daddy-kのいきあたりばったりⅡ

以前のブログが閉鎖でⅡを立上げ。食の別ブログもあります:https://ameblo.jp/mightymogu/

垂乳根の胎内をいでしとき…

2023-03-30 | 札幌の四季

札幌市内は一部の日陰を除き積雪は無く、公園ではオマセなカタクリ?が、早くも花の準備をしている時期になりましたが、この時期やや迷惑なのが砂ぼこり。

降雪期は凍った道の転倒防止に砂箱が用意され、通る人が任意でその小砂利を利用しますが、道がツルツルになる度に撒かれ、これらの箱は何度補充されたのか? それが雪が融けると現れてきて、踏まれて砕け、風のある日は砂ぼこりとなって舞っています。

札幌市内にはこれを置く砂箱が4000ヵ所程あり、それらの設置費用は年間で1.5億もかかり、春先の清掃費用と併せると数億円になるそうですが、こうした税金の使われ方は当然で、個人的には冬季五輪より快適な生活に……ま、政治の話は触れないとして。

 

風で砂が目に入りと言うと、お馴染み長屋の八五郎が、大家の世話でお嫁さんをもらう事になり、相手は年も若く器量も良く、嫁入り道具も多く持参する、と申し分ない話ですが、たった一つキズがあり、京都のお屋敷奉公で身に付いたバカ丁寧な言葉使いだけがねぇ…という「たらちね」という噺があります。

朝は風が強くて砂が目に入り、歩きにくかったですわね、と言う大家さんへの挨拶が、「こんちょうは どふうはげしゅうて しょうしゃらんにゅうし ほこうなりがたし」だそうで。

八五郎に名前を聞かれてお嫁さん、「自らことの姓名を問い給うか?(中略)わらわを孕めるがゆえに垂乳女の胎内をいでし時は…」本来は前座噺だそうですが、先代小さんや、五代目円楽など真打ちのCDも見かけ、本来のサゲ迄たっぷり聞かす小さんに、ここではクスグリ多く途中でサゲる円楽、面白く聞き比べをさせてもらいました。

 

落語の多くは本から入った若い頃の私、授乳のため大きくなり垂れるから?なんて大変失礼な事を思っていましたが、この「垂乳根」は親をさす枕詞だそうで、母親だけを指す場合は「垂乳女(メ」とも言い、落語の根多帳では後者が多く使われるそうですが。

散歩に手頃な距離の公園で、この「垂乳根のイチョウ」に気が付いたのはわりと最近で、市内のほかにもあるのでしょうけれど、中島公園や北大の並木で見た記憶が無いのは、たぶん私の普段からの観察力不足が原因でしょうね。

 

この垂れ下がったコブは、イチョウの巨木ではしばしば見られ、普通の街路樹サイズの木ではお目にかからないそうですが、その形から乳イチョウとも呼ばれ、神社にあるものなどは、母乳が良く出る様にと、信仰の対象になったりもしているそうです。

この場所のイチョウは、銀杏の落ちない雄木なのですが、この「乳」は雄木雌木に関係無く出来るそうですから、人間の勝手な想像力で雌雄を決めないでという事ですね。 つい、人は見た目から…と、なりがちな私は気を付けなくては。

※以上は日本植物生理学会HPみんなのひろばより、塚谷裕一先生の記載を参考にさせてもらいました。



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。