週刊なんとか

考えたことを放り出すためのブログです。

理論

2015-04-30 08:05:16 | 社会科
昔、理論がバラ色の時代があった。

この世界はある理論にしたがって活動しているので、
理論が分かればすべてが分かる。というもの。

ものさしが出来れば、すべての長さを測ることができる。
という考えだ。

しかし、現実はどうもそううまく行かなかった。

分かってきたのは、理論は、現実のサブセットだということだ。
現実をある程度まで簡略化したのが、理論。

たとえば、物の運動をある程度簡略化すると
ニュートン力学になる。

工学で使用される理論は、「正しい」理論は一つもない。
実用にたえるだけの確かさがある、近似理論だ。
100%正確でないことは分かって使用している。

パラレルワールド

2015-04-30 07:55:43 | 社会科
さて、不確定性原理のハイライトといえば?
パラレルワールド(平行世界)だ。

ある状態が不確定である。

いろいろな状態が想定できる。

いろいろな世界が想定できる。

いろいろな世界が存在する。

という理屈。

前項を読んだらわかると思うが、
すべては「頭のなかにある」話であって、
現実にパラレルワールドが存在するわけではない。

「いろんな未来が想定できる」
というのから
「いろんな未来が存在する」
へ飛躍しちゃってるわけだ。

まあ、頭のなかにある話だから、
たとえば小説や漫画、映画にパラレルワールドが
いくら存在しても、文句はないのだが、
現実に存在すると言いはるのは
恥ずかしいからやめたほうがいい。

ただし、「現実世界といっても、しょせん見ているのはすべて
自分が認識した頭のなかのものではないか」
というのは正しい。

だから、「現実」の定義だけは慎重に。
「認識された世界」なのか。
「認識とは無関係な世界」なのか。
これは複雑ではないのだが、正確に理解するのはけっこう難しい。

不確定性原理

2015-04-30 07:51:52 | 社会科
シュレーディンガーの猫という思考実験がある。

実験はこう。
猫を箱に入れる。
箱のなかに、30分後に1/2の確率で毒ガスが出てくる装置を
一緒に入れる。
1時間後、猫は生きているか死んでいるか。
箱には窓はなく、中を覗くことは出来ない。

これに対して、答えはこう。
箱に猫を入れてから30分後から、箱を開けない現在までの間、
猫は生きているのでも死んでいるのでもない状態にある。
箱を開けた瞬間に生きている状態か死んでいる状態に
なり、30分前に遡って猫の状態が決定される。

以上。

・・・

さて、ここで殆どの人が混乱するのは、
「現実の世界」と
「観測系」
を混合しているからだ。

「現実の世界」では、もちろん30分後に猫は死ぬ(あるいは死なない)
のであり、それ以上のものはない。
上記のへんてこりんな状態(生きているのでも死んでいるのではない)は、
「観測系」、つまり、「観測者の頭のなか」の状態だ。
観測者から見ると、猫は箱をあけてみるまで
生きているとも死んでいるとも言えない。

アタリマエのことを随分難しく言ったものだ。

ややこしいのは、「現実」という言葉をどう定義するか、ということ。
物理学の観点から言う時、「現実」というのは「観測された世界」
を指す。
「観測されたデータ」でない以上、議論したり計算したり出来ないからだ。
言い換えれば、「議論する人の頭のなかにある世界」
と言ってもいい。

本当の現実の世界とは、もちろん別。
だから、「生きているのか死んでいるのかわからない状態の猫」
は、頭のなかだけに存在するのであって、
そんなものが本当に存在するのか心配する必要は全くない。

たとえば、あなたの奥さんにとって、
あなたが会社に行ってから帰ってくるまでは
「ダンナは生きているか死んでいるかわからない状態」
ということ。それだけのことだ。
あなたは今生きているか死んでいるかわからない状態?
生きてるだろ?

困ったことは、数学や哲学を専門にしている人でも、
この「頭のなか」と「本当の現実」をごっちゃにしている人が
少なからずいるということだ。

「生きているか死んでいるかわからない猫」などといわれたら、
猫だってたまったものじゃない。
・・殺されちゃったらもっとたまったものじゃないが。

虚数

2015-04-30 07:47:54 | 社会科
数学で「i」と言うといやーな記憶がある人も多いと思われる。

虚数のことだ。
i x i = -1
になるあれだ。

大学の先生は、
「この現実の世界の他に、虚数の世界という世界があって・・」
などと言っていた。

ホントかなぁ、などと思う人、その感覚が正しい。

電気回路工学においては、
虚数は交流を簡単に表すために使用される。

「虚数の世界」などというのは残念でした。
虚数は正弦波の入力がされる回路系に対して、
三角関数の代わりに使用される、「簡易系」だ。

何で簡易系かというと、入力が正弦波でなければ
正しく計算されないからで、そういう意味で
実務の世界では使用出来る範囲は狭い。

何が言いたいかというと、
数学の先生はじぶんなりに理解するために
ずいぶん無茶な理論を持ち出すということだ。

少なくとも、「虚数の世界」は現実の世界の
となりに存在するわけではない。
数学的なテクニックにすぎない。

あるのは、現実の世界だけだ。