セルジュ・チェリビダッケ指揮、トリノRAI交響楽団演奏、ベルリオーズ「幻想交響曲」
1969年、トリノにおけるライブ収録。
チェリビダッケ(1912-1996)は録音を嫌うことで有名だった伝説の指揮者です.
その遺産は限られた音源で味わうしかありませんでした.
当然この映像は貴重なもので、まさか伝説の指揮者を映像で見ることができるとは思いもよらなかったことです.
彼はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者としてフルトヴェングラーの跡を継ぐ者と考えられていた大物です.カラヤンとその席を巡って争いましたが敗れ去り、後年ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に落ち着くまでは放浪の指揮者としてヨーロッパのあちこちの放送楽団を指揮して回る時代がありました.
このDVDはその時代の映像です.
わくわくしながら観はじめました.
彼の実際の指揮振りは、右手で強烈にリズムを刻む、至ってシンプルな指揮.
ここでもカラヤンと比較して恐縮ですが、カラヤンの流れるような指揮棒さばきと比べると無骨な感じです.
造り出す音楽も、カラヤンの「芳醇な響き」とは異なる「1音1音の正確さ」を基礎とした楽曲の構築.
彼のリハーサルは「厳しすぎる」ことでも有名でしたが、なんとなく想像できます.
しかし演奏中の苦虫をつぶしたような表情が演奏終了後さわやかな笑顔となり、個々の演奏者に自ら拍手を送る姿が印象に残りました.
良い演奏だとは思いますが、この楽曲は私自身「麻薬中毒の幻覚」のようなイメージを持っており、もっと狂おしくかつ美しく弦を響かせるクリュイタンスの演奏の方がやはり好みですね.
1969年、トリノにおけるライブ収録。
チェリビダッケ(1912-1996)は録音を嫌うことで有名だった伝説の指揮者です.
その遺産は限られた音源で味わうしかありませんでした.
当然この映像は貴重なもので、まさか伝説の指揮者を映像で見ることができるとは思いもよらなかったことです.
彼はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者としてフルトヴェングラーの跡を継ぐ者と考えられていた大物です.カラヤンとその席を巡って争いましたが敗れ去り、後年ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に落ち着くまでは放浪の指揮者としてヨーロッパのあちこちの放送楽団を指揮して回る時代がありました.
このDVDはその時代の映像です.
わくわくしながら観はじめました.
彼の実際の指揮振りは、右手で強烈にリズムを刻む、至ってシンプルな指揮.
ここでもカラヤンと比較して恐縮ですが、カラヤンの流れるような指揮棒さばきと比べると無骨な感じです.
造り出す音楽も、カラヤンの「芳醇な響き」とは異なる「1音1音の正確さ」を基礎とした楽曲の構築.
彼のリハーサルは「厳しすぎる」ことでも有名でしたが、なんとなく想像できます.
しかし演奏中の苦虫をつぶしたような表情が演奏終了後さわやかな笑顔となり、個々の演奏者に自ら拍手を送る姿が印象に残りました.
良い演奏だとは思いますが、この楽曲は私自身「麻薬中毒の幻覚」のようなイメージを持っており、もっと狂おしくかつ美しく弦を響かせるクリュイタンスの演奏の方がやはり好みですね.