中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

交渉を有利に進めるポイントは「交渉カード」の準備

2013-08-02 | ■中国人との実践交渉術

交渉を有利に進めるポイントは「交渉カード」の準備

「まとめるための交渉」に意識が向くのが日本人。一方、「結果を勝ち取るための交渉」を目標にして粘り強く、したたかに交渉を進めるのが中国人。前回はそんな点を取り上げました。

しかし、「落としどころ」は必ずあります。「今回はまとまらないか、交渉決裂か」と考えると、ぎりぎりまで粘ったあとで、必ず妥協点を提示してくるのが中国人です。最後の最後で「落としどころ」へ結果を導いて決着させるのです。つまり、最終的には「落としどころ」を準備していながらも、それまでは自分たちにとって有利な結果を勝ち取るために、徹底的に粘るのが中国流なのです。「早くまとめること」がよい交渉というわけではないのです。

日本人の交渉の進め方は、果たして譲りすぎてはいないでしょうか?必要以上に譲歩してしまっていないでしょうか。交渉の現場に立ち会っていると、つくづくそう感じることがあります。もっと有利な結果を導き出す方法はないか、主張すべきポイントはしっかり主張しているか、他にも主張すべきポイントはないか、最終的に交渉を終わらせる前にもう一度考えてみてはどうでしょうか。

つまり、早くまとめることがよい交渉なのではなく、最後の最後まで粘り、最終的に自分たちとってより多くの有利な結果を勝ち取ることが交渉なのです。この点が中国的交渉と日本的交渉の大きな違いであると思います。


「譲歩のカード」をできるだけ見つけ出す

「譲れるポイント」は交渉の重要なカードになります。これは持論ですが、いかにたくさんの「譲れるポイント」を準備しておくかがビジネス折衝や交渉を有利に進める「鍵」になります。日本企業がビジネス折衝や交渉に臨む際にまずアドバイスするのは、交渉に臨む前に「譲れること」(譲ってしまってもいいこと)を徹底的に洗い出してみることです。考え得るすべての「譲歩のカード」を準備しておきます。

実は、「譲歩のカード」はどんなつまらないものでもよいのです。譲ってしまっても大勢には何の影響もないこと、むしろ譲ってしまったほうが好都合なこと、中国側が「譲ってほしい」と考えていることなど、あらゆる角度から譲れるポイントを徹底的に探し出します。そして、これらを交渉カードとして有効に活用します。つまり、「譲歩のカード」がどれだけ準備できるかが、交渉を有利に進めるための重要な「交渉カード」となります。



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