中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

パートナー選びはまず「仮説力チェック」を試すところから シリーズ「仮説力チェック」<その2>

2014-04-28 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める実践テクニックを紹介します。それは・・・、相手の「仮説力」をチェックするという方法です。

「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。「もしも・・・」という仮説の話を持ちかけることがポイントです

■「仮説力チェック」でわかる危ない中国人

ビジネスパートナーを探すとき、まず相手の「仮説力チェック」をしてみることをお勧めしています。信頼できるパートナーかどうか、協力関係を作っていけるかどうかをチェックするときに有効な方法です。

「もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけをしてみます。これが「仮説力チェック」です。仮説力をチェックする方法は中国人パートナーを選ぶときにたいへん重要なポイントです。仮説力をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢や彼自身のビジネスセンスを垣間見ることができます。

もしも、「私のことが信用できないんですか?」と逆切れ(?)するような相手だったら要注意です。パートナー候補から外したほうがよさそうです。必要以上に突っ込むと彼の「面子」を潰すことにもなりかねません。「面子」を潰さないという注意も必要です。

■これまでのビジネス経験から信頼できる中国人を選び出すコツ

もし、きちんと「仮説」を立てて、ひとつひとつ説明してくれる相手であれば、ビジネスパートナーとして大切にしたい相手です。私自身もこの「仮説力チェック」の方法で頼りになる中国人を何人も見つけてきました。

これからいっしょにビジネスを進めるパートナーになり得るかどうか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに考えていくことができる相手かどうか、私自身はこの「仮説力チェック」をひとつの指標にしています。仮説力をチェックしてみると、ビジネスパートナーとして相応しい相手かどうかを比較的容易に見極めることができるのです。

「問題を解決してくれるはず」「トラブルをチェックしてくれるはず」と相手の自主的な行動を期待するだけでは問題は解決できません。日本側からも問題点の発見を積極的に働きかけて、双方で問題点を洗い出し、しっかりとコミュニケーションを図っていかなければならないのです。

問題点を未然に見つけ出すためにどのように働きかけるか、「仮説力チェック」をどのように具体的に実践していくか、これが中国ビジネスを成功に導くノウハウだと言えるでしょう。

ぜひ、「もし問題が起こるとすればどんな問題が考えられる?」という問いかけを試してみてください。そして皆さん自身の「仮説」を相手にぶつけてみてください。ある意味では、皆さん自身の「仮説力」が試される場面です。

To be continued


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信頼できる中国人を見つけ出すには「仮説力チェック」 シリーズ「仮説力チェック」<その1>

2014-04-21 | ■異文化理解

■「仮説力チェック」でわかる信頼できる中国人と危ない中国人

「信頼できる中国人」と「危ない中国人」を見分けるとき、参考にしてみていただきたいのが「仮説力チェック」という方法です。「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。
「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。
「もしも・・・」という仮説の話を持ちかけることがポイントです。これが「仮説力チェック」です。
筆者の経験だと、対応は大きく3つに分かれます。

■相手の反応を3つのタイプに分類

第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。これは、問題点に気付いてないか、自ら問題点を探し出そうとする意欲が感ないか、いずれにしても注意が必要です。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。彼の「面子」をつぶしてしまってはいけないが、本当は問題があるのに彼は「その問題がまだ深刻ではない」と思っているか、または問題を隠そうとしているのかもしれません。これも要注意です

三つ目のパターンは、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人。こういう中国人を大切にしたいところです。ビジネスパートナーとしてぜひ選びたい相手です。

つまり、「仮説力」をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢やビジネスセンスを垣間見ることができます。これは極めて有効です。今後、ビジネスを順調に進めることができるか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに施していくことができるか、彼のスタンスに大きく左右されます。

「もし、問題が起こるとすれば、どんな問題が考えられる?」というひと言をビジネスの中でぜひ実践してみてください。そして、皆さん自身のほうも「中国人を見極めるアンテナ」を磨く努力を心がけることが大切です。

このコラムでは今後もこうしたすぐに役に立つ「実践テク」をなるべくたくさん紹介していきたい。と思います。ぜひ、ご期待ください。


To be continued


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「没有弁法」(仕方ないですよ・・・)はあきらめるしかない シリーズ「3つの没有に要注意」<その4>

2014-04-14 | ■異文化理解

「3つの没有」に要注意!「3つの没有」とは、「没有問題」(メイヨウウェンティ)、「没有関係」(メイクワァンシー)、「没有弁法」(メイヨウバンファー)の3つです。「没有問題」(メイヨウウェンティ)という中国人は必ず「問題あり」と心得ておくべき。「没有関係」(気にしないで)が口から出てくるときには「問題はかなり深刻な状況にあり」と思っていたほうがよさそうです。そして「3つの没有」の最後に「没有弁法」(仕方ないです)が出てきます。

■3つ目の「没有」は「没有弁法」(仕方ない・・・)というあきらめの言葉

「没有関係」(気にしないで)と言っていたはずの中国人が突然「没有弁法」と言い出します。しかし、この言葉が出てくるともうすでに問題は修復不可能の領域に進んでいる(?)と思ったほうがいいでしょう。「大丈夫、大丈夫。気にしなくてもいいですよ」と言っていたはずなのに、突然「没有弁法」(仕方ないです)となってしまう。その間、報告や連絡や相談がないことがよくあります。

