櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

「踊り入門」6〜7月開講予定(西荻ほびっと村学校・舞踏クラス by 櫻井郁也)

2024-06-18 | レッスン日程&ご予約(毎月更新)

自由に踊るフリー参加のレッスン、6月後半から7月の予定です。

会場は西荻窪駅前、都合の良い時に参加できます。

気軽に踊りにきてください。

 

櫻井郁也ダンスフリーレッスン

踊り入門 
 ーーーーー舞踏・イノチとカタチ

(西荻ほびっと村学校・舞踏クラス)

BUTOH DANCE open class  by Sakurai Ikuya

2024年6〜7月開講分

スケジュール&ご予約案内

夜クラス=毎月第1第3木曜と第2第4火曜:19時〜21時

昼クラス=毎月第1第3火曜:14時〜16時

※自由な日程で参加できるオープンクラスです。下の予約スケジュールから、ご都合に合わせてご参加ください。

※定例稽古(下記)でのくわしい指導をご希望の方も、初回は当クラスにご参加のうえ、講師にお声がけください。

 

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心動けば体動く、これがダンスの原点。

お手本もキマリもない自由な動き、

ここからこそ「踊り」は生まれます。

年齢も経験も気にせず、

まず、からだをほぐし、そして、いろんな音楽や言葉をききながら、

心おもむくままに自由に体を動かす練習です。

ゆったり心身に向き合って、楽しんでください。

【講師メッセージ】

このクラスは、お手本をなぞるのでなく、ご自身の感性で自由な動きを楽しむ稽古をおこないます。方法や考え方を決めつけないで、まずご自身の気持を表す工夫からダンスを始めていただきたいからです。

ダンスは、体と心を結びつけることから始まります。喜びや悲しみや怒りから、そして感動のあまり沸き起こってくる何かを、肉体の動きやエネルギーに集約して、そして解き放って、まわりの人や時空と交感して、理屈抜きの仲を紡いでゆくのです。だから、まず最初は、感じることや思うことを自由に気ままに動き、恥ずかしがらずに誠実に正直に堂々と自分を出す、という試み〜練習〜習慣をつけることが、何よりも大切だと思います。そして、その上で、探究心や好奇心に応じて、欲する技術や方法に進むのが自然だと思います。自由に気ままにオドルこと。それは心身を解き放つ練習でもあります。

いま、この瞬間、なにを感じ何を思い想い憶っているのか。

心のまま、うごく。

それは自分で自分を見つめることにもつながると思います。ダンスの練習は自分自身の心身に、まっすぐ向き合う時間でもあります。最初にスタイルやテクニックや思想に囚われてしまうと、いちばん大切なものを見失ってしまいます。年齢も、経験も、なにも気にしないで、まずは、ひたすらカラダとむきあってみる時間をすごしてみてください。ダンス体験の入口に、そして、体への踊りへの親しみを深めていただければ、と思います。

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【予約受付日程】
 
 
★参加条件★
※コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー、音楽、美術などに興味がある方。
※ダンス関係の創作活動や公演活動などをまだ行っていない方。
※練習経験などは不要。初心者からOK
 

夜クラス(19時〜21時)

6月20(木)、25(火)

7月4(木)、9(火)、18(木)、23(火)

昼クラス(14時〜16時)

7月2、16(いずれも火)

※昼クラス6月分は終了しました。

 

空き状況・参加予約(クリック)

ご予約は上記のいづれか1回分ご本人のみ参加)にてお願いします。 
 
すでにご予約された回すべてを消化する前に新たな予約を入れることはできません。
 
▶ご予約の際はフォーム項目の全てを必ずご記入ください。
〈①お名前②参加希望日③ご住所④メールアドレス⑤電話番号〉が必須となります。

キャンセルが出ましたら、この記事に反映します。空き待ち連絡はいたしません。

▶予約フォーム送信後に2日後までに返信メールが届かない場合は、通信の不具合などが考えられますので、迷惑メールに仕分けされていないかご確認の上、お手数ですが、再度フォーム送信してください。

▶複数回数や複数人数のご予約に関しましては、お受けできない場合もあります。

 

●参加費=単発3500円、4回券11000円、10回券20000円(会場にて現金払いのみ)

※チケット有効期限は購入年度内です。

※チケット未消化分の払い戻し等はできません。

レッスン記録など



 

【会場】西荻ほびっと村学校
杉並区西荻南3-15-3ほびっと村3F TEL 03-3332-1187※予約は下記メールへ。
JR中央線西荻窪駅南口下車徒歩2分。みずほ銀行左折、最初の角。1Fが八百屋(自然食品店)のビルです。

 

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■定期的な稽古■
 
コンテンポラリーダンス・舞踏・オイリュトミー

もっとも基本的な動きからダンス表現の本質まで、4種類の稽古を行う定例稽古です。

少人数メンバー制なので、個々に対応したアドバイスなどが可能です。

以下の内容を曜日ごとに展開しますので、興味に合わせて稽古できます。

※ご希望の場合は、まず「踊り入門」(上記)にご参加のうえ、講師にお声がけください。

 

・コンテンポラリー&舞踏(金19:00 レベルフリー)

(コンテンポラリーダンスと舞踏のベーシックワーク。踊る喜びと充実。自由な動きのインプロベース。)

・からだづくり/基礎(土15:00 レベルフリー

(体のケアから身体操作のテクニックまで、丁寧な練習を重ねてダンス的な身体を探ります)

・創作/振付(土13:15 個別)

(ダンス創作の初歩。学び、考え、創り出し、踊る。ダンスを紡ぎ出すための作業を共有)

・オイリュトミー(水19:00 初心者から)※セミプライベート

(音・言葉・身体の関係を深め、感覚を拡大するドイツ生まれのメソッド。)

