紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

大彦は大工の店です。

2015年12月11日 | こういう家を造りたい!(大彦の思い)

先日から作業場では来年早々の棟上げに向けて、O様家の墨付け刻み作業が進んでいます。

墨付け刻みというのは、大工さん手づくりの木の家の心臓部。柱や梁の木組みをつくっていくことです。

そもそも、木はそのままではただの木です。それを製材して柱や梁に仕上げて、それらを組み合せて初めて「お家を支える構造」となるわけです。

上の写真でも、たくさんの木が使われていて、それらが組み合わされておりますね。その組み合わせた部分は組み上がると全く見えなくなってしまって、外から見れば普通に柱と梁が隣合ってるだけど、当然そこには複雑な組合せ加工が施されて、しっかりと組み上がっているわけです。

その組み合わす部分の加工を「人」がするのか「キカイ」がするのか。

というのが、「手刻み」か「プレカット」かという木の家づくりを調べている方なら聞きがちな話になります。弊社は手刻みが好きだけど、だからといってプレカットが絶対ダメなんていう気もないし、もっと進歩するかもだし、何より都市圏の工務店さんなどは作業場の確保なんて問題もあるから、致し方ない部分もあるんだと思います。

だけど、弊社は全てのお家が大工さんの手刻みです。

無垢の木の家の木組みは大工さんがくせを読みながらの手刻みが、強さでも、10年20年の経年という観点からも、日本の家では理想的であるとの確信はあります。だけど、先日社内で勉強会をした際に、大工さん(特に若手大工さん)に聞くと、やっぱり「純粋に楽しい」と。

やっぱり大工さんをやった理由というのは皆それぞれあるけど、皆、根本は「手で造っていくことが楽しい」ということなんだな〜と納得。

ちょっと話はそれましたが、

このように何かマークが書かれた角材。これは棟梁格の大工さんが「ここにこんな穴を掘って」とか、「ここでこんな風に切って」とか、「この先にこんな凸凹加工をして」とか、指示を直接書いてるわけです。

これが「墨付け」

そして、

その指示通り、手で加工を施していくことを「刻み」というのです。

丁度今上に映っていたのが、うちの20前半の大工さん、S君とY君です。S君は弊社に入社してもうすぐ4年。Y君は他社で大工さんをしてきてから修行し直しで弊社に入社して、半年位です。

どちらも真面目で一生懸命で、うちのホープであります。

そしてもう一人のホープ20前半大工のS君は「墨付け」作業を行っています。

もちろん、

うちの超ベテラン棟梁の指導&厳しいチェック付きであります。

今、日本全国、20代の大工さんなど壊滅状態です。だけど、これから20年30年後の日本の家づくりを支えていくのは彼らなんです。

図面を書く人間、偉そうに御託を述べる人間ばかりでは、家づくりは成り立ちません。そして今建ててくださった方の家を直したり、リフォームしたりしていくのにも技術を持った大工さんは必要不可欠です。

だから弊社では若手大工さんを育成しております。弊社が150年、代々そうしてきたように。

実は家づくりの効率だけを考えるなら、「プレカットで加工して、下請けの大工さんに内部の工事を一棟いくらで依頼する」方が、安上がりです。儲かります。まだ今なら腕の良い大工さんも(高齢ですが)残っていますから、そこまで大きな差はつかないかもしれません。

だけど、【きっちりとした仕事で20年30年責任をとって、将来ずっとお家を守っていきたい】と考えれば、そしてやっぱり【つくり手として純粋にレベルの高い仕事をしたい】と思えば、やっぱり今のように、自分の所で育てて抱えていかねばならない。と弊社は考えています。

そのために技術を高レベルで維持していくためにも、やっぱり【手刻み】は欠かせない!って事になるんですね〜

最近一斉に初めた定期点検で築20年位のお家を廻っていて、ホントよく思います。

手前味噌だけど、『うちの家は20年経っててもデザインも古くさくなってないし、しっかりしてるし、お客様もよろこんでくれてるし、やっぱりええもん』と、正直に思います(まぁ、厚かましいこと。。笑)

なんて今日はなかなか熱が入っておりましたね〜。

明日明後日は見学会!!

今日のリビングにも広告入ってたでしょ。お待ちしています〜

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

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