、

色々と聞いていく内に皆様がなぜ弊社をお選びいただいたのか?の、共通した部分がチラホラと。(まだまだ廻らせてもらいますから、段々と明確してくるかもしれませんね〜)

その中の一つが「経年しても愛着を持って住まえるお家」ってこと。(実は先月の情報誌にそれ記事にしちゃってるんで、ダブって読む方はすいません)

 

この鞄は、父がずっと使っていたもので僕が風合いを気に入って譲ってもらって、今使っている仕事用の鞄。父からですから30年位使っているかもしれませんね。

随分とくたびれていて傷もアチコチあるけれど、革はしっかりしているし、逆に新しいものにはない風合いもあって、ボロボロだった内張りを直してもらって使っています。

これを「味があってイイね」と言ってくださる方もおれば、「何だ古くさくてボロボロじゃん」と思う方もいると思います。(まあ面と向かってはあまり言われませんからね〜)

この辺に価値観の違いはあるわけで、こういう経年していく良さを感じていただけない方には、うちの家づくりが理解されれる事はほとんどなく、奇跡的に仕事になってもお互い苦しむだけなのです。

だけど、「経年出来る」ということは、本物じゃなければほとんど不可能なことです。物が悪ければまず「もたない」ということもあるけれど、風合いや趣がでることはなく、ただただ古くさく嫌らしくなるだけだから、手元に置いてくれることはないと思います。古くなっても魅力がある輝ける!なんて人も同じような話ですから、自分を振り返ってみると、はなはだ心もとないですが、「本物でなければ経年できない」って言うのは、まず間違っていないのではと思います。

こんな木の建具や木枠たちは、汚れていると言われればそれまでだけど、とてもよい風合いになってきていると僕は思います。飴色になっている部分もあるし、これが魅力なんだけど、「汚れる」という感覚で捉える人からすれば、木の建具なんていらないですよね。アルミや樹脂で十分です。それに加えて木の方が人の手間がかかるから高価になりますし、もう何をか言わんやですよね。

だけど、この玄関戸の向うには何か物語があるように感じます。誰かスゴク魅力的な人が出てきそうな気がしません?実際はここから出てくるのは僕が多いので、それを言うと身も蓋もありませんが、まあ想像で。

プラスチックの戸の向うにあんまり大した人間が居るような気もしません?なんて言うのは言い過ぎすですね。申し訳ございません。

こんな建具の引手。

常に人が触る所は本当に大切です。「人の手が触れる部分に決して手を抜くな。途端に家が安っぽくなる」と有名な建築家もおっしゃっているのですが、この辺は実感として感じます。

まあデザインの良い物を見てください。触ってみてください。この辺はまず間違いない所です。

植木とか石とかは、もうほんと経年しなきゃ話にもならない所ですよね。

ということで「経年できるお家」という視点もお家の検討に加えてみてくださいね。

それではお盆休み。皆様も色々とお出かけになると思いますが、くれぐれもお気をつけて楽しんできてくださいね。

私?私は準備をして仏様をお迎えしてお送りしてから、ちょいとだけ遊びにいくつもり。その間にも色々とやらねばならない事もありまして、、、まあそれはお盆休み明けにでも。

ではまた次回〜

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

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