中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

中国ビジネスに携わるビジネスパーソンは知っておきたい6 days

2014-05-04 | ■異文化理解

5月4日、7月7日、8月15日、9月3日、9月18日、12月13日

この日は何の日かご存知でしょうか?
中国ビジネスに携わる方はぜひ知っておきた6つの日です。

中国出張のとき、こんな日は食事が終わったらおとなしくホテルに帰り、ホテルの部屋で寛いで静かに過ごしたいところです。少なくてもカラオケで夜遅くまで騒いだり、飲みすぎて羽目を外したりしないように注意したいところ。もちろん駐在員の方も早めにマンションに帰って、本を読んだり、Websiteのニュースをチェックしたり、日中関係について自分なりにおさらいをする時間を作ってみてはいかがでしょうか?

6 daysとは中国で反日の機運が高まる日です。2012年の反日デモの時も9.18に合わせてデモの呼びかけが行われました。毎年、これらの日に必ずデモが起こるというわけではありませが、中国ビジネスに携わるビジネスパーソンなら、覚えておきたい日です。

日本企業が現地でイベントを行うような場合も中国側に配慮して日程を考慮したいところです。「知らずにスケジュールを組み、後になって気付いた・・・」という事例も何度か目にしています。身近な危機管理はこんなことろから始めたいところです。


5月4日、7月7日、8月15日、9月3日、9月18日、12月13日

ここでもう一度この6 daysについてお聞きします。
あなたはこの日はどんな日だったか、いくつ答えられるでしょうか?
少し時間を作って考えてみてから、このコラムを読み進めてください。


身近なところで「危機管理」、覚えておいていただきたい6 days

5月4日
1919年「五四運動」が起った日です。1919年のヴェルサイユ条約の結果を拒否し、北京から全国に広がった反日、反帝国主義を掲げる大衆運動で、国民の愛国感情を呼び起こし、反日行動の象徴的な日とされています。

7月7日
1937年「盧溝橋事件」が起きた日です。日中戦争の発端となりました。中国では一般的に「七七事変」と呼ばれています。この事件がきっかけになり日中は全面戦争に突入します。

8月15日
これは皆さんもご存知の「終戦記念日」(日本)です。1945年8月15日、日本はボツダム宣言を受諾して連合国に無条件報告をした日です。ただし、中国から見るとこの日は「対日戦勝記念日」です。8月15日は首相が靖国神社を参拝するかどうかで注目される日となりました。

9月3日
日本では8月15日が終戦記念日ですが、中国では9月3日が「抗日戦争勝利紀念日」となります。1945年9月2日に日本政府が公式に降伏文書に調印し、これを以って第二次世界大戦が終結しました。中国や旧ソ連ではその翌日である9月3日を戦争終結の記念日としています。中国にとっての戦勝記念日は9月3日なのです。
一方、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、ロシアでは9月2日を戦勝記念日としています。また、ベトナムでも独立宣言をした9月2日を「国慶節」としています。ちなみに韓国では8月15日を「光復節」としています。国や地域によって戦勝記念日(戦争終結の日)が異なるわけです。

9月18日
1931年「柳条湖事件」が起きた日です。満州事変の発端となりました。中国では「九一八事変」と呼ばれています。これをきっかけに日本は日中戦争(支那事変)の道を進んでいきました。2012年の反日デモは9.18がピークとなりました。

12月13日
1937年「南京大虐殺」が起きた日とされています。日本軍が南京城を占領した日です。日本軍はこの一連の戦闘と12月13日の南京陥落の翌日から約6週間にわたって行われた南京城の城内・城外の「掃討作戦」で、大規模な残虐行為を行ったとされています。「南京大虐殺」については事実存否や犠牲者の数を巡って、日中間の認識の違いが今でも論争となっています。



以上の6つの日付は中国ビジネスに関わるビジネスパーソンはぜひ覚えておいていただきたいところです。これらの日、中国出張の方もまたは現地に駐在する方も、昼はこれらの日をちょっとだけ意識して過ごし、夜はおとなしく帰宅して静かに本でも読みながら日中関係の歴史を振り返る時間を持ちたいですね。事務所の開所式や工場の起工式などのイベントを行う場合でも中国側に配慮して別の日程を選びたいところです。

6 daysを知ることや日中関係の歴史に興味を持つことなど、身近なところでの危機管理はこんなところから始めていきたいものです。


それでもダメなら「仮説力チェック」part2がある シリーズ「仮説力チェック」<その4>

2014-05-03 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマから、ビジネスパートナーを見極める方法のひとつとして「仮説力チェック」という方法をを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。

■「仮説力チェック」part2とは・・・
「仮説力チェック」とは、「もしも、問題が起るとすれば・・・」という問いかけを相手にしてみることです。そして、「仮説力チェック」パート2とは、「もしも、問題が起るとすれば、問題A・・・、問題B・・・、問題C・・・」と皆さんのほうから仮の事例を挙げて相手に問いかけてみることです。

没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

■「仮説力チェック」part2の結果は・・・

「仮説力チェック」」part2を試してみると、それに対する反応もまた3つのパターンに分かれます。
第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。私見ですが、こういう中国人がおよそ9割・・・。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。こういう中国人は8%・・・。

第三に、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人が2%・・・。すべてあくまでも私見です。

結局、「仮説力チェック」part1の時と同じです。

・・・

「それじゃ、意味ないじゃなか!?」と思う方もいらっしゃる(?)のではないでしょうか?

そこで、その対策として、「仮説力チェック」part3があります。

■「仮説力チェック」part3とは・・・?