・リーディング&ムーブメンツ(不定期 紹介制)

(声と身体、言葉と動き、ダンス的な身体開発に音読や呼吸法を含めた新しいパフォーマンスワークの試み)

くわしい内容&参加方法

会場:善福寺稽古場(善福寺公園前)ほか JR荻窪バス10分内/JR西荻窪から徒歩圏。お問い合わせ時に詳細ご案内

▶お問合せ=『踊り入門』クラス会場にて講師までお声がけください。

 

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【講師メッセージ】
口や文章では語り尽くせないような衝動や、喋ってしまうと嘘っぽくなってしまうような感情、言葉になる前の言葉、歌になる前の歌、、、。
じっくりと身体を感じ取り、いろんな音や言葉に出会い、わきたつイメージや感情を解き放って、踊りの面白さを味わってほしく思っております。からだとの付き合い方、感覚の磨き方、いろんなことをつかんでください。
ジャンルとかスタイルといった先入観・既成の常識にふりまわされず、まず自由に踊ることから。そして表面的な形やウマいヘタとかいう思い込みを捨てて、自分の感覚や身体をのびやかにしたいものだと思います。踊るというのは運動もスルし汗もかきますが、日常の心配事や人間関係をいったん忘れて、まっすぐに心を見つめる行為でもあり、とても丁寧でデリケートな作業でもあると思うのです。

【講師プロフィール】
櫻井郁也(さくらいいくや)舞踊家。笠井叡に師事。定期的長期的なソロ公演を継続するほか、ポルトガル招聘公演、ルクセンブルグ招聘公演、ダンス白州、越後妻有トリエンナーレ、いちはらアートミックス、NHK番組振付、長崎原爆70年忌公演など作品多数。詳細

 


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【レッスンの参加条件】

・初心者または同種のダンス(コンテンポラリー、舞踏、オイリュトミー)の練習経験が比較的浅い方(目安2年程度内)
 
・公演活動や作品発表などをまだ行っていない方。

・健康で自己管理の出来る方。

・参加者どうしでのマナーやエチケットを大切にしていただける方。

・セラピーや療法に属する学習や施術および相談等は一切行っておりません。

・教室やワークショップなどの講師や公演活動をしている方は参加をご遠慮ください。

・舞台の振付や指導などをご希望の方は、個人レッスンにて対応しますので、ご相談ください。


〈受講時のご注意〉
*他団体やサークルへの勧誘、物品・チケットなどの販売、当方と無関係のチラシ配布や宣伝などは一切お断りします。
*ケガの防止・体調管理を、各自の責任でおこなってください。
*他の方に対して気分を害する言動や態度、めいわく行為、誹謗・中傷にあたる言動があった場合は、講師の判断で即時退会していただき以後の関係をお断りします。また、過度の欠席や遅刻をはじめ、レッスン進行やクラスの雰囲気を損なう可能性がある参加姿勢がある場合やマナーをお守りいただけない場合も同様に対応させていただきます。諸経費の払い戻しは一切できませんのでご了承ください。

 

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悪天候などへの対応は、レッスン開始2時間前までを目処に、当ブログTOP記事にて、お知らせしますので、ご来場前には必ずご確認ください。

 

 

 

Stage. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

櫻井郁也によるダンス公演の情報や記録を公開しております。

作品制作中に記されたテキストや写真なども掲載しておりますので、ぜひ、ご覧ください。

▶︎新作公演のご案内を始めました。

 

 


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定期レッスン受付情報(2024)

2024-01-31 | レッスン参加要項、ステージやWSご依頼など

定期レッスンの新規参加や再開者の受入を5月より行います。

こちらはダンスの稽古をともに続け、踊るという行為から生まれるさまざまな体験や交感を楽しむ場です。

フリークラスはメンバーや人数を固定していませんが、定期レッスンはメンバー制なので、いつもお馴染みの方々との稽古になります。

踊りの趣向はじめ気が合いそうな方は落ち着いて練習を楽しめると思います。

また、アドバイスや対話もくわしくなりますので、上達や表現活動を希望する方にも対応できます。

練習内容はHP掲示(コチラ)の通り、曜日ごとにプログラムします。

参加したい方は、まずは、フリークラス『踊り入門』(コチラ)に一度ご参加いただき、ピンとくるものがありましたら会場で講師まで直接にお声がけください。

ご興味や志望内容に合わせてご案内します。

・営業的なクラスではないので、不特定多数の参加や一時的な参加はお受けしていません。

・そのため、少なくとも一度はお会いしてからのご案内となります。

・定員の場合は欠員待ちとなりますので、ご理解ください。

・作品上演や指導経験がある方、プロとしての活動経験がある方、それに準ずる練習や活動をなさってきた方は個々のご経験に応じた指導やセッションとなりますので、「個人レッスン」にお申し込みください。

【今回募集対象】

クラスで扱う分野について初心者または比較的短期間の経験者(目安、1〜2年内)

作品上演や指導などの活動を行ったことがない方(クラス内容と異なる分野・演劇・商業舞踊などの出演経験などは除きます)

【定期クラス参加費】

・8000円(月4回以内=週1ペース)、15000円(月8回以内=週2ペース)、22000円(月12回以内=週3ペース)、29000円(月16回以内=週4ペース)※フリークラスへの振替も可能

・入会金=5000円。

【フリークラス参加費(定期クラス参加の前に一度参加が必要です)

・単発=3500円、4回=11000円、10回=20000円(購入年度内有効)

 


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クラス報告(稽古納め2022)

