週刊なんとか

考えたことを放り出すためのブログです。

値崩れと値引き

2012-08-21 21:55:21 | カメラ
ミラーレスカメラというのはだいたいにおいて値崩れが早い。
発売当初から2~3ヶ月で当初の半額ぐらいになるモデルも多い。

こういう価格動向を見て、「不人気だから」とか「値付け戦略がズサン」とか
言う人がいるのだが、それは勘違いだからやめといたほうが良い。

だいたい、製品が価格を維持できなくなって値崩れしているのか、
メーカーのコントロール下で断続的に値下げしているのかは、
価格推移曲線を見れば分かる。
市場の動向に振り回されて値崩れしている製品は価格の動向曲線が
急落したり、再上昇したり、不安定だが、
メーカーの戦略で価格変更している製品は動向曲線が安定している。

そういう意味では、ほとんどのミラーレスカメラは「値崩れ」ではなく
「値下げ」である。
価格下落の激しいといわれるLumixシリーズでも、販売開始後の価格下落は
どのモデルも同じような動きをする。
市場に振り回されて「値崩れ」している場合にはありえない話だ。

何でこういう販売戦略かというと、一番肝心なのは、
販売開始には高値でも買ってくれるユーザーがいるということだ。
デジタルカメラというのはコレクターみたいな人が少なからずいて、
新しいカメラが出ると価格にかかわらず飛びついて買ってくれる。
それに、店頭で最新モデルですよというと、高くても買ってもらえるケースも多い。
それから半年くらいかけて半額ぐらいに価格を落としたりするが、
これでだいたい毎月の生産計画どおりに売れていくということだ。
つまり、一定の販売台数をキープするように価格調整しているということ。

値崩れが早いのはモデルチェンジが早いからで、1年でモデルチェンジする
モデルなら、半年後には底値になっていないと高値感が出てしまう。
ただ、時々人気モデルというのは出るので、その場合は高値を維持して
利益をキープするわけだ。(最近ではOM-D E-M5とか、NEX-7とかだ)

大体こういう仕組みだ。
あくまでも値引きだということをお忘れなく。

ただ、値崩れ的なケースが無いとは言わない。
最近のケースではOLYMPUSのEPM-1(Pen mini)なんかがそれで、
基本高値で推移いていたのが最近急に安価になっている。
おそらく現在のOLYMPUSは、PENブランドの維持より、目先の現金が欲しいのだろう。
優良ブランドだったPENの将来を考えると、苦しいところだ。
(もしかすると、OM-Dという高級ブランドが出来たので、PENを量販ブランド化
するつもりなのかもしれないが)

公式リーク記事

2012-08-21 21:54:08 | カメラ
デジカメinfoというサイトがある。
デジタルカメラに関する情報、うわさを整理して公開する正統派のブログだが、
発表直前の新製品に関する情報リークには面白いものがある。

典型的なパターンはこう。
・まず、ある日、「信憑性が高い情報」として主要な製品仕様が掲載される。
・次の日、追加情報と、写真が掲載される。
・その次の日に、正式発表される。

ほとんどティーザー広告だ。
おそらくメーカーが意図的にリークして、発表直前のWEB上のフライング記事や
憶測記事を牽制しているのだろう。
デジカメInfoの記事では「信頼できる読者の方からの情報です」とか書いてあるのが
ある意味白々しくて面白い。

このサイトに載っている各種の「うわさ」自体が、(多くが)各社の意図的な
情報リークだから、各社の思惑とか牽制とかがいろいろ見えて面白いサイトではある。

最近ではSONYのNEX-6が一例。
この機種は「もしかしてあるのでは・・」的扱いの機種だったのだが、
あるときインドネシアの電波庁(だかどこだが)への登録型式として広報に
乗っているのがばれてしまい、一気に存在が明るみに出た。
そうしたら急に、五月雨的に基本スペックの情報が漏れ伝わってきている。
事実無根のうわさが先行すると困るので、SONYが意図的に
リークしているのではないかと思う。

メーカーの広報の皆様、ご苦労様です



機材と写真の奥深さ

2012-08-21 21:48:22 | カメラ
これは写真に限った話ではない・・・

あなたが初めて一眼レフかミラーレスを買って、
付属のキットレンズで楽しく写真を撮っていると、
(頼んでもいないのに)ベテランの人がやってきてこんなことを言ってくる。
「いつまでもキットレンズ一本で撮ってちゃいけません」
「多彩なレンズがカメラの魅力です。レンズを使いこなし、カメラの設定を
 使いこなして、初めて写真の世界の奥深さが味わえるのです」

そんなときは、表向きは
「そうですねぇ。わたしもがんばります」
とか言っておいて、
腹の中では
「かわいそうに」
とでも言っておいたらよろしい。

風景があり、被写体があり、そこに光があれば、
写真の奥深さは限りなく広がっていくものだ。
機材はそれに彩を添えるものだ。

多彩な機材があれば奥行きが増すのは確かだが、
最低限の機材でも奥行きは果てしなく深い。
安心して大丈夫。
機材が無いと行き詰るような人は、機材があっても行き詰っているのだ。
だから、次はどんな機材を買おうかとばっかり考えている。
かわいそうに。
(あれ、これ俺のことか?)

