櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

新作解題(全文):櫻井郁也ダンスソロ2024,7/13-14

2024-05-18 | ダンス新作公演 Next performance

新作解題

心臓法則⇄HEART LOW

webサイト詳細告知の開始に合わせて解題を掲載します。

 

 新作公演(7/13-14)のタイトルは『心臓法則』、英題は”HEART LOW”。いづれも僕の造語で、稽古中にメモした言葉から音や形を拾って組んだ。

 心臓=生存核、そこでは、何かが始まり、衰弱してゆく。低いつぶやき。きざみ、ずれ、狂い、転倒してゆく、音楽法則。未出現の存在たちが、命の時間と偶然について、、、、(ノート抜粋)

 ステートメントにも引用したメモだが、ここから、心臓、法則、低さ、という3単語を貼り紙のように並列した。この3つの言葉に感じたリズムや形が気になり、ブリコラージュして題名にした。日本語に反映したのは物質性、臓器としての心臓に対して形のない潜在的な何かとしての法則。質感、リズム、すべて漢字で。英語に反映したのはやや動きのある心臓的感覚、あるいは形のない心としてのheartと、心臓の低い音や減速感を思わせる低さ最低値としてのlow。心の最低値か、生存最低値か。秘密にしておく、という意を含むこともできるのか。同時に、このlowは法則(principleやtheorem)とは異なるが似た言葉である法(law)への遊戯的変形ともなり、the hearts lawに近づくと心臓法あるいは心の法律の出現か。hearts row 、raw heart、row raw law low、などなどいろんな音を呼ぶ。lowは減衰と秘密をさそい、lawは法にして、rowは列であり続きゆくもの、rawは生々しいリアルなものやことにつながり、いづれも心臓にどこか繋がり。結局、表記に決め、こちらは音感と図形感で大文字だけ。

 今回、踊りが先行して言葉が追いかけてきている。社会状況からも、私的な状況からも、そして自身の身体感覚の変化からも、命のことを思う機会が急速に増える。そのなかで踊りを探っていることもあり、消えゆく瞬間を捉えようとするのか、稽古するたび短い言葉が積もってゆく。コンセプトから形式が導かれるのとは別に、身体から表出されるものと言葉が、追いかけ合い、重なり、変質し合う。ということが多い。イメージからダンスができるというより、ダンスