稽古のなかでこそ、ハッキリと感じ取れるものがあります。
たとえば、呼吸と踊りの関係です。
クラスの中で、特に呼吸と踊りの関係を感じることが多いのは「踊り入門」や「コンテンポラリー/舞踏」のクラスです。
踊りは呼吸から発生しますが、それ以前に、呼吸そのものはどこから発生しているのでしょうか。呼吸、というより、呼吸意識、という方が良いかもしれません。ここに言う呼吸は生物学的なものだけではないからです。
踊りの稽古を続けてゆくと、いつしか、呼吸から、様々なものが感じ取れるようになる筈です。
まずは落ち着いて息をすることが身につくだけでも心身の変化は始まりますが、呼吸の作用は個体というものを超えて様々なものとの関わり方を変えていきます。
呼吸に対するデリカシーが足りないと、他者の発する言葉や雰囲気に対しても不寛容になりますし、外から訪れる音や誰かの奏でる音楽に対しても、好き嫌いが先に立ってしまったりして、的確に動きがつながるようになって行かない感じが、僕の場合はあります。
呼吸は、自分だけのものではなくて、環境や他者との相互の行為であるように思えます。だから踊りに関係が深いのだと思います。踊りは自分を表現するものというよりは、自分と何かの関係を表現していることが多いからです。
ダンスの動きは、頑張り突っ張る動きではなく、戯れあうような、何かと何かが相対する動き。つまり呼吸としての動きです。そこには、何かを受け入れてゆく楽しみと、受け入れられてゆく喜びが、共存しているようにも思えます。
呼吸は、まず、静けさを聴くことから始まると、僕は思います。
静けさを聴くためには、さて、、、。
_____________________________________
次回公演(2021年 7月)についての情報を掲載しております。ぜひ、ご覧ください。
※緊急事態宣言発令期間中は日程や時間を変更して継続活動します。臨時変更や休講などはこのブログ最初のページに掲示いたします。ご参加日の直前に必ずご確認ください。
※ただいまの期間は、ごく少人数で広く間隔をとった、静かなお稽古となります。ご予約は早めにお願いします。
※3月からは、平日昼間のクラスを開始します。ぜひ、ご参加ください。