2022-12-30 | レッスン・WSノート

年末は各クラスそれぞれ踊り納め。その一回一回が、やはり印象深い時間だった。

12/28は今年の〆稽古で《オイリュトミー・クラス》関連記事の日だった。オイリュトミーはシュタイナー教育で有名だが、ダンサーにとっては聴覚と運動感覚を深く結びつけることをはじめ「踊る」ために有効な諸感覚の冴えを促す有効なトレーニングとなる。この日は、さまざまな音を聴きとり動き分ける稽古、そして、七惑星の力や特性を表す動きを紹介し体験していただいた。オイリュトミーのために考案された振りの中でもなかなか美しい動きで、のびやかに出来るようになるとかなり気持ち良い。これはエネルギー循環に関わる体験を重ねてゆく稽古とも言えるし、星の力というのは昔の人には音楽体験にも重なるものだったのだから、これは身体と何かを響き合わせてゆく想像力を育てることにも関わると僕は考える。こちらも

12/27の《踊り入門〜ほびっと村学校・舞踏クラス》関連記事では、18世紀の名女優アドリアナ・ルクブルールを巡る文章とベートーヴェンの弦楽ソナタを踊っていただいた。テキストや音楽を傾聴しながら、非常に丁寧に心境の変化や体の動きを体験していることが伝わってきて、同時に、ある種の鋭さと重みがしっかりと感じられた。ルクブルールは演技の自然さが凄くて評判をとったということになっているけれど、それは身体の感度とか、ある種の直感力が、役を呼び込むとか魂を変異させていたのではないかと僕は勝手に妄想していて、尼僧ヒルデガルトなんかとともに想像広がる人物のひとりだ。リアリティというのはどこからどのように訪れるのか、これはダンサーにとっても非常に重要なことだと思う。踊る体の体験を蓄積してゆくことは、リアリティの回路を開発してゆくことに近しいかもしれないと思うし、このクラスを行うときいつもそこを大事にしている。

遡って、先週12/23は《コンテンポラリー/舞踏クラス》関連記事の踊り納め。ピアノの生演奏を行いながらメンバーとのセッションをするインプロヴィゼーションの稽古日だったのだが、この一年のさまざまな踊りの発露や語り重ねた話題がときにフラッシュバックされるような瞬間が何度かあり、新たな年への気持ちが高まるような感覚があった。このクラスではこの日のように生演奏とセッションする日と楽曲研究の日とが交互なのだが、いつも踊りから誘発されて様々なお話をさせてもらっている。今年は踊りに対するコメントからふくらんで、土方さんやニジンスキーやバランシンのような先駆者についての話もかなりしたが、これは事前に計画した解説というよりは、その場その瞬間に生まれてくるクラスメンバーの即興ダンスが触発したのだから、一瞬一瞬の動きに対する思いは、ごく自然に瞬発的に、やはりダンスの根元への想像力を刺激したり歴史へのリスペクトなどにも繋がり結びついてゆくのだと思うし、これからもっと膨らんでゆく予感がする。

12/24は《創作/振付クラス》《からだづくり・基礎クラス関連記事の2クラスだったが、これはどちらもペースが大事なクラスなので、年末年始という雰囲気とは関係なく、あえて淡々と稽古と講義をして、一人一人とのコンタクトとさせていただいた。タイミングをみて、どんなことをやっているかについても少し掲載したいと思っているが、やはり、ダンスにおいて「作品創作」とか「振付をする・受ける」という行為と「からだづくり」「身体認識」という作業は、切り離すことが出来ない深い関係であるのは、ご想像の通り。作品を育てること、身体をケアして基礎的な力を育て保つこと、これは本当に継続そのものであり何か特別なトピックではなく毎回毎回そこに「いる」ということ自体が定点となるのだと僕は考えている。

さて、ここから。

新年の展開、また楽しみで仕方がない。

 

 

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス :ご案内 

コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

からだづくりから創作まで、初心者から取り組めるレッスンです。

各曜日のレッスン内容や参加方法など、上記クリックしてください。

 

Stage. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

櫻井郁也によるダンス公演の情報や記録を公開しております。

作品制作中に記されたテキストや写真なども掲載しておりますので、ぜひ、ご覧ください。

 

 

 


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レッスン報告(櫻井郁也『踊り入門』10/05、07)

2021-10-07 | レッスン・WSノート

アンゲラ・メルケル氏がドイツ首相を退任されたこともあって、このコロナ禍が始まってまもない頃に彼女が行った演説の一部を、クラスの稽古で声に出して読んでみた。あわせて、このコロナ禍を受けて発された文学者の言葉などいくつかを音読し、それらと相まって響くであろういくつかの音楽を聴き、動いたり佇んだりして、時を過ごしてもらった。

共感もあり反感もあり、入ってくる言葉や音があり、そうでもない言葉や音も当然ある。動こうとする瞬間があり、躊躇いもあり、じっと座って聴き込んでいる時間がある。それぞれが自身の内部空間を見つめていることが、すごく伝わってくる稽古になった。

踊ったあとには、ついさっき耳にした言葉のことや音楽の感想や質問に始まり、やはりこの現在この瞬間を生活しながら思っている様々なことが、話題になり、あっという間に時間が過ぎた。

『踊り入門』(西荻ほびっと村学校・舞踏クラス)のこと。

クラス案内に書いている通り、このクラスでは動きの手本や振付をあえて提示しない。ご自身の気持ちを何か自由な体の動きで表し、必要なアドバイスや対話を重ねてゆく。その蓄積が次第に身体とイマジネーションの関わりを深めて確かな力になる。手本や振付を提示しない代わりにと言っては何だが、毎回なるべく色んな文章や詩や音楽や美術を紹介し、可能な限り様々な話題を持ち込んで、心の動きや体の動きのための環境をつくろうとしている。