コラムを読んでくださっている方のお叱りの言葉が聞こえてきそうです。「仮説力チェック」part3として、有効な方法を提案したいところですが・・・。

実は、「特効薬」はありません。「仮説力チェックpart3とは何かというと・・・。
「仮説力チェック」part2を繰り返すことです。「仮説力チェック」のpart2を、2回、3回、4回と繰り返すことです。つまり、それが「仮説力チェック」part4、part5なのです。

これは、つまりどこで見切りを付けるかということです。どこまで辛抱できるかと言ってもいいでしょう。

信頼できるビジネスパートナーを見つけ出すことはそのくらい時間がかかてコツコツやる必要があるということです。期待させてしまって申し訳有りませんが、やはり「特効薬」はありません。地道に、コツコツと、トライ&エラーを繰り返し、こちらのビジネスの進め方を伝え、相手の考え方も理解し、信頼できるビジネスパートナーを見つけていこうとする姿勢が大切なのかもしれません。

To be continued


※「中国人とうまくつきあうテクニック」(総合法令出版)について、このコラムで紹介している『実践テク』のプラスαの実践テク、裏技テクについて、Yahoo!ニュースコラムでも公開中。こちらからご覧ください。

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仮説力チェックの反応は3つのパターンに分かれる シリーズ「仮説力チェック」<その3>

2014-05-01 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出すためのテクニックです。相手の「仮説力」をチェックするという方法です。

「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけてみます。

すると、それに対する反応が3つのパターンに分かれます。

■「仮説力チェック」への反応には3つのパターンがある

第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。私見ですが、こういう中国人がおよそ9割です。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。こういう中国人は8%(あくまでも私見です)逆切れするタイプはできるだけビジネスパートナーとしては避けたいタイプです。

第三に、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人。これもあくまでも私見ですが、こういう中国人は2%・・・。ビジネスパートナーとしてぜひ選びたい相手です。

つまり、「仮説力」をチェックしてもほとんどもケースでまた「没有問題」が返ってきます。では、そういうときはどうすればいいか?

そんなときは「仮説力チェック」part2を試みます。

■それでもダメなら「仮説力チェック」part

「仮説力チェック」part2とは・・・。今度は皆さんのほうから仮に起こり得る可能性がある問題を話してみるのです。

「今は問題ないけど・・・。もし、問題が起こるとすれば問題A・・・、問題B・・・、問題C・・・。どういう問題が起る可能性があると思いますか?」と問いかけてみるのが、「仮説力チェック」パート2です。

実は、この「仮説力チェック」」part2とは、今度は皆さんの「仮説力」が試される場面でもあります。もしかしたら、あなたの考えやトラブルの対処法、場合によってはビジネスのノウハウをソリューションのキーワードを相手に伝えることになってしまいます。そして、何よりあなた自身に負荷がかかります。

「仮説力チェック」を行うことは、ビジネスパートナを見極めるという目的では有効ですが、あなた自身も真剣に向き合っていく必要があります。彼の仕事に対する姿勢やビジネスセンスを垣間見ることができるだけでなく、あなた自身の力量が問われることにもなるのです。どこまで踏み込んむべきかは皆さんの判断にお任せします。

To be continued


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パートナー選びはまず「仮説力チェック」を試すところから シリーズ「仮説力チェック」<その2>

2014-04-28 | ■異文化理解

これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める実践テクニックを紹介します。それは・・・、相手の「仮説力」をチェックするという方法です。

「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。「もしも・・・」という仮説の話を持ちかけることがポイントです

■「仮説力チェック」でわかる危ない中国人

ビジネスパートナーを探すとき、まず相手の「仮説力チェック」をしてみることをお勧めしています。信頼できるパートナーかどうか、協力関係を作っていけるかどうかをチェックするときに有効な方法です。

「もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけをしてみます。これが「仮説力チェック」です。仮説力をチェックする方法は中国人パートナーを選ぶときにたいへん重要なポイントです。仮説力をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢や彼自身のビジネスセンスを垣間見ることができます。

もしも、「私のことが信用できないんですか?」と逆切れ(?)するような相手だったら要注意です。パートナー候補から外したほうがよさそうです。必要以上に突っ込むと彼の「面子」を潰すことにもなりかねません。「面子」を潰さないという注意も必要です。

■これまでのビジネス経験から信頼できる中国人を選び出すコツ

もし、きちんと「仮説」を立てて、ひとつひとつ説明してくれる相手であれば、ビジネスパートナーとして大切にしたい相手です。私自身もこの「仮説力チェック」の方法で頼りになる中国人を何人も見つけてきました。

これからいっしょにビジネスを進めるパートナーになり得るかどうか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに考えていくことができる相手かどうか、私自身はこの「仮説力チェック」をひとつの指標にしています。仮説力をチェックしてみると、ビジネスパートナーとして相応しい相手かどうかを比較的容易に見極めることができるのです。

「問題を解決してくれるはず」「トラブルをチェックしてくれるはず」と相手の自主的な行動を期待するだけでは問題は解決できません。日本側からも問題点の発見を積極的に働きかけて、双方で問題点を洗い出し、しっかりとコミュニケーションを図っていかなければならないのです。

問題点を未然に見つけ出すためにどのように働きかけるか、「仮説力チェック」をどのように具体的に実践していくか、これが中国ビジネスを成功に導くノウハウだと言えるでしょう。

ぜひ、「もし問題が起こるとすればどんな問題が考えられる?」という問いかけを試してみてください。そして皆さん自身の「仮説」を相手にぶつけてみてください。ある意味では、皆さん自身の「仮説力」が試される場面です。

To be continued


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信頼できる中国人を見つけ出すには「仮説力チェック」 シリーズ「仮説力チェック」<その1>

2014-04-21 | ■異文化理解

■「仮説力チェック」でわかる信頼できる中国人と危ない中国人

「信頼できる中国人」と「危ない中国人」を見分けるとき、参考にしてみていただきたいのが「仮説力チェック」という方法です。「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。

もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。
「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。
「もしも・・・」という仮説の話を持ちかけることがポイントです。これが「仮説力チェック」です。
筆者の経験だと、対応は大きく3つに分かれます。

■相手の反応を3つのタイプに分類

第一に、「問題ないって言っているじゃないですか。本当に問題ありませんよ」とさらっと言い切る中国人。これは、問題点に気付いてないか、自ら問題点を探し出そうとする意欲が感ないか、いずれにしても注意が必要です。

第二に、「私のことが信用できないんですか」と逆切れ(?)するパターン。彼の「面子」をつぶしてしまってはいけないが、本当は問題があるのに彼は「その問題がまだ深刻ではない」と思っているか、または問題を隠そうとしているのかもしれません。これも要注意です

三つ目のパターンは、「そうですね。もし問題が考えられるとすれば・・・」と、起こりうる問題の可能性を考え、それを話してくれる中国人。こういう中国人を大切にしたいところです。ビジネスパートナーとしてぜひ選びたい相手です。

つまり、「仮説力」をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢やビジネスセンスを垣間見ることができます。これは極めて有効です。今後、ビジネスを順調に進めることができるか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに施していくことができるか、彼のスタンスに大きく左右されます。

