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石山合戦

2016年06月21日 | 
石山合戦

10年にも及ぶ本願寺顕如の〈対信長戦略〉はなぜ徹底抗戦を決意させたのだろうか。そもそも浄土真宗は親鸞を開祖とし親鸞の血脈を引く本願寺宗主は、8代蓮如の時に起こった、応仁の乱などの戦乱によって平和を乱された民衆の心のよりどころとして圧倒的な信仰を得る事になり全国に拡大した。彼らは一向宗とか門徒とk呼ばれ各地に信仰集団を結束してた。彼らの中には武士階層も多く含まれており領主の介入を許さない地域なども潜在し強力な武力集団となった。その地域を寺町といい大阪の石山本願寺がその中心となった。畿内:東海:北陸には門徒が多かったようだ。徳川家康も家臣に多くの門徒を抱え一時は仲たがいしたが後に帰参を許すなど寛大な処置をした事で有名であろう。
織田信長が足利義昭を奉じて京都に入ってから畿内は信長に制圧された。信長は将軍家再興という名目で経済発展していた堺に2万貫、本願寺には5000貫を課した。堺は抵抗したが本願寺は衝突を避けるために応じた。と、いうのも信長が畿内を制圧した頃から小競り合いが続き寺社などが破壊されて来たからだったと伝わる。事実、信長はあまり神仏を信じておらず、比叡山の焼き討ちなど行う時も躊躇なく実行したほどだ。
この信長の圧力に従ったのは11代目顕如だ。
この後も信長は本願寺に対して諸大名との交際を禁じたり門徒の動きの報告を要求したが顕如は無視。これまで本願寺としてもこれまで支えてくれていた諸大名との交際を断つわけにもいかなかったし、むしろ交際は活発化していた。いわゆる信長包囲網の準備段階だったらしい。しかも武田信玄や朝倉義景などは縁戚を結んでいたので関係はさらに強固なものに。実は顕如の奥方と武田信玄の奥方は姉妹なんです。
従わない本願寺に対して、信長は増々要求をエスカレートしていった。その中には武装解除して門徒の追放など。
さらには石山から本願寺を退去せよ。拒否すれば破却すると通告。これにより顕如は親鸞以来の法灯を守るためには信長と戦うしかないと決断しただろう。勝算は別として売られた喧嘩は買います的な対立が深まっていったのでしょう。
敵意むき出し
顕如は決起する前から準備していたはずだ。武装した門徒を事前に大量に集めていたし紀州の雑賀衆も自軍に引き込んでいた。しかしそれだけでは信長に勝利する事は難しい。信長を引かせるには圧倒的な勝利で信長を下すしかなかろうと各地の戦国大名も巧妙に自軍に引き込んだ。武田信玄:朝倉義景:浅井長政:上杉謙信:三好三人衆:毛利輝元などそうそうたるメンバーが顕如の案に乗った。信長包囲網ですね。というより戦国オールスターのようなメンツですね。
同盟する領国の門徒を動員する事により強力な軍事力を得た本願寺軍は信長軍と正面から対峙した!
緒戦は一向門徒の勝利が多い。中でも尾張小木江城の攻防では信長の弟信興を自刃に追い込んでいる。
門徒の女子供も後方支援にまわっているのでまさに総力戦だった。
十年にも渡る石山戦争の始まり…。
軍事の専門集団には勝てなかった
本願寺と朝倉:浅井が蜂起。さすがの信長も金ヶ崎での敗退に這う這うの体で京都に戻った。この後伊勢長島の一向一揆に手を焼く。そんな中信玄が三方ヶ原で徳川家康を破り、信長との直接対決目前に迫ったところで信玄が病のため死去。歴史ファンなら誰もが知っている展開。
木津川から兵糧を運んでいた毛利水軍にも敗退していた信長はご存じ鉄甲船6隻と搭載していた大筒で毛利水軍を粉砕。これによって本願寺軍は海上からの輸送路を絶たれてしまった。顕如は門徒から武力増強を求めたが思うように進まず次第に攻撃力低下が著しく表面化してきた。
ここにきてかねてから信長から動きかけていた正親町天皇からの和睦勧告。戦力で優位に立った信長は石山本願寺の寺町をそのまま要塞化または経済の中心地として使いたかったのではないだろうか。あまり強引に攻めなくなってきた。
信長からの和睦条件は石山からの退去。これに顕如は応じる決断をしたが、この和睦反対する者が現れた。
顕如嫡男の教如だった。教如は23歳。少年期からの10年、信長と戦い続けていたのでまだまだ戦闘意欲があったに違いない。これにより本願寺の中で内紛が起こり親子分裂によって西本願寺と東本願寺にわかれる原因となった。
世界各地で起こっているテロ事件は宗教絡みの物が多い。日本にとっては宗教戦争は他国の話と思うかもしれませんが500年前、日本でも起こっていたんです。
信長からしてみたら新しい世の中を作ろうとしている中、自分に従わない異端者である一向宗。
一向宗からしたら神仏を信じない異端者で独裁者に映ったのであろう。
両者はなぜお互いを攻める決断に至ったのだろうか。
まだまだ深く読み解く必要があるだろう・・・。



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