見様見真似からではなく、瞬間瞬間の自身の心境の変化をよく味わい、同時に、どうすればその気持ちを体に反映することができるのか、という試みや工夫をたっぷり体験して、それから技術のことや振付のことをお教えするクラスに来てもらうのも良いのではと考え、あるいは定期クラスと並行して原点回帰がいつでもできるようにとの思いもあり、このクラスを開いた。受講者の方々のみならず、僕自身にとっても非常に大事な場になっている。

 

10月の開講予定

 

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Stage info. 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

ただいま前回ダンス公演(2021年7月)の記録をご紹介しております。次回公演情報は、いましばらくお待ちください。

lesson 櫻井郁也ダンスクラス:ご案内  

 

 

 


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息をきく場所(ほびっと村学校のための記事)

2021-04-12 | レッスン・WSノート
 

《踊り入門》というタイトルで舞踏クラスを担当している「ほびっと村学校」のために書いた文章があり、ご紹介させていただきます。

 成果主義にならない、結果を急がない、味わう稽古というか、とにかく「自分なるもの」と思い切り「ゆっくり・緩く・のんびり・じっくり」向き合う、ある意味で実験的なダンスのレッスンを、ここで続けていて、心に残る瞬間に何度も出会ってきました。

 

 

photo=ほびっと村学校(この奥のドアを開けると畳敷きのスタジオになっています)

 

ほびっと村学校と私 第1回『息をきく場所』  

書き手:櫻井郁也(ダンサー、舞踏クラス講師)

  僕にとってここは息をきく場所です。踊りのクラスを開いているせいか、ここに来ると、いろんな呼吸がきこえてくるような感じがしてなりません。きっと、いろんな人の息が染み込んでいるんだと思います。ここには面白い歴史があり、色んな人の気配や温度が残っています。落ち着く場所です。

 自由学校とでも言えばいいのでしょうか、ちょっと寺子屋みたいかも。あるいは道場みたいな、寄り合い所みたいな、いや、そのどれでもなく、そのどれもでもあるのかしらん。ふだんは何かしらの講座やレッスンが行われていますが、トークやミニコンサートにも、プライベートな話し合いなどにも、いいかもしれません。畳のお部屋の白い天井には月や星が浮彫りになっていて廊下の窓は星のカタチ。数人でのんびりするのも良し、みんなで熱気(あ、いまはちょっとがまん?)も良し、という空間です。

 僕がここで舞踏クラス〈踊り入門〉を始めたのは2007年春、前年にポルトガルでおこなったダンス公演とワークショップの指導経験が原点です。遠い国で、人生の一日一日を心から楽しもうとしている人々と出会い、こんなふうに心を開いておおらかに踊り楽しみ合う場を、舞踏が生まれたこの東京にも開きたいなあ、と思ったとき、この「ほびっと村」のお部屋がふとアタマに浮かんだのです。

 「ほびっと村」とは3回出会いました。上京スグ、初めての子育て、そして、上記のクラス開講、いずれも僕には変化のときでした。

 初めて訪れたときは、このビルの階段が気に入りました。1階から3階までの手すりに隙間なく、びっしりと珍しいチラシが吊り下げられていました。あらゆる種類のワークショップの、図書の、映画の、舞台やライブのチラシ。それを手に取って眺めているだけで、ちょっと世界が広がってくるような感覚がしました。

 ネットがまだ無くて「街」が情報そのものだった頃、たしか1983年の春でした。寺山修司が亡くなり、土方巽が最後の舞踏シリーズを始め、新宿では唐十郎の赤テントがまだまだ評判で、芝居も踊りも言論も、いいえ、世の中全体が、良くも悪しくも大きな転換期を迎えていました。

 2回目の出会いは初の子育てのとき。阪神大震災のあと地下鉄サリン事件が起き、世の中がぐらつき始めていたなかで、安全な食べ物をさがし、信頼できる子育てや生活の智慧をさがしたのです。

 そして3回目の出会いがクラス開講です。僕はすでに舞台活動をしながらあちこちでレッスンを開いていましたが、上述の海外経験を通じて、よりユルくて、より振れ巾のある、「教室」というより「踊り場」を開きたくて、ここを訪ねました。

 明確でないもの、あいまいなもの、定まっていないもの、ぼんやりしたもの、めちゃくちゃなもの、だけど、なんだか気になるもの、そのような、ある種のカオスに光を当てることができる場所。泣く人も笑う人も、いっしょくたに居ることを受け止めてくれる空間。いつでもフラリと踊りに来れる場所。

 そんなイメージを勝手に思いえがいて、それでクラスを開かせていただき今に至るのですが、世界はとてつもなく変化し始め、あの東日本大震災をへて、いまこのコロナ禍に直面し、もう大変なことになっております。

 危機をいかに乗り切るか、いかに復活してゆくか、いかに人間らしく手をつなぎ直すことができるか、というこの時期に、あれこれアタマを悩ませながら、この、まとまらぬ文章を書いております。書きながら、思います。ほびっと村学校、この場所で試行錯誤されてきた底知れない学びや遊びや行為や対話について、それらを通じてこの場所に息づいてきた無限無数の思いや言葉について、、、。

 アタラシイ◯◯、とかいう言葉がちまたを跋扈して久しいけれど、世の中はこれからどうなるのかなぁと、すこし不安でもあります。「ほびっと村」も「ほびっと村学校」も、今はとても大変なのですが、これからは、こういう自由のための自由な場所が、本当に必要な時期が来るように思えてなりません。