「もし、問題が起こるとすれば、どんな問題が考えられる?」というひと言をビジネスの中でぜひ実践してみてください。そして、皆さん自身のほうも「中国人を見極めるアンテナ」を磨く努力を心がけることが大切です。

このコラムでは今後もこうしたすぐに役に立つ「実践テク」をなるべくたくさん紹介していきたい。と思います。ぜひ、ご期待ください。


To be continued


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「没有弁法」(仕方ないですよ・・・)はあきらめるしかない シリーズ「3つの没有に要注意」<その4>

2014-04-14 | ■異文化理解

「3つの没有」に要注意!「3つの没有」とは、「没有問題」(メイヨウウェンティ)、「没有関係」(メイクワァンシー)、「没有弁法」(メイヨウバンファー)の3つです。「没有問題」(メイヨウウェンティ)という中国人は必ず「問題あり」と心得ておくべき。「没有関係」(気にしないで)が口から出てくるときには「問題はかなり深刻な状況にあり」と思っていたほうがよさそうです。そして「3つの没有」の最後に「没有弁法」(仕方ないです)が出てきます。

■3つ目の「没有」は「没有弁法」(仕方ない・・・)というあきらめの言葉

「没有関係」(気にしないで)と言っていたはずの中国人が突然「没有弁法」と言い出します。しかし、この言葉が出てくるともうすでに問題は修復不可能の領域に進んでいる(?)と思ったほうがいいでしょう。「大丈夫、大丈夫。気にしなくてもいいですよ」と言っていたはずなのに、突然「没有弁法」(仕方ないです)となってしまう。その間、報告や連絡や相談がないことがよくあります。

「没有弁法」は「あきらめ」のサインです。恐らく、それからどんな手を尽くしても修復することは難しいでしょう。「没有弁法」は「自分はできる限りの手を尽くしたけどダメでした」「これは不可抗力です。できることはすべてやりました」「私の責任ではありません」というニュアンスを含む言葉です。

■本人は「頑張った」つもり、しかし、「頑張った」という「ホウ・レン・ソウ」もない
本人は「手を尽くした」つもりでも、実はこちら側にはその過程が見えてきません。報告や連絡や相談がないのです。中国ビジネスでトラブルを起こしやすいポイントのひとつがここにあります。中国人の「自分流」です。報告や連絡や相談なしに、「自分流」で事態を分析して、「自分流」に解釈し判断して、「自分流」でどんどんコトを進めていきます。その間の報告、連絡、相談がほとんどないのです。

これは日本側にも多少なりとも責任があります。日本側のほうが「言わなくてわかるはず」「知っているはず」「やってくれるはず」という相手に値する期待感でコトに望むことが多く、問題が発覚し、結果が出たときはすでに「手遅れ」の状態になっているというケースもよくあります。

もし、トラブルを未然に防ぎたいのであれば、「報告」「連絡」「相談」の機会をできるだけ多く設定すること、つまり中国人を相手にして「ホウレンソウ」をどのように実践していくか、実践させていくかが大きな「鍵」になります。

■「没有弁法」と言わせる前のチェックが大切

繰り返しますが、もしも中国人が「没有弁法」を言い出したら、それはもうあきらめるしかありません。「没有弁法」には「あきらめ」「責任逃れ」「言い訳け」の気持ちを含んでいます。「没有弁法」を相手に言わせる前に手を打つことが必要です。そのためには「没有関係」の段階で問題点を見つけ出すことが重要。また、「没有問題」の段階で問題点を予測してチェックすることが必要でしょう。

つまり、問題点の洗い出しはその前の「没有関係」の段階で徹底的にやっておくことが必要です。さらに問題が深刻になる前の「没有問題」の段階から、相手の話を鵜呑みにせずひとつひとつ事柄をチェックするべきなのです。

「没有問題」、「没有関係」、「没有弁法」、これから皆さんはこの3つのフレーズを頻繁に聞くことになるでしょう。「3つの没有」に要注意!これは中国ビジネスを進めていく上で、基本中の基本となるキーワードです。

次回は「3つの没有」のまとめとそのその対応策「仮説力チェック」を紹介します。ここが「信頼できる中国人」と「危ない中国人」を見極めるためのツボです。ご期待ください。

To be continued


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「没有問題」の次の段階は「没有関係」(気にしないで) シリーズ「3つの没有に要注意」<その3>

2014-04-07 | ■異文化理解

「3つの没有に要注意」は中国ビジネスに関わる皆さんにはぜひ覚えておいていただきたいキーワードです。「3つの没有」とは、「没有問題」(メイヨウウェンティ)、「没有関係」(メイクワァンシー)、「没有弁法」(メイヨウバンファー)の3つ。中国人ビジネスマンが口癖にように言う言葉です。特に、「没有問題」(メイヨウウェンティ)は、実際に中国ビジネスに携わっている方なら、いやというほど聞かされている言葉ではないでしょうか。

■「問題ない」は問題ありと心得よ

本当に「没有問題」(メイヨウウェンティ)は本当に「問題がない」のでしょうか?いいえ、実は「問題ない」という中国人は「問題あり」と心得ておいたほうがよさそうです。これは意図的に問題を隠そうとしているわけではありません。「問題」を「問題」と認識するまでの感覚差が日本人と中国人の間にはあるようです。「問題ない」と言う中国人は「問題あり」と心得よ。こうおもっていたほうがよさそうです。

■「問題ない・・・」から「気にしないで・・・」へ変化

そして「問題ない」と言っていた中国人が次に「没有関係」という言葉を使うようになります。「没有関係」とは、日本語で「気にしないで」という意味です。「私には関係ない」という意味ではありません。「大丈夫、大丈夫。気にしなくてもいいですよ」という意味です。最初は「問題ない」を連発するのですが、あるどこかしらのタイミングから、今度は「気にしないで」を言うようになります。「没有問題」の次が「没有関係」です。

しかし、この「没有関係」が出てくると段階になると、その「問題」はかなり『深刻』な状況に陥っているはずです。この段階で「問題」を速やかに見つけ出し、いち早く手当てをしないと「手遅れ」になります。これ以上「問題」を放置すると取り返しがつかないことになります。問題発見の最後の機会だと思っていいでしょう。

