中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

中国ビジネスに携わるビジネスパーソンは知っておきたい6 days

2014-05-04 | ■異文化理解

5月4日、7月7日、8月15日、9月3日、9月18日、12月13日

この日は何の日かご存知でしょうか?
中国ビジネスに携わる方はぜひ知っておきた6つの日です。

中国出張のとき、こんな日は食事が終わったらおとなしくホテルに帰り、ホテルの部屋で寛いで静かに過ごしたいところです。少なくてもカラオケで夜遅くまで騒いだり、飲みすぎて羽目を外したりしないように注意したいところ。もちろん駐在員の方も早めにマンションに帰って、本を読んだり、Websiteのニュースをチェックしたり、日中関係について自分なりにおさらいをする時間を作ってみてはいかがでしょうか?

6 daysとは中国で反日の機運が高まる日です。2012年の反日デモの時も9.18に合わせてデモの呼びかけが行われました。毎年、これらの日に必ずデモが起こるというわけではありませが、中国ビジネスに携わるビジネスパーソンなら、覚えておきたい日です。

日本企業が現地でイベントを行うような場合も中国側に配慮して日程を考慮したいところです。「知らずにスケジュールを組み、後になって気付いた・・・」という事例も何度か目にしています。身近な危機管理はこんなことろから始めたいところです。


5月4日、7月7日、8月15日、9月3日、9月18日、12月13日

ここでもう一度この6 daysについてお聞きします。
あなたはこの日はどんな日だったか、いくつ答えられるでしょうか?
少し時間を作って考えてみてから、このコラムを読み進めてください。


身近なところで「危機管理」、覚えておいていただきたい6 days

5月4日
1919年「五四運動」が起った日です。1919年のヴェルサイユ条約の結果を拒否し、北京から全国に広がった反日、反帝国主義を掲げる大衆運動で、国民の愛国感情を呼び起こし、反日行動の象徴的な日とされています。

7月7日
1937年「盧溝橋事件」が起きた日です。日中戦争の発端となりました。中国では一般的に「七七事変」と呼ばれています。この事件がきっかけになり日中は全面戦争に突入します。

8月15日
これは皆さんもご存知の「終戦記念日」(日本)です。1945年8月15日、日本はボツダム宣言を受諾して連合国に無条件報告をした日です。ただし、中国から見るとこの日は「対日戦勝記念日」です。8月15日は首相が靖国神社を参拝するかどうかで注目される日となりました。

9月3日
日本では8月15日が終戦記念日ですが、中国では9月3日が「抗日戦争勝利紀念日」となります。1945年9月2日に日本政府が公式に降伏文書に調印し、これを以って第二次世界大戦が終結しました。中国や旧ソ連ではその翌日である9月3日を戦争終結の記念日としています。中国にとっての戦勝記念日は9月3日なのです。
一方、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、ロシアでは9月2日を戦勝記念日としています。また、ベトナムでも独立宣言をした9月2日を「国慶節」としています。ちなみに韓国では8月15日を「光復節」としています。国や地域によって戦勝記念日(戦争終結の日)が異なるわけです。

9月18日
1931年「柳条湖事件」が起きた日です。満州事変の発端となりました。中国では「九一八事変」と呼ばれています。これをきっかけに日本は日中戦争(支那事変)の道を進んでいきました。2012年の反日デモは9.18がピークとなりました。

12月13日
1937年「南京大虐殺」が起きた日とされています。日本軍が南京城を占領した日です。日本軍はこの一連の戦闘と12月13日の南京陥落の翌日から約6週間にわたって行われた南京城の城内・城外の「掃討作戦」で、大規模な残虐行為を行ったとされています。「南京大虐殺」については事実存否や犠牲者の数を巡って、日中間の認識の違いが今でも論争となっています。



以上の6つの日付は中国ビジネスに関わるビジネスパーソンはぜひ覚えておいていただきたいところです。これらの日、中国出張の方もまたは現地に駐在する方も、昼はこれらの日をちょっとだけ意識して過ごし、夜はおとなしく帰宅して静かに本でも読みながら日中関係の歴史を振り返る時間を持ちたいですね。事務所の開所式や工場の起工式などのイベントを行う場合でも中国側に配慮して別の日程を選びたいところです。

6 daysを知ることや日中関係の歴史に興味を持つことなど、身近なところでの危機管理はこんなところから始めていきたいものです。


それでもダメなら「仮説力チェック」part2がある シリーズ「仮説力チェック」<その4>

2014-05-03 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマから、ビジネスパートナーを見極める方法のひとつとして「仮説力チェック」という方法をを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。