「没有弁法」は「あきらめ」のサインです。恐らく、それからどんな手を尽くしても修復することは難しいでしょう。「没有弁法」は「自分はできる限りの手を尽くしたけどダメでした」「これは不可抗力です。できることはすべてやりました」「私の責任ではありません」というニュアンスを含む言葉です。

■本人は「頑張った」つもり、しかし、「頑張った」という「ホウ・レン・ソウ」もない
本人は「手を尽くした」つもりでも、実はこちら側にはその過程が見えてきません。報告や連絡や相談がないのです。中国ビジネスでトラブルを起こしやすいポイントのひとつがここにあります。中国人の「自分流」です。報告や連絡や相談なしに、「自分流」で事態を分析して、「自分流」に解釈し判断して、「自分流」でどんどんコトを進めていきます。その間の報告、連絡、相談がほとんどないのです。

これは日本側にも多少なりとも責任があります。日本側のほうが「言わなくてわかるはず」「知っているはず」「やってくれるはず」という相手に値する期待感でコトに望むことが多く、問題が発覚し、結果が出たときはすでに「手遅れ」の状態になっているというケースもよくあります。

もし、トラブルを未然に防ぎたいのであれば、「報告」「連絡」「相談」の機会をできるだけ多く設定すること、つまり中国人を相手にして「ホウレンソウ」をどのように実践していくか、実践させていくかが大きな「鍵」になります。

■「没有弁法」と言わせる前のチェックが大切

繰り返しますが、もしも中国人が「没有弁法」を言い出したら、それはもうあきらめるしかありません。「没有弁法」には「あきらめ」「責任逃れ」「言い訳け」の気持ちを含んでいます。「没有弁法」を相手に言わせる前に手を打つことが必要です。そのためには「没有関係」の段階で問題点を見つけ出すことが重要。また、「没有問題」の段階で問題点を予測してチェックすることが必要でしょう。

つまり、問題点の洗い出しはその前の「没有関係」の段階で徹底的にやっておくことが必要です。さらに問題が深刻になる前の「没有問題」の段階から、相手の話を鵜呑みにせずひとつひとつ事柄をチェックするべきなのです。

「没有問題」、「没有関係」、「没有弁法」、これから皆さんはこの3つのフレーズを頻繁に聞くことになるでしょう。「3つの没有」に要注意!これは中国ビジネスを進めていく上で、基本中の基本となるキーワードです。

次回は「3つの没有」のまとめとそのその対応策「仮説力チェック」を紹介します。ここが「信頼できる中国人」と「危ない中国人」を見極めるためのツボです。ご期待ください。

To be continued


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「没有問題」の次の段階は「没有関係」(気にしないで) シリーズ「3つの没有に要注意」<その3>

2014-04-07 | ■異文化理解

「3つの没有に要注意」は中国ビジネスに関わる皆さんにはぜひ覚えておいていただきたいキーワードです。「3つの没有」とは、「没有問題」(メイヨウウェンティ)、「没有関係」(メイクワァンシー)、「没有弁法」(メイヨウバンファー)の3つ。中国人ビジネスマンが口癖にように言う言葉です。特に、「没有問題」(メイヨウウェンティ)は、実際に中国ビジネスに携わっている方なら、いやというほど聞かされている言葉ではないでしょうか。

■「問題ない」は問題ありと心得よ

本当に「没有問題」(メイヨウウェンティ)は本当に「問題がない」のでしょうか?いいえ、実は「問題ない」という中国人は「問題あり」と心得ておいたほうがよさそうです。これは意図的に問題を隠そうとしているわけではありません。「問題」を「問題」と認識するまでの感覚差が日本人と中国人の間にはあるようです。「問題ない」と言う中国人は「問題あり」と心得よ。こうおもっていたほうがよさそうです。

■「問題ない・・・」から「気にしないで・・・」へ変化

そして「問題ない」と言っていた中国人が次に「没有関係」という言葉を使うようになります。「没有関係」とは、日本語で「気にしないで」という意味です。「私には関係ない」という意味ではありません。「大丈夫、大丈夫。気にしなくてもいいですよ」という意味です。最初は「問題ない」を連発するのですが、あるどこかしらのタイミングから、今度は「気にしないで」を言うようになります。「没有問題」の次が「没有関係」です。

しかし、この「没有関係」が出てくると段階になると、その「問題」はかなり『深刻』な状況に陥っているはずです。この段階で「問題」を速やかに見つけ出し、いち早く手当てをしないと「手遅れ」になります。これ以上「問題」を放置すると取り返しがつかないことになります。問題発見の最後の機会だと思っていいでしょう。

■自発的な「ホウ・レン・ソウ」が苦手は中国人

中国人はもともと「ホウ・レン・ソウ」、つまり「報告」「連絡」「相談」が苦手です。お互い密接に連絡を取り合って仕事をするという習慣がありません。問題を他人に知られたくない。問題の発覚をぎりぎりまで隠したがる。協力して問題を解決するのではなく「自分流」で問題を処理する。こういったマイナスの一面を持っています。

そもそも、基本的に「ホウ・レン・ソウ」に対して感覚の違いがあります。「連絡は必要なときやればいい」、「相談は問題が起こったらすればいい」、「報告は終わったあとですればいい」(事後報告)と考えがちなのが中国人です。まずはそれを知っておかないと「期待を裏切られた」ということになります。「没収関係」(気にしないで・・・)という言葉も「基準の感覚差」が背景にあるのです。

To be continued


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