■自発的な「ホウ・レン・ソウ」が苦手は中国人

中国人はもともと「ホウ・レン・ソウ」、つまり「報告」「連絡」「相談」が苦手です。お互い密接に連絡を取り合って仕事をするという習慣がありません。問題を他人に知られたくない。問題の発覚をぎりぎりまで隠したがる。協力して問題を解決するのではなく「自分流」で問題を処理する。こういったマイナスの一面を持っています。

そもそも、基本的に「ホウ・レン・ソウ」に対して感覚の違いがあります。「連絡は必要なときやればいい」、「相談は問題が起こったらすればいい」、「報告は終わったあとですればいい」(事後報告)と考えがちなのが中国人です。まずはそれを知っておかないと「期待を裏切られた」ということになります。「没収関係」(気にしないで・・・)という言葉も「基準の感覚差」が背景にあるのです。

To be continued


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「没有問題」(問題ない)と言う中国人の3つのタイプ  シリーズ「3つの没有に要注意」<その2>

2014-03-31 | ■異文化理解

表題にある「3つの没有」とは、「没有問題」(問題ありません)、「没有関係」(気にしないで)、「没有弁法」(仕方ない)の3つです。こんな言葉をよく口にする中国人は要注意です。

「没有問題と口ぐせのように言う中国人・・・」、「口では問題ないと言うけど本当に大丈夫なのか心配・・・」、こんなふうに思っている方、けっこうたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

■「問題ない」という中国人は「問題あり」と心得ておくべき

個人的見解から入りますが、ご了承ください。結論から言いうと、「没有問題」(メイヨウウェンティ)と口癖のように言う中国人は、どこか必ずどこかに「問題あり」と考えていたほうがよさそうです。

中国ビジネススキルアップ研修でこのテーマを取り上げるとたいていの方は「やはりそうか・・・」という感想を漏らします。駐在経験のある方や中国ビジネスに深く関わっている方からは「そんなことはあたりまえ・・・」といった感想を聞くこともあります。

「没有問題」(メイヨウウェンティ)を連発する中国人は「有問題」(ヨウウェンティ)、つまり「問題あり」と心得ておいたほうがよさそうです。「没有問題」を連発する中国人は、「本当に大丈夫?」とちょっと疑ってかかったほうがよさそうです。決して中国人の悪口を言うつもりはありませんが、結局は自分に降りかかってくる「火の粉」です。自己防衛のためにも「没有問題」には注意が必要です。

■「問題ない」はどのレベル?

「本当に問題はないのか?」

「本人が気づいていないだけなのではないか?」

「本当に問題を見つけ出そうとしているか?」

彼らの「没有問題」をそのまま受け入れないほうがよさそうです。

同じ「没有問題」でもいろいろなれベルがあります。たとえば、Aタイプ。本当に問題ないと思っているケースです。最初から意図的に問題を隠そうとしているわけではないのです。「基準の感覚差」であり、当事者の認識の違いです。本人が気づいていないというケースもあります。実際に本当に何も問題が起きないケースもあります。

たとえば、Bタイプ。もし、最初から意図的に隠そうとしているのでれば、そのような中国人とはビジネスはできません。つまり、要注意人物・・・。最初から遠ざけたほうが良いタイプです。

そして、Cタイプ。仮に問題があっても「まだまだ大丈夫」、「それほど深刻な問題ではない」と考えるケースもあります。詰めの甘さ、認識の低さが気になるところですが、本人には悪気はないのでしょう。何とか自分自身で解決していこうという努力するタイプです。

やっかいなのは、「没有問題」という中国人が、日本人の目からはAタイプか、Bタイプか、Cタイプか、見分け難いことです。皆さんがビジネスでやりとりしている相手が、頑張って努力しているCタイプかもしれないし、実は最初から問題を隠そうとしているBタイプかもしれないのです。

■ホウ・レン・ソウがない中国人

さらに彼らは「報告」「連絡」「相談」(ホウ・レン・ソウ)という習慣がありません。情報をチームで共有したり、自発的にホウ・レン・ソウを行うということが少ないのです。「連絡は結果だけでいい・・・」、「相談は必要に応じてすればいい・・・」、「報告は事後報告でいい・・・」と考える傾向があります。つまり、仮に問題があったにしても、それがこちらに伝わってきません。日本人同士であれば「あたりまえ」であることが期待できないのです。

■意図的に問題を隠そうとおもっていたわけではない

結果的に「問題ない」と言っていたはずの中国人から、ある日突然「問題」を打ち明けられて、「こんなはずじゃなかった・・・」ということになります。「問題あるのならもっと早く言って欲しかった・・・」と思っても後の祭りです。場合によってはそれを「騙された」「裏切られた」と感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、彼らは決して意図的に問題を隠そうとしているわけでも、最初から日本人を騙そうと思っているわけでもないのです。繰り返しになりますが、「連絡は結果だけ」「相談は必要に応じて」「報告は事後報告でいい」と考えるのです。

つまり、「問題ない」と言う中国人に対しては「本当に問題はないか」、「もし、問題が起こるとすればどんな問題が考えられるのか」、少しだけ先回りして日本側から働きかけることが必要です。残念ながら待っているだけではこちらが要求する答えは期待できないことが多いことも事実です。

「問題ない」という中国人は「問題あり」と考えておいたほうが無難。長年中国ビジネスに携わってきて自分自身を戒めるためにも自分にそう言い聞かせています。

To be continued


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基準の感覚差  シリーズ「3つの没有に要注意」<その1>

2014-03-23 | ■異文化理解

■何度も何度も聞かされる「没有問題」(メイヨウウェンティ)

「没有問題」(メイヨウウェンティ)と口癖のように言う中国人がいます。中国ビジネスに携わっている方なら相手の中国人から頻繁に耳にする言葉です。これは「没有問題」とは「問題ありません」という意味ですが、私の経験から「没有問題」という中国人は必ず何か「問題ある」と考えて接していったほうがよさそうです。

そうお勧めするのはなぜか? 彼は決して嘘をついているわけでも、問題を隠そうと思っているわけでもないのです。我々が注意しなければならないポイントは「基準の感覚差」です。つまり、「これは問題だ」と感じる境界線が日本人と中国人とではだいぶ違うようです。「問題だ」と認識するときの基準が日本人と中国人とではだいぶ違うのです。