 コロナがやわらぎ、本当に色んな人が、一人また一人と集まって、真剣に世の中や人間の未来を探して話し合ったり、楽しく学びを広げていくことができる日に向けて、がんばってこの場をつないでいかなければと、とてもとても思います。ぜひぜひ、遊びに学びに、おいでください!! (ほびっと村学校公式HPより転載)

 

 

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演(2021年7月)の開催情報を掲載中です。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

スケジュール・予約   

平日昼間のフリークラス(火・14時)が加わりました。

 

 

 

 


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レッスン報告:『踊り入門・昼クラス』3/02

2021-03-03 | ダンス新作公演 Next performance

 

さて、『踊り入門・昼クラス』(第1第3火曜14時〜16時)が始まりました。

 

会場の〈ほびっと村学校〉は、新宿から中央線で10数分、西荻窪駅のすぐそばですが、

平日の昼間は、とても静かで、ゆったりとした雰囲気です。

 

参加された方と体をほぐしたり基礎運動を行ったりしながらダンスの話を楽しみ、そのあとは、音や言葉から動きを紡ぎ出してゆく練習。

シンプルですが、これが、このクラスの基本展開です。

 

少し動いては話し、少し話しては動き、ということを繰り返すうち、次第に動きが息を得て、どんどん踊ってゆくような方向になり、じっくりと音の受け止め方や、動きと気持ちのバランスなどについてレッスンできて、とても充実した時間を過ごすことができました。

 

やはり思ったのは、ダンスというものがもっている呼吸感や対話感の素晴らしさについてでした。

 

そこに居る人との相互関係からダンスが生まれてくること、踊ることによって気持ちがどんどん変化してゆくこと、それらは、言葉での対話とは少しちがうかもしれませんが、より直感的で、より本能的な、特別な対話だと思います。

 

慣れてくると、そのような、踊る、ということでしか交わし得ない対話というのが、ある、ということがいつしか実感できると思います。

 

それは、すごく貴重な、祖先からの知恵なのではないかというようなことを、僕はとても思います。

 

あの人のダンスはすごいんだとか面白いんだとかいう言い方がありますが、ダンスは個の体から生まれてくるというより、体と何かとの関係から生まれてくるのが、楽しいところとも言えます。

 

音楽や言葉や人や空間から受け止め得た一瞬の体験を、身体から何かしらの形でスッと差し出すときの感覚は、本当に独特です。

 

東京は雨が降ったり止んだりでしたが、窓から入ってくる光の微妙な変化が、身体の動きに、ふと重なる瞬間があり、きれいでした。

 

次もまた楽しみです。

 

『踊り入門』レッスン日程、予約状況

 

 

 

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

舞台活動のご案内です。ただいま次回公演(2021年7月)についての開催情報を掲載中です。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス:レッスン案内 

色々なクラスがあります。ご興味に合わせて踊りに来てください。

 

 

 


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stage photo : Sakurai Ikuya dance solo(櫻井郁也ダンス舞台記録)

2021-02-24 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)

写真は2000年の公演『Cascade』より。

ダンス・ピアノ・サウンドオブジェのためのアブストラクトな作品で、複数分野のコラボやダンスカンパニーへの客演を含めたグループワーク中心の活動から、いまの独舞に専念するようになる、ちょうど境目になった作品でした。

今年2021年は、夏に舞台活動を再開する予定ですが、そこから、何か次のターム、あるいは、変化と挑戦が始まるのだと思います。

コロナ禍による切断によって、見えてきたものもあります。

失ったもの、たに生まれ起こるもの、生み起こすべきもの、予感、予兆、ということも含め、非常にさまざまな事柄を見据えながら、一歩を探っています。

思索の力が試されているような気もします。

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演(2021年7月)についてのご案内です。

前作コメンテーションや舞台写真なども掲載していますので、ぜひご一読ください。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

募集情報 ぜひ踊りに来てください。

・フリークラス「踊り入門」(舞踏の初歩)3月2日より昼クラスstart(第1第3火曜 14時〜16時 西荻ほびっと村)

・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)

・基礎(からだづくり〜ダンスの基本)

・創作(初歩からの振付創作)

・オイリュトミー(感覚の拡大)

 

 

 


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断片2/22

2021-02-22 | 日々のこと(daily)

 

梅の花は、予感の花のように思えます。

何かが変わろうとする強い力が、

あの小さな花に内在してあるように、思えるのです。

 

 

 

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演(2021年7月)についてのご案内です。

前作コメンテーションや舞台写真なども掲載していますので、ぜひご一読ください。

 

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

募集情報 ぜひ踊りに来てください。

・フリークラス「踊り入門」(舞踏の初歩)3月2日より昼クラスも始めます(第1第3火曜 14時〜16時 西荻ほびっと村)

・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)

・基礎(からだづくり〜ダンスの基本)

・創作(初歩からの振付創作)

・オイリュトミー(感覚の拡大)

 

 

 

 

 

 


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断片 2/17 (ミルフォード・グレイヴス氏が、、、)

2021-02-17 | 日々のこと(daily)

 

 

ミルフォード・グレイヴス(Milford Graves)氏が亡くなったことを知りました。

2月13日、79歳とのこと。

 

「スウィングとは、ああ、明日まで生きていたいなぁ、と思えるようになることです」

 

という言葉があったのだと、ある記事に書かれていました。

2018年の映画で語ったという言葉だそうですが、なんて素敵な言葉だろうと思います。

かなりまえに田中泯さんとのセッションを体験したのが、最後でした。

何年前かどうしても思い出せないのに、昨日のことのような感触が残っているのが、不思議に確かで、

揺さぶられる、という、まさにそのような体験で、、、。

ああ。

 

いまあるルールを疑って、もういちど、やりなおしてみること。

いまある価値観を疑って、もういちど、みなおしてみること。

あらゆるものの根っこのところを、

どうなのか、、、。

気がつけば、このごろ、また、そんなことをよく思うようになっています。

 

