中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

中国的交渉と日本的交渉の違い

2013-07-04 | ■中国人との実践交渉術

中国的交渉と日本的交渉の違い

  ビジネス折衝や交渉の現場で感じることですが・・・。日本人は交渉に臨む際に、できるだけもめないように、スムースに議論が進むように事を進めようとします。もめずにすんだ交渉を「よかった」と考えるのです。

  順調に早くまとまった交渉を「うまくいった交渉」と考えます。つまり、「まとめるための交渉」を意識して交渉に臨むのが日本人です。これは日本人自身が気づいていないのではなかと思いますが、日本人の大きな特徴といえるのではないでしょうか。

  もちろん、「もめる」よりも「もめない」ほうがいいことではありますが・・・。中国人はちょっと違う交渉の進め方をしてきます。それは、ひと言で言うと、はもめずに交渉をまとめることより、自分たちの要求を徹底的に主張してくるのが中国人です。まずここが中国と日本と交渉に対して大きな考え方の違いではないかと思います。

  中国人交渉とは「闘い」であり、交渉とは自分にとって有利な結果を導き出すためのものであると考えます。つまり、「結果を勝ち取るための交渉」をしてくるのが中国人の特徴です。まとめるための交渉ではなはなく、有利な結果を勝ち取るためには繰り返しさまざまな主張や要求を出してくるのが中国人なのです。



「うまくいった交渉とは・・・」

  「まとめるための交渉」と「結果を勝ち取るための交渉」の違い、まずはこの違いを認識しておきたいところです。

  例えば、あるビジネス折衝で交渉に臨むとき、その交渉期間を「1週間」とします。仮に交渉開始後3日目でその交渉がまとまったとしましょう。そのとき日本人は「交渉がうまくまとまった」、「今回の交渉はスムースにいってよかった」と考えるのではないでしょうか。「予定より早く終わってよかった」、「いい交渉ができた」と考えるのが普通でしょう。

  一方、中国人は仮に3日目でまとまりそうになったとしても、ここで決着させません。「合意点」に近づきつつあるそのポイントから、さらにもう一歩踏み込んだ要求を出してくるのです。3日目では決着させずに、4日目、5日目と別の交渉カードを使って、さまざまな要求を突きつけてくるのが中国的交渉の特徴です。

  できるだけ早くまとめることがよい交渉なのではなく、最後の最後まで粘り、最終的に自分たちとってより多くの有利な結果を勝ち取ることが中国人にとっての交渉なのです。もちろん、「もめること」「長引かせること」を目的としているわけではありません。勝ち取るべき結果を明確に意識して、それに向けて「闘い」をしかけてくるのが中国的交渉です。

  逆に、そんな中国人を「ずるい」「したたか」と考えるのが日本人です。「手強い」「苦手」とか、「わけがわからない」「だから中国人はいやだ」と考える日本人もいるかもれいません。

  しかし、本来ビジネスとは結果を勝ち取るための闘いなのではないでしょうか。ボランティアで万民の幸せ(?)のために慈善事業をやっているだけではないはずです。社会的な責任と公共の利益を考えたとしても、会社は利益を出さなければ成り立ちません。(続く・・・)



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