■基準の感覚差をウォーターサーバーに例えると・・・

例えば、ここでウォーターサーバーをイメージしてください。満々と水が満たされている状況を100とします。水の補充はまだまだ必要のない「問題ない」という状況です

水を使っていくとメモリが80のところまで下がります。しかし、まだまだ水はたくさんあるので補充は必要ありません。メモリが50のところまでいくと「そろそろ水を補充したほうがいいかな」と思い始めます。20まで下がると「すぐに補充しなければ」と思います。

補充を忘れてメモリが10を下回ってしまうと「たいへんだ。すぐに補充しなければ・・・」と慌てて補充用の水を注ぎ込みます。つまり、この「たいへんだ・・・」と感じるポイントが20のところなのか、10のところなのか、これが「基準の感覚差」です。

■日本人は60のところで「これは問題だ」と認識する

60のところまで水が減ると補充の検討を始めるのが日本企業です。問題を先取りして(事前予測)、早めに手を打ちます。一方、中国企業は「まだ大丈夫。あと60も残っている」と考えます。メモリが50になっても、40を下回っても、「まだ大丈夫だろう」と考えます。問題の「深刻さ」に対する感覚が違いのです。これが「基準の感覚差」です。

メモリが10を下回ると日本企業は「この問題はたいへん深刻な状況」と考えますが、中には「まだ大丈夫、大丈夫」と考える中国人もいるわけです。

この「問題ない」という感覚は、本当に「問題ない、大丈夫だ」と思っているのか・・・、「問題点は認識しているけど、何とか自分で対応できる・・・」と思っているのか・・・、「本当は大丈夫じゃない」ということを隠そうとしているのか・・・、この点はなかなか判断できません。

最初のふたつについては、中国人も決して相手をごまかそうとか、日本企業を欺こうか、担当者を騙そうと思っているわけではないのです。それが「基準の感覚差」なのです。

「問題ない」という中国人は繰り返し再チェックすべし。さらに、「仮説力チェック」を行うと相手の仕事に対する姿勢や仕事の処理能力、その人の誠実さなどが見えてきます。「信頼できる中国人と危ない中国人の見分け方」のポイントは「仮説力チェック」です。次回は「3つの没有」をもう少し掘り下げて、「仮説力チェック」についても紹介していきます。

To be continued


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絶対に贈ってはいけない品物 続編<その3>

2014-02-14 | ■異文化理解

お土産は「豪華に・・・」「派手に・・・」「いいものを・・・」「大げさに・・・」が基本原則です。お菓子の詰め合わせを「つまらないものですが、皆さんで召し上がってください」はダメです。こんなとき「ひとつだけで少なくて申し訳ないけど、このお菓子をぜひ食べてください」と気持ちを伝えようとするのが日本人。

一方、お菓子を受け取る中国人は「本当にひとつだけ(?)」(なんてケチな日本人・・・)と、あなたはそう思われているかも知れないのです。あなたの好意が裏眼に出ていることもあるかもしれないのです。

「キャラクター付きのボールペン」や「ご当地キャラの携帯ストラップ」などもわざわざ買って行くお土産じゃなさそうです。余程の日本通でキャラクター好きならばいざ知らず、中国人に「ケチな日本人」と思われたくなかったら、むしろ買っていかないほうがいいかもしれません。

本当にお土産を渡したい人には、然るべきタイミングで、より豪華なもの、よりいいモノをプレゼントしたほうが絶対に効果的です。儀礼的なお土産、形だけのお土産や気持ちだけの品物はやめておいたほうがいいでしょう。


■気持ちを伝えたいなら、コメントをしっかり伝えることが大切・・・

だからと言って「お菓子の詰め合わせセット」がダメなわけではありません。日本酒や日本人形、定番の文房具でも、キャラクターグッツでもいいのです。ポイントはお土産を渡すときのコメントが大切なのです。

「なぜこれを選んだか・・・」、「なぜこれをあなたにプレゼントするか・・・」
このコメントをしっかり伝えるのです。
例えば・・・、「陳さん、このお菓子をぜひ陳さんに食べて欲しくて、わざわざ選んで買ってきました。これはなかなか手に入らないプレミアムのお菓子で、私が食べたお菓子の中で最高で、空港で一生懸命探して、やっと見つけて買ってきました」というようなコメントです。

さらに・・・、「これをどう使った欲しいか・・・」、「これを使って何をして欲しいか・・・」
多少押し付け(?)的なコメントになることもありますが・・・。徹底的にお土産の良さを主張するのです。

例えば・・・、「ぜひこの置物をを社長室の本棚の横に置いてください。この置物は幸運を呼ぶ言い伝えがあります。私たちの友好の証です」とか、

例えば・・・、「このお酒は金粉入りの大吟醸酒です。名前の由来は、・・・です。ぜひ、特別なお客様をおもてなしするときにいっしょにお召し上がりください」とか、
ポイントはお土産を渡した相手が、他の人に自慢しなくなるようなエピソードを伝えること。他の人に自慢したくなるような薀蓄を添えてお土産を渡すことです。

こうしたコメントを添えることで、渡したお土産は何倍もの効果を発揮することになります。「つまらないものですが、ぜひ皆さんで召し上がってください」とか、「少ないけど、気持ちだけ受け取ってください」ではダメなのです。


■年末から年明けにかけて出張がある時は、「カレンダー」のお土産がお勧め・・・

年末から年明けにかけて、出張があるときには決まって「カレンダー」を買って行きます。旧正月ぐらいまではけっこう有効です。(今年はもう過ぎてしまいましたが、ぜひ覚えておいてください)喜ばれるお土産です。3つのパターンがあります。

第一に、日本的な図柄のカレンダーです。「浮世絵」、「富士山」、「日本の四季」、「有名な観光地」のカレンダーなどです。かなりベタですが、意外と喜ばれます。桜、紅葉、東京スカイツリー、北海道なども人気です。

値段は1,000円~1,500円ぐらいのものが手ごろです。お菓子を買って行く替わりにぐたいの値段です。いいものだと2,000円を超えるものもありますが、実は100円ショップで手に入るものもあります。(100円ショップで選ぶ場合は11月中ぐらいに品揃えがあるうちにまとめ買いをしておくことをお勧めします)

第二に、歌手や芸能人、キャラクターのカレンダーです。映画俳優や女優、宝塚、ワンピースやポケモンなどアニメ系のキャラクターからオタク系までけっこう人気です。嵐やAKB48のカレンダーを買って行って奪い合いになったこともありました。

