中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

中国人との交渉をうまく進めるために知っておきたい4つのポイント

2013-07-07 | ■中国人との実践交渉術

◆主張することが評価される文化
  「イエス」は「イエス」と言う、「ノー」は「ノー」と明確に伝える、曖昧な言い方をせずにつたえるべきことをしっかり伝えることが中国人とのコミュニケーションの基本です。中国人特有のオーバージェスチャーで、自信たっぷりの話し方に圧倒されてしまうこともあります。相手にスキを見せずに、時には偉そうな態度で自らの主張をぶつけてくるのが中国人です。中国人同士で会話をしているとき、時にはまるで「喧嘩」をしているような話し方になることも珍しくありません。

◆「以心伝心」は通じない
  一般的に中国人は自己主張が強く、お互いの意見を真っ向からぶつけ合います。お互いに譲歩点や妥協点を探りながら議論を進める日本人とはだいぶ違うようです。主張すべきことははっきり主張する。曖昧な表現をせず主張したいポイントをはっきり伝える。これらは中国ビジネスの基本姿勢として心得ておきたいポイントです。言いたいことをストレートにはっきり言う。「イエス」は「イエス」と言う。「ノー」は「ノー」と明確に伝える。時にはまるで喧嘩をしているかのように話すのが中国人です。大きな声で「自己主張」することが「あたりまえ」なのです。

  「主張する」「相違点を探し出す」「議論すべきポイントを絞る」。このようなプロセスで議論を進めていくのが中国流のコミュニケーションスタイルです。主張と主張を徹底的にぶつけ合い、主張を出し合ったところで双方の相違点を確認します。議論のポイントを探し出すためには、まずは主張することが大切なのです。

◆「反論」に「反論」することで論点の迷走に注意
  彼らの主張に反論すると、必ずと言っていいほどその反論が返ってきます。その反論にまた反論すると、相手はまたその反論を返してきます。反論に反論を繰り返し、時には論点をすり換えたり、議論を蒸し返したり、話をかき回して議論を進めていくのが中国流です。「譲らない」「謝らない」「反論に反論する」というのが典型的な中国人です。

  しかし、こうして徹底的に主張をし合う中から譲れないポイントと、譲ってもいいポイントを見つけ出していきます。お互いの主張を1つひとつ確認し合い、最後は「消去法」で論点を絞り込んでいきます。お互いの主張内容を比較して自分にとって分が悪い主張は取り下げ、勝ち目のあるポイントを選び出して議論のポイントを絞り、次の突破口を切り開きます。

◆空気を読み、相手の気持ちを悟る(日本人にとってのあたりまえ)
  一方で、相手の気持ちを察し、相手が考えていることを悟り、場の雰囲気を感じ取り、「以心伝心」で話し合いを進めていくのが日本人のコミュニケーションスタイルです。時には、遠まわしな表現をしたり、時にはわざと曖昧な表現をしたり、相手に自分の考えを悟らせるような言い方をします。

  必要以上の対立を避け、できるだけスムースに、穏便に、譲り合うことで合意点を見つけ出そうとするのが日本的な交渉スタイルの特徴です。相手の立場や気持ちを考えて、互いに譲り合って、どこかに折り合いをつけながら議論を進めるのが日本的なスタイルです。

  相手の気持ちを察しながらこちらの考えを伝えます。すると相手も言葉の背景を読んでこちらが言いたいことを察しながら言葉を返してきます。言いたいことを直接言わなくても気持ちを察し合いながらコミュニケーションを図るのが日本的なスタイルなのです。

  しかし、中国では主張することが評価される文化です。主張すべきことを主張し合うことで考え方の違いを見つけ出し、議論すべきポイントを見極めていくのが中国的なコミュニケーションのスタイルです。まずは主張すること。自分の考えをはっきり伝えること。これが大切なのです。
  
  日本人は主張すべきことを徹底的に主張することはどうやら苦手なようです。しかし、相手に遠慮して言いたいことを出し合わないと、議論することができません。消去するポイントを見つけ出すことができないのです。

 



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