■「仮説力チェック」part2とは・・・
「仮説力チェック」とは、「もしも、問題が起るとすれば・・・」という問いかけを相手にしてみることです。そして、「仮説力チェック」パート2とは、「もしも、問題が起るとすれば、問題A・・・、問題B・・・、問題C・・・」と皆さんのほうから仮の事例を挙げて相手に問いかけてみることです。

没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

■「仮説力チェック」part2の結果は・・・

「仮説力チェック」」part2を試してみると、それに対する反応もまた3つのパターンに分かれます。
第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。私見ですが、こういう中国人がおよそ9割・・・。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。こういう中国人は8%・・・。

第三に、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人が2%・・・。すべてあくまでも私見です。

結局、「仮説力チェック」part1の時と同じです。

・・・

「それじゃ、意味ないじゃなか!?」と思う方もいらっしゃる(?)のではないでしょうか?

そこで、その対策として、「仮説力チェック」part3があります。

■「仮説力チェック」part3とは・・・?

コラムを読んでくださっている方のお叱りの言葉が聞こえてきそうです。「仮説力チェック」part3として、有効な方法を提案したいところですが・・・。

実は、「特効薬」はありません。「仮説力チェックpart3とは何かというと・・・。
「仮説力チェック」part2を繰り返すことです。「仮説力チェック」のpart2を、2回、3回、4回と繰り返すことです。つまり、それが「仮説力チェック」part4、part5なのです。

これは、つまりどこで見切りを付けるかということです。どこまで辛抱できるかと言ってもいいでしょう。

信頼できるビジネスパートナーを見つけ出すことはそのくらい時間がかかてコツコツやる必要があるということです。期待させてしまって申し訳有りませんが、やはり「特効薬」はありません。地道に、コツコツと、トライ&エラーを繰り返し、こちらのビジネスの進め方を伝え、相手の考え方も理解し、信頼できるビジネスパートナーを見つけていこうとする姿勢が大切なのかもしれません。

To be continued


※「中国人とうまくつきあうテクニック」(総合法令出版)について、このコラムで紹介している『実践テク』のプラスαの実践テク、裏技テクについて、Yahoo!ニュースコラムでも公開中。こちらからご覧ください。

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仮説力チェックの反応は3つのパターンに分かれる シリーズ「仮説力チェック」<その3>

2014-05-01 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出すためのテクニックです。相手の「仮説力」をチェックするという方法です。

「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけてみます。

すると、それに対する反応が3つのパターンに分かれます。

■「仮説力チェック」への反応には3つのパターンがある

第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。私見ですが、こういう中国人がおよそ9割です。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。こういう中国人は8%(あくまでも私見です)逆切れするタイプはできるだけビジネスパートナーとしては避けたいタイプです。

第三に、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人。これもあくまでも私見ですが、こういう中国人は2%・・・。ビジネスパートナーとしてぜひ選びたい相手です。

つまり、「仮説力」をチェックしてもほとんどもケースでまた「没有問題」が返ってきます。では、そういうときはどうすればいいか?

そんなときは「仮説力チェック」part2を試みます。

■それでもダメなら「仮説力チェック」part

「仮説力チェック」part2とは・・・。今度は皆さんのほうから仮に起こり得る可能性がある問題を話してみるのです。

「今は問題ないけど・・・。もし、問題が起こるとすれば問題A・・・、問題B・・・、問題C・・・。どういう問題が起る可能性があると思いますか?」と問いかけてみるのが、「仮説力チェック」パート2です。

実は、この「仮説力チェック」」part2とは、今度は皆さんの「仮説力」が試される場面でもあります。もしかしたら、あなたの考えやトラブルの対処法、場合によってはビジネスのノウハウをソリューションのキーワードを相手に伝えることになってしまいます。そして、何よりあなた自身に負荷がかかります。

「仮説力チェック」を行うことは、ビジネスパートナを見極めるという目的では有効ですが、あなた自身も真剣に向き合っていく必要があります。彼の仕事に対する姿勢やビジネスセンスを垣間見ることができるだけでなく、あなた自身の力量が問われることにもなるのです。どこまで踏み込んむべきかは皆さんの判断にお任せします。

To be continued


※「中国人とうまくつきあうテクニック」(総合法令出版)について、このコラムで紹介している『実践テク』のプラスαの実践テク、裏技テクについて、Yahoo!ニュースコラムでも公開中。こちらからご覧ください。

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