これはちょっと値が張ります。2,000円~3,000円が一般的。プレゼントする相手がどんなアイドルが好きかを事前に聞いておけばハズレはありません。

第三に、最初からリクエストを募るという方法も実はよくやります。車が好きな人から「GT-R」(日産自動車)のカレンダーを頼まれたこともありました。ペット好きの人には「かわいいワンちゃん」のカレンダーとか、野球選手のカレンダーとか、グルメカレンダーとか、アパレルメーカーが出しているもの、鉄道会社が出しているもの、欲しいものを買って行って喜んでもらうには、先にリクエストを聞いておくという方法が一番です。

■最後に、カレンダーのプレゼントにはもうひとつ重要な意味があるのです・・・

カレンダーのプレゼントと聞いて、「日本、中国、香港、台湾では祝日が違うのでは・・・?」とお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか?その通りです。日本の祝日と海外の祝日は違います。

しかし、祝日が違うから海外では使えないのではなくて、海外とは違う日本の祝日がわかるから逆にいいのです。つまり、「この日は吉村に連絡しても事務所にいないよ・・・」という日を覚えておいてもらうためのカレンダーのプレゼントです。

以前は、「電話やメールで何度連絡しても吉村さんがつかまらない」ということがよくありました。日本は祝日なので当然です。しかし、日本のカレンダーをプレゼントしておくことによって、こうした行き違いをなくすことができます。

逆に、私のテーブルには中国や台湾の卓上カレンダーが置いてあります。中国や台湾の祝日を確認するためです。「メールしたのにレスがない」、「電話しても誰もでない」というストレスが回避できます。また、テレビ会議の日程とか、報告書の提出日を記入しておきます。海外の祝日がわかるコンパクトな卓上カレンダーは意外と便利です。

「お土産」の注意点をシリーズで書いてきました。ぜひ、皆さんからもメッセージをお寄せください。贈って喜ばれたお土産の事例や経験談をメールにてお送りください。



※「中国人に贈ってはいけない品物」はシリーズで寄稿しました。ぜひ、バックナンバーもご覧ください。


絶対に贈ってはいけない品物 続編 <その2>

2014-02-12 | ■異文化理解

前回の続きです。贈り物として相応しくないものはまだまだあります。「薬」をプレゼントしてはいけない。「ハンカチ」もダメ、「ネクタイ」もダメ、「靴」もダメ etc. 知っておきたい「転ばぬ先の杖」です。

ダメな理由をひとつずつ解説していきましょう。

「ハンカチ」は涙を誘うと言われ、「不幸を暗示するプレゼントだから」という理由です。「ネクタイ」は女性が男性を拘束するという意味があるそうです。「あなたは私のいいなり・・・」というように、まるで飼い犬に首輪を付けるような感覚なのでしょうか?

「靴」は「これを履いてどこか遠くへ(?)行ってください」という「私から遠ざけたい」という意味があるそうです。また中国語の「靴」(xie)は、「邪」(xie)と同じ音です。これは「あやしい」「おかしい」という意味・・・。他にもまだまだNGアイテムはありそうです。


■地域により品物やその理由はさまざま

前回と今回のコラムで今回贈ってはいけない品物の中から代表的な物を紹介してきましたが・・・。しかし、ここで注意が必要です。「中国のすべての地域で同じ」とは限りません。地域によっていろいろな違いがあり、その理由や背景もさまざまです。

そのすべてを理解することが大切なのではなく、ビジネスシーンに合わせてひとつひとつを自分自身で確認しながら、自分がどう異文化と向かい合っていくべきかを考えるこ、これが異文化理解を深めるためには大切なことではないかと思います。


■中国人や台湾人観光客がドラックストアで「薬」を箱買いする様子をしばしば眼にするが・・・

「薬」は送るということは「病気を招く」という意味で嫌われます。「薬」もプレゼントしてはいけない品物です。しかし、中国人や台湾人観光客がドラックストアで「薬」を箱買いする様子をしばしば眼にします。話を聞くと、「これは○○○に頼まれた・・・」、「これは○○○さんへのお土産・・・」、「これは実家のおばあちゃんへプレゼント・・・」など、完全にお土産アイテムです。

日本の「薬」は、「安心だから、安全だから」ということで人気があります。「キャベジン」や「正露丸」、「龍角散」や「太田胃酸」、風邪薬の「ルル」や「ベンザ」などなど、まとめ買いしていく人も少なくありません。「吉村さん、今度台湾に来るとき、風邪薬を6つ、胃薬を4つ買って来て・・・」といずれも銘柄指定で買い物を頼まれ、スーツケースがいっぱいになるほど薬や化粧品を持って行ったこともありました。(私は「薬の売人」ではありません・・・)(x_x)>

中国や台湾は「漢方」(中医)の国ですから、体に優しいいい薬はたくさんあるのではないかと思うのですが、わざわざ薬を日本で買って、お土産にしたり、自分で使ったりします。やはり、日本製品に対する「安心・安全」信仰は根強いものがあるのでしょうか。誰もが知っている定番のブランドはとても人気があります。

ここで「裏技」をひとつお教えしましょう。「薬」をプレゼントするときは、プレゼントした相手からコインを一枚もらうとよいそうです。つまり、こうすることで「薬を送った」のではなく、「薬を売った」ことにすのです。


■病気の見舞いに「梨」を持って行くのはダメ・・・

病気で入院している友人に果物を持って行ったりします。果物は病気のお見舞いにごく普通の贈り物だと思うのですが・・・。中国では「梨」は絶対にダメだそうです。

日本では病気見舞いに「鉢植え」はダメだと言います。「そこに長く根付く・・・」ことを嫌うからで、「生花」が一般的です。花瓶に花を活けるわけです。

「梨」は中国語で同じ発音の漢字に「離」(li)があり、「離れ離れになる」を意味し、「別れ」を暗示させる言葉です。病人に対して、「もう二度と会えませんね・・・」とお別れを告げる意味です。確かにもらったほうはどんなにおいしい「梨」でも、「これでお別れですね・・・」という送り物はあまりいい気分はしないですね・・・。


To be continued


絶対に贈ってはいけない品物 続編 <その1>

2014-02-10 | ■異文化理解

このコラムの11月18日(2013年)掲載の記事で「絶対に贈ってはいけない品物」という内容を執筆しました。けっこう反響が大きく、たくさんの方からお問い合わせをいただいたので、その続編を3回シリーズで書きます。