コロナで世の中が大きく変わっているからなのか、

大切な人が次々に亡くなってゆくからなのか、

はっきりとした理由はわからないけれど、

あらゆるものの根っこのところを、

どうなのか、、、と、

やはり、考えずにはいられない時を過ごしている。

 

あたらしい春の気配が、少し、してきました。

 

 

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演についてのご案内を掲載中です。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

募集情報 レッスン活動を再開しました。ぜひ踊りに来てください。

・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)

・基礎(からだづくり〜ダンスの基本)

・創作(初歩からの振付創作)

・オイリュトミー(感覚の拡大)

・フリークラス「踊り入門」(舞踏の初歩)3月2日より昼クラスも始めます(第1第3火曜 14時〜16時 西荻ほびっと村)

 

 

 

 

 


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断片 2/15

2021-02-15 | 日々のこと(daily)

 

 

踊りにとって、「ひとがひとり、目の前にいる」ということは重い。

多数という観念から自由になってみること、まず、「ひとひとりがひとひとりにかかわる」ということ、

そのようなことを、踊りは教えてくれる。

誰かの前に、きちんと立ってみること。やはり、そこからなのだ。

これは、表現の芯ではないかと思うし、ここからの生活の見直しとも深く関係すると思う。

この1年以上、ウイルスによって社会が揺さぶられているが、ニンゲン見直しのチャンスと思える日々でもある。

未来にとって重要な時期を生きているのだとも思う。

個と個の関わりを見直すべきと思ってきたけれど、いよいよ、時が到来しているようにも感じる。

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演についてのご案内を掲載中です。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

募集情報 レッスン活動を再開しました。ぜひ踊りに来てください。

・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)

・基礎(からだづくり〜ダンスの基本)

・創作(初歩からの振付創作)

・オイリュトミー(感覚の拡大)

・フリークラス「踊り入門」(舞踏の初歩)3月より昼クラスも始めます(第1第3火曜 14時〜16時 西荻ほびっと村)

 

 

 

 

 


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断片2/12(呼吸のことなど)

2021-02-12 | ダンス新作公演 Next performance

稽古のなかでこそ、ハッキリと感じ取れるものがあります。

たとえば、呼吸と踊りの関係です。

クラスの中で、特に呼吸と踊りの関係を感じることが多いのは「踊り入門」や「コンテンポラリー/舞踏」のクラスです。

踊りは呼吸から発生しますが、それ以前に、呼吸そのものはどこから発生しているのでしょうか。呼吸、というより、呼吸意識、という方が良いかもしれません。ここに言う呼吸は生物学的なものだけではないからです。

踊りの稽古を続けてゆくと、いつしか、呼吸から、様々なものが感じ取れるようになる筈です。

まずは落ち着いて息をすることが身につくだけでも心身の変化は始まりますが、呼吸の作用は個体というものを超えて様々なものとの関わり方を変えていきます。

呼吸に対するデリカシーが足りないと、他者の発する言葉や雰囲気に対しても不寛容になりますし、外から訪れる音や誰かの奏でる音楽に対しても、好き嫌いが先に立ってしまったりして、的確に動きがつながるようになって行かない感じが、僕の場合はあります。

呼吸は、自分だけのものではなくて、環境や他者との相互の行為であるように思えます。だから踊りに関係が深いのだと思います。踊りは自分を表現するものというよりは、自分と何かの関係を表現していることが多いからです。

ダンスの動きは、頑張り突っ張る動きではなく、戯れあうような、何かと何かが相対する動き。つまり呼吸としての動きです。そこには、何かを受け入れてゆく楽しみと、受け入れられてゆく喜びが、共存しているようにも思えます。

呼吸は、まず、静けさを聴くことから始まると、僕は思います。

静けさを聴くためには、さて、、、。

 

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NEW stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

次回公演(2021年 7月)についての情報を掲載しております。ぜひ、ご覧ください。

 

lesson 櫻井郁也ダンスクラス 

スケジュール・予約   

緊急事態宣言発令期間中は日程や時間を変更して継続活動します。臨時変更や休講などはこのブログ最初のページに掲示いたします。ご参加日の直前に必ずご確認ください。

※ただいまの期間は、ごく少人数で広く間隔をとった、静かなお稽古となります。ご予約は早めにお願いします。

3月からは、平日昼間のクラスを開始します。ぜひ、ご参加ください。

 

 





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フリークラス「踊り入門」:レッスン報告 1/27.20021

2021-01-27 | レッスン・WSノート

 

レッスン報告が続きますが、、、。

きょうはフリークラス「踊り入門」の開講日でした。

このクラスは、自由に参加し、自由に踊る、ということを通じて、心身を緩め、元気になっていただくためのクラスです。

西荻窪に、〈ほびっと村学校〉という、大人のための学び場があり、体のこと、心のこと、衣食住や子育てのことなど、さまざまな知恵を交わしています。その中の「舞踏クラス」として、このクラスを続けています。

感性のおもむくまま、心のままに、体を動かして交感することは、ダンスの原点とも言えます。

感情がグッと湧き上がり思わず体が動くこともあるでしょうし、どうしたら良いかわからず困ってしまうことや、イメージはあるのに体が反応してくれないこもとあると思います、が、それらいずれもが、体との対話体験なのだと僕は思います。