Nikon1レビュー(追補)

2012-08-21 21:44:03 | Nikon1
こないだのNikon1 J1のレビューからの追加分。

・おまかせ設定では実力を発揮できない
 少なくとも、AF(ピント)に関する設定を変えて、
 アクティブD-ラティングをOFFにしないといけない。
 これで初めてピントがきちっとして、締まったコントラストの写真が撮れる。
 (設定はこちら)
 以下はこれが前提でのレビュー。

・見飽きない絵作り
 Nikonらしいちょっと控えめな絵作りなので、
 長く付き合っていくと見飽きなくて良い。
 やっぱりずっと付き合っていくには、少し地味くらいのほうが良い。

・雰囲気の残る写真
 これもNikonらしさ。その場の気候や雰囲気が感じ取れる写真が撮れる。
 「どこで何を撮っても同じになってしまう」ことがない。

・解像度
 やっぱりもう少し解像度が有ったらいいのにと思うことはある。
 1600万画素くらいあると、画面の端っこに小さく写った子供も等倍に拡大すると
 表情が良く見えたりするので。
 拡大しない限り、不足は感じない。
 (でも、今時のカリカリした解像描写でないことは確か。ソフトな描写)

・画質
 光の当たっている被写体はとても綺麗に撮れる。
 影の部分は正直ノイジーでもうひとつ。この辺は小さいセンサーサイズが効いている。
 逆光を避け、たっぷりと光の当たった写真を撮ると、魅力的に撮れる。

・操作性
 僕はほとんどメニュー操作しない。そういう使い方が似合う。
 WBや露出に不安や不満を感じることはあまり無い。
 逆光時等の露出調整は、露出設定ではなくAE-Lを使っている。
 (光を画面から一旦はずして、適当な露出になったらAE-Lで止める)
 慣れると、使うとき本当に考えないですむ。


・総合
 エフェクトなどの飛び道具に頼っていないまじめなカメラ
 何より撮れる「写真」が魅力的で、飽きが来ない。

 「カメラの設定」ではなく光の入れ方、構図、被写体との位置関係で
 写真を撮るカメラ。
 写真が上手くなりたいなら、こういうカメラは良いと思うよ。

 カジュアルそうに見えて、なかなかしっかりしたやつだった。
 使っているうちに、「さすがNikon」と、じわっと思った。




Lumixの収支計算

2012-08-17 23:25:28 | カメラ
こんなことメーカーさんが自分でやることであって
他人がやってみてどうなることでもないのだが、
ミラーレスカメラの収支計算をしてみる。

俎上に上げるのは、PanasonicのLumix GF5。
パナの値崩れの象徴みたいなカメラだ。

まず販売数。これは月産20,000台ということで、年間で240,000台。
(以下めんどくさいので、全部電動ズームキットとして計算)
粗利。量販店では\50,000くらいだが、価格サイトの最低価格だと\35,000くらい(安っ!)
だから、卸価格\30,000、原価\23,000、粗利\7,000とする。
粗利率23%となる。
電機メーカーの粗利率はだいたい20%~30%くらいだから、こんなもんだろう。

とすると年間の粗利益は\1,680,000,000。
桁が多いと分からないので平たく書くと、16.8億円。

これは値崩れしきった値段なので、実際はもうちょっと儲かっている計算だ。
最初の3ヶ月の販売価格の最低線を平均して\55,000くらいとすると、
卸販売価格は平均\45,000。粗利は\22,000になる。
3ヶ月の粗利は\1,320,000,000。13.2億円になる。
さっきの値と組み合わせて考えると、年間粗利は25.8億円。

ここから営業、広告宣伝費を引くわけだが、半分くらいは残る計算か。
まあ、きっちり黒字は確保できてることになる。

だからどうしたということも無いけど。
ただ、不人気だから値崩れしているとか、そういうことではないということで。

一番売価が安くてCMも打っているGF5がこの利益だから、
GX1(大雑把に月産台数は同じくらい)なんかはもうちょっと儲かっているだろう。
もうめんどくさいから計算しないけど。
それでもミラーレス全体で営業利益100億いかないくらいかな。