11月18日の「絶対に贈ってはいけない品物」はこちらからご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/crosscosmos/e/5fe2f952a0ed632a27ab5749cd66fb09


「時計」は贈ってはいけない、「傘」もダメ、「扇子」もダメ、前回のコラムではこんなポイントを書きました。(詳しくは11月18日のコラムをご覧ください)コラムをご覧いただいた読者の方からこんなメッセージをいただきました。「傘が駄目だと書かれていますが、逆の場合が有るのをご存知でしょうか?」

いただいたメッセージによると、「客家人の嫁入り道具に『紙傘』は欠かせません。紙と子の発音は同じで早生貴子とは早く子供に恵まれますようにの意味です。このように中国の客家人では台湾でも大陸でも同様です。一概に傘が駄目だと言えません」とのことです。

なるほど・・・、傘を縁起物としてプレゼントする地域はあると聞いていましたが、具体的な事例に触れるのは初めてでした。中国といっても北から南まで広い地域です。その地域によってそれぞれ違う風俗や習慣があることは十分に想像できます。中国をステレオタイプで理解しようとしてはいけませんね。中国の広さと奥行きの深さを改めて確認されられたメッセージでした。

「傘は人と言う文字が5つ有るので子孫繁栄の意味も有ります。そして傘の形は丸いので円満の意味も有ります」とのご指摘も・・・。なるほど、これは次のセミナーのネタ(?)で使わせていただきます。(^o^)v


■実は私も「扇子」をもらった経験があります。

中国のお土産に「扇子」をもらったことがあります。「扇子」はダメと聞いていたので、一瞬ドキッとしましたが、この「扇子」のお土産はなかなか心憎い計らいでした。

企業訪問で工場を見学した後、会議室に通され質疑がありました。会議室の戻ってきてテーブルの上を見ると、紙製の手提げ袋が置いてあります。ちらっと袋の中を覗いてみると、中には箱に入れて丁寧に包装された「扇子」が入っていました。

「あれっ?この扇子のお土産は・・・、(歓迎されていない証・・・?)」という思いが頭を過ぎりましたが、「まさかそんなことはないだろう」と総経理が会議室に入ってくるのを待ちました。

総経理はすぐに会議室に戻ってきて、こう切り出しました。
「扇子はスペシャルプレゼントです。この地域の伝統工芸品ですが、ぜひご利用ください」
総経理の言うままにさっそく箱から取り出して開いてみると、そこには大きく文字がひとつ書いてありました。

「この毛筆の文字は私の直筆です。『恕』という文字です。この文字の意味は、これから日本企業の皆さんと助け合いながら、励ましあいながらビジネスを進めていきたいという思いです。譲り合う気持ちを忘れずに長くお付き合いしていきたいという思いを込めて書きました」

総経理直筆の文字をしたためた「扇子」のプレゼント・・・。行書で書かれた文字はなかなかの達筆で、今までいろいろなお土産をいただく機会がありましたが、今でも忘れなれないお土産のひとつです。


■実はお土産も地域によっていろいろ・・・。ステレオタイプで理解するにはなかなか難しい中国人

日本人はどうももの事をパターン化して理解したがるようです。「○○○地方出身で、△△△という経歴で、□□□という学歴で、◇◇◇業界に勤めている彼はどんな人・・・」というように、型に当てはめて人を理解しようとします。ステレオタイプで型に当てはめてもの事を見る傾向があるようです。

しかし、このように型に当てはめて中国人を理解することが本当にできるでしょうか?答えは「NO」です。地域性による違いや世代差による違い、またひとりひとり考え方や生き方の違いなど、さまざまな価値観を持つ人たちの集合体です。

一般的に日本人は「右へ倣えの横並び文化」だと言われます。誤解を恐れずに言うと、他人と同じ行動をすることで何となく安心感を得て、「出る釘は打たれる」のが日本の文化です。「主張することが評価される文化」が中国、「悟り合うことが評価される文化」が日本・・・。

贈り物も地域によって私たちがまだ知らないさまざまな風習があることでしょう。そのすべてを理解することが大切なのではなく、そのひとつひとつを自分自身で確認しながら、自分がどう異文化と向かい合っていくべきかを考えること。これが異文化理解を深めるためには大切なことではないかと思います。

地域による「贈り物」の風習の違いについて、引き続き読者の皆さんからのメッセージの投稿歓迎いたします。
よろしくお願いします。

To be continued


「春節」特集4 「春節」の時期は人間関係構を深める絶好の機会

2014-02-04 | ■異文化理解

私見ですが・・・。「春節」の時期、人間関係のメンテナンスで重要なのは「忘年会」です。これは日本の「忘年会」とはまた違った意味で重要なイベントでもあります。

「春節」時期、中国や台湾の「忘年会」とは、「社長が社員全員の一年の労をねぎらうために主催する食事会」です。社員全員を集めて、レストランやホテルを貸し切りで行ったり、時には街のホールや集会所で行ったりすることもあります。また、社員の家族も呼んで盛大に行う会社もあります。部署ごとに集まって、10~20人単位で居酒屋で行う日本の忘年会とは様子が違うようです。

もちろん費用は全額会社持ちです。日本のように「会費制」とか、「割り勘」とかではありません。時には「社長自らのポケットマネーで・・・」ということもあります。全員参加のビンゴ大会や部署ごとの余興、カラオケやアトラクションなどを行う会社もあります。社長自らが景品を出して、社員に振る舞うというケースもあります。

「忘年会」にお客さんとして取引先を招くケースも少なくありません。こちらから申し出ればたいていは歓迎してくれるはずです。「紅包」(ご祝儀)を持って出かけて行きましょう。筆者は駐在時代にこうして何度も取引先の「忘年会」に参加しました。

実はこの「忘年会」に参加すると、会社の内部の様子が実によくわかります。単に食事に行くのではなく、会場の中の様子を見回すと・・・。テーブルの数、配置、席順・・・。そして、社長の周りに誰が座っているか、部門ごとのリーダーの位置関係etc. こんなところがチェックポイント・・・。

社内の雰囲気、今年の業績、会社の勢いなど・・・。今年の売上げはどうだったか? 業績を上げているのどの部門か? 社内の人間関係は? 社長が社員に慕われている様子etc. 会社の中の様子がけっこう手を取るようにわかります。社内の雰囲気が実によくチェックできるのです。