困ること、考えること、解決にむけて動くこと。これらは芸術の核になるものを与えてくれそうな気がしてならないのです。

ある種のスタイルや方法から一旦意識的に離れて、個々の肉体に向き合い直すこと。

一旦、体ひとつの存在として、土や空気や音や言葉や、何よりも自分自身に、関わってゆくこと。

そのような稽古の積み重ねが舞踏の出発点になると僕は考え、このクラスのレッスンを構築しています。

ひとりひとりが、自分自身から出てくる動きを確かに受け止め、どんな動きにも気持ちを込めてゆく、という稽古を積み重ねてゆくことは、全身に心配りが行き届いたしっかりしたダンスに、必ず結びついてゆくと確信します。

このクラスを始めたきっかけは、ポルトガルでのソロ公演を行った時に同時開催した国際ワークショップでの指導経験でした。それは同時に、舞踏なるものと僕個人の関係を探り直すきっかけでもありました。そのあたりのことは、思うこと多々あるので、またいつか書いてみようと思います。

ほびっと村学校・舞踏クラス『踊り入門』、次回は2月4日。

3月からは昼間のレッスンも追加します。毎月第1第3火曜日14:00〜16:00

ぜひ、ご参加ください。

 

 

 

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舞台活動のご案内です。次回公演の日程は1月末までに発表します。

 

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スケジュール・予約   

緊急事態宣言発令期間中は日程や時間を変更して継続活動します。臨時変更や休講など含め、当日情報がある場合はこのブログ最初のページに掲示いたします。しばらくは、ご来場の直前に必ずご確認ください。

※ただいまの期間は、ごく少人数で広く間隔をとった、静かなお稽古となります。ご予約は早めにお願いします。

 

 

 


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犬の静脈に嫉妬することから(土方巽さんの命日に、、、)

2021-01-22 | ダンス新作公演 Next performance

きょうは、土方巽さんの命日でした。夜『踊り入門』のレッスンが重なりましたので、集まった方々といっしょに、土方氏の文章をいくつか、読み、踊り、味わいました。

氏の文章の中でも、僕の場合、特に惹かれるのが『犬の静脈に嫉妬することから』と題された断章で、この文章を読むたび、痛覚が連動するようで、どうにもじっとしていることができない、生理の奥からの痛いような悲しいような、咽がからからに乾いてゆくような感触がしてなりません。そして、子どもの頃の淀んだ川や粉っぽい空気の記憶とともに、生々しい暮らしの匂いが蘇り押し寄せてきます。いまの東京には居ない犬が、土方氏の言葉の中には低いうなり声をたてながら、じっとコチラを睨みつけているように感じます。昭和44年の美術手帖が初出のようですから、僕が小学校のころです。筑摩の単行本『美貌の青空』にも入っています。上の写真がそれ。装幀は詩人の吉岡実さんです。

土方巽さんは1986年に亡くなり、当時の僕はまだ21歳でしたが、最後になってしまったシリーズ公演を、いまもよく覚えていて、脳みそに染み付いてしまったシーンもあります。あるときは、舞台が交差点のように組まれていたのが、真っ黒な十字架に見えてしまったり、その十字架と田んぼの畦道が、なぜかダブり重なってしまった、という妄想も覚えています。池袋西武のスタジオ200で展開されていました。亡くなられた時、いや、もしかすると、ご危篤という時点だったかもしれないのですが、その場所の廊下に大きな貼り紙がされていたような記憶も幽かにあります。この人が亡くなるということが、ある季節の終わりであるように感じたのは確かです。寺山修司氏が亡くなり天井桟敷が解散したときから数年しか経っていない頃で、なんとなく、ひとつの大きな波が引いてゆくような感じもしていました。

当時は、劇場にも書物にもギャラリーにも、湿り気や暗さや重さを嫌うかのような新しい波が来ていましたが、その波は明るく開放的なのに、なぜか親しくなることができなくて、対して、土方さんの舞台はそれとは真逆で、暗さ重さが極まり、湿度も高い感じだったのですが、ものすごく近しく懐かしい感じがあったのです。

土方氏の公演を初めて観たのは18歳のときでしたが、異様な緊張感に巻き込まれそうになりつつ、その反面、どこか違和感も感じ、その違和感にまた心を動かされる、という、矛盾や混沌がある独特の経験をしました。以来、亡くなるまで、わずかの間でしたが、観れるだけの回を観ました。

異なる肉体、異なる心、異なる存在、というようなものが、非常にくっきりと目の前に在って、それを感じることから、理由はいまだにわからないのだけれど、強い違和感と強い肯定感が同時に湧いてくる、という、非常に独特の感覚を体験しました。そういう複雑な気持ちのまま魅せられ続けた経験は、土方氏の舞台以外では、いまだありません。

土方巽さんの命日。この日が来るたび、何か書きたいと思いつつ、どうにも書けないということが続いております。思いは色々で複雑で、それゆえ、簡単にコトバにすることができないままなのですが、それは、氏の作品や言動が、いまだに僕の心を動かし続けているということなのかもしれません。

コロナ禍の東京の夜を歩きながら、ひしめきあうようにして見つめた、土方さんの舞台の光景を、ふと、思い出します。

 

 

 

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断片01/19(ドナースマルクの映画)

2021-01-19 | アート・音楽・その他

すこし前に、劇場なるものについてちょっと書きましたが、去年からコロナ禍のせいで劇場や映画館に行く回数が非常に減ってしまいました。今年はどうなることかと、気持ちがざわざわしております。

コロナ禍が始まって以来、仕事で劇場に行く回数が激減したこと以上に、観客として劇場に行ってナマのダンスや演劇や音楽を味わう機会そのものが非常に少なくなったのは精神的に打撃でした。

その反動なのか、さまざまな方法で、まるで学生時代のように、観れるだけの映画を観ました。が、観るたびに少し空虚を感じもしました。

モニター画面の向こうで大きな音と眩しい光による世界が展開すればするほど、かえって、いま目の前にも隣にも「誰もいない」ということを感じてしまい、この現在の状態、人と人の関わりに制限がかかってしまった現実を、かえって思い直してしまうのでした。