もうひとつ大切なチェックポイントは窓口になっている社員の動向です。実は忘年会の時期は転職のシーズンです。新しい年もボーナスをもらって、「春節」休み(お正月休暇)を機に辞表を出して会社を辞めるという人もいます。

「来年もよろしくお願いしますね」というひとことを言うためにわざわざ日本から出張を入るという商社の友人がいます。彼は生き生きと仕事をしているか、会社に不満を持ちんがら仕事をしていないか、お酒を飲みながら話をします。会社に対するホンネを聞く絶好の機会でもあるのです。

商社の友人は長い取引を続けていくためには「忘年会」への出席は毎年欠かさないそうです。「忘年会」は担当者とホンネで話ができる時間を作る貴重な機会なのです。

ぜひ、来年は取り引き先の「忘年会」に乗り込んで言ってみてはどうでしょうか?きっと大歓迎してくれるはずです。ちなみに、来年(2015年)の「春節」は2月19日(木)です。 (^。^)/


「春節」特集3 「春節」の時期出張は避けるべき(?)、敢えて行くべき(?)

2014-02-03 | ■異文化理解

「春節」は転職が多い季節です。「春節」の正月休暇を機に会社を辞める人、ボーナスをもらって会社に辞表を出す人、新しい年を新しい職場で迎えようとする人etc. 

「春節」の前後は重要な案件の打ち合わせや意思決定は避けたほうが無難です。クリスマスから年末年始、そして「春節」までは何かと慌しい季節です。重要案件の決定は慎重に進めたほうがいでしょう。実は、この「春節」の前後は転職が多い時期なのです。

また、「春節」は転職の季節でもあります。正月明け、その会社を訪問してみると担当者がいなくなっている(転職してしまっている)ということもあります。日本の会社では考えられませんが、中国や台湾では担当者が代わってしまうと商談が最初から組み立てなおしということがよくあります。会社を辞める担当者が後任者に十分な「引き継ぎ」をしないまま会社を辞めてしまうということがよくあるからです。

重要な案件は会社とトップの意向を十分に確認し、実務の担当者とも普段以上に連絡を密に取り合い、十分なコミュニケーションを欠かさないように仕事を進めることをお勧めします。「春節」の前後は特に注意が必要な時期です。

筆者は基本的に「春節前後の出張はできれば避けるべき・・・」と考えますが、「敢えてこの時期に出張を入れている・・・」という商社の友人もいます。その目的は「忘年会」です。彼は「春節」前に敢えて出張を入れて現地で取引先の「忘年会」の梯子をするというのです。

そのひとつの理由は、彼に言わせると「担当者の進退確認・・・」だと言います。「一年間、お疲れ様でした。お世話になりました。来年もいっしょにがんばりましょう・・・」という挨拶。さらに来年の具体的な計画や将来の方向性など、担当者とのコミュニケーションを取り、信頼関係を深めるには、忘年会の時期は絶好の機会なのです。

「春節前後の出張は人間関係のメンテナンスのために重要・・・」と考えるわけです。長年中国でのビジネスに携わってきたからこそ言えるコメントかも知れません。

ビジネスは「会社」対「会社」が基本です。契約書を交わして仕事は会社対会社で進めていきます。しかし、実際の仕事の現場を動かしているのは担当者です。仕事の現場では「人」対「人」の信頼関係が重要。あたりまえのことなのですが、特に華人圏では「人」対「人」の信頼関係を十分に意識してビジネスを進めていく必要があります。


「春節」特集2 業務の「引き継ぎ」・・・

2014-02-02 | ■異文化理解

「春節」の時期は転職が多い季節です。ここで注意したいのは業務の「引き継ぎ」です。中国の企業では辞めていく社員から後任者へ業務の「引き継ぎ」が期待できないことが多く、辞めていく社員が後任者に「引き継ぎ」をしないまま突然会社をやめてしまうこともあります。これはそれまでの業務に支障をきたすばかりか、これまで培ってきた人間関係を再構築しなければならないこともあります。

日本なら辞める人が新しい担当者を伴って挨拶にやってくるところでしょう。しかし、そんな日本では「あたりまえ」のことが期待できないことがあるのです。日本人は担当者は辞めた後の業務が滞らないように業務の「引き継ぎ」をすることが「あたりまえ」と考えます。しかし、中国ではそうとも限りません。

挨拶がないどころか、メールでの連絡すらないことがあったり、「後任者」さえ決まっていないというケースがあったり、日本の「あたりまえ」がまったく通用しないこともあるので要注意です。担当者が換わるとプロジェクトはゼロスタートになり、再度打ち合わせが必要となるケースもあります。

「後任者」の人選は、あくまでも取引先である中国企業側内部の問題です。しかし、実は日本側から注意を払っておきたいポイントでもあります。「窓口となっている担当者が突然会社を辞めてしまう可能性がある」、「もしも彼が辞めてしまったら、彼が担当していた業務は誰が引き継いでくれるか」、このような点を日本側から意識しておくことが中国ビジネスでは必要なのです。

担当者が辞めてしまっても業務が滞らないように、彼の同僚や部下、アシスタントの中で誰がキーパーソンになるかある程度検討をつけておきたい。担当者が辞めた後のキーパーソンを予め探しておくことをお勧めします。

そのためには窓口になっている担当者だけではなく、日ごろから彼の同僚や部下とのコミュニケーションを図る機会があれば理想的。メールは必ずCCで複数の担当者に送る。彼の下で誰がどんな権限を持っているかもある程度は把握しておきたいところです。

こうした点は日本企業同士の取引なら気にしなくてもよいポイントです。なぜなら担当者が代わってもしっかり「引き継ぎ」があり、後任の担当者が前任者の業務を引き継いで問題なく進めてくれるうからです。しかし、中国企業との取引の場合、「個人は会社を代表していない」と心得ておくべきです。

もちろんビジネスは「会社」対「会社」の契約で動くのですが、実際にビジネスの現場を動かしているのは現場の担当者です。中国の場合、時には会社間の契約よりも担当者の現場レベルでの判断が優先されることがあり、この点は日本企業が注意すべきポイントのひとつです。人と人の繋がりがビジネスを動かしている。「個人」と「個人」の信頼関係の構築と密接な連絡がより重要なのです。

「春節」の時期、先方とのコミュニケーションに特に注意を払うことをお勧めします。正月休み明け、担当者のメールアドレスがちゃんと活きているかどうか(?)、念のために確認を・・・。