映画を観たと言っても、配信のものを自宅受像機で眺めるのと、映画館に行って観るのでは「場」がちがいます。

昨夏あたりはひととき少し映画館も行きやすくなり、大きなスクリーンや良い音響のせいもありますが、それ以上に、やはり、見知らぬ他人同士が同じ空間で同じものを観ている、という共有感や温度から生まれて来る「場の力」が、作品と絡まりながら心に働きかけてくるのを実感しました。

ところで、映像は「不在」と隣り合わせなのではないかということを、虚しさではなく非常に深い感動に結びつけたのは、フランスのマルグリット・デュラスとポーランドのイエジー・ハスではないかと僕は思っているのですが、近年では、そのような方向を感じる経験には、まだ恵まれません。

それでも、胸に迫る経験を与えてくれたのが、現代美術家のゲアハルト・リヒターがモデルと言われる『Werk ohne Autor ある画家の数奇な運命』という映画でした。昨秋に銀座で鑑賞しました。傑作と思います。

この作品の監督はフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクという人で、東独のシュタージを巡って展開された『善き人のソナタ』で有名になった人ですが、この作品では、ものすごく心理的で繊細なセンスが全カットで感じられ、美しい映像の向こう側からは常に死者の声が聞こえてくるようでした。

人間の暗く切実なものが映し出され、ひりひりするような緊張感と危機感が発され続けるのでした。重厚な、3時間を超える映画でした。

ナチスによる退廃芸術展の再現に始まる冒頭シーンは強烈なインパクトで、それを観た幼い子どもが成長して世界的な美術家に成長してゆく物語がシナリオなのですが、その描かれ方が非常にラジカルで、シナリオの根底に横たわっているであろう語り尽くせない恐ろしい人類の悲劇と不安と怒りが深く深く轟いていて、ものすごい重圧で迫ってきました。

ホロコーストに関わるシーンでは、子どもには見せられない、心に穴があくほど凄惨な描写もありますが、それを超えるドラマが、ひたひたと波打ち続ける時の流れは圧巻で、生命の問題と愛の問題と社会の問題が、怖いほどリアルに混在して迫ってくる感じがあり、観ながら、そして、観終えて、この現代に生きるということの意味深さについて、重く重く考えさせられました。

リヒターとヨーゼフ・ボイスとの関係の描写は本当に感動的で、僕自身がボイスの芸術に出会った衝撃や、リヒターの実物を初めて見た日の衝撃を、あらためて思い出しました。

たとえば、新宿のワコー画廊で紹介されたリヒターの作品を目の当たりにして、あらがえぬ引力により、その場を立ち去りがたくなってしまった経験を、たとえば、青山の草月会館でのボイスの姿と声と存在感と会場の異様なざわめきを、思い出しました。

ある芸術作品に初めて出会う、その時の引力の、その時の衝撃が、この映画をみていると、蘇り、同時に、腑に落ちました。

芸術、と呼ばざるを得ないもの(あーと、とか、ひょうげん、と言い換えるのではなく)が生まれてくることへの畏敬と、現代的なメッセージが見事に重なって響き合う映画ではないかと思います。先に上げた『善き人のソナタ』の印象とも合わせて、ドナースマルク監督という人に興味を抱きました。

 

 

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急な事態による臨時休講や臨時変更などがある場合は、当ブログ最初のページにて告知いたします。しばらくは、稽古の前に必ずご確認ください。

・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)

・基礎(からだづくり〜ダンスの基本)

・創作(初歩からの振付創作)

・オイリュトミー(感覚の拡大)

・フリークラス『踊り入門』(ほびっと村学校「舞踏クラス」)

 

 

 


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1月のレッスンについて(緊急事態宣言による時間変更)1/10最新情報

2021-01-10 | NEWS : お知らせ

 

1月のレッスンについて(緊急事態対応のお知らせ)

 

①「定期クラス」▶変更あり

=このたびの緊急事態宣言を受け、1月13日(水)開講分より2月7日までのあいだ、当方主催の「定期クラス」につきましては、夜間のレッスンを18時過ぎから開始し「20時には終了」とさせていただきます。昼間のレッスンは予定通りです。会場や時間の詳細を調整し、12日(火)までにスケジュールの再編成ののち、あらためて当ページにて開催日の告知をいたします。(月謝会員の方には詳しいご連絡を個別メールにていたしますので、ご確認ください。)

櫻井郁也ダンスクラス 

クラス予定&予約状況

 

「ほびっと村学校・踊り入門」▶変更なし

ただいま予定しているクラスは全て、状況と測り合いつつ、予定通りの通常開講を継続いたしますので、いつも通りにご参加ください。状況により変更がある場合には当ページに掲示いたします。

今月は、1/12火、21木、26火。予約は下記よりお早めにお願いします。

西荻ほびっと村学校:舞踏クラス日程

ほびっと村学校:予約・空き状況

 

※開講するクラスは全て、ごく少人数で広く距離をとった、静かなお稽古となります。参加の予約は早めにお願いします。

※全く初めての方は、宣言解除まで参加をお待ちいただくことがあります。

※ご来場時のマスク、手の消毒、換気など、感染予防にご協力ください。消毒液は会場に常設いたします。

※コロナ状況や天候不順などにより、変更や休講がある場合には、当ページに掲示いたします。ご来場の直前に、いま一度ご確認ください。

 

 

 

 

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stage 櫻井郁也/十字舎房:公式Webサイト

舞台活動のご案内です。次回公演の日程は、今月下旬までに発表します。

 

 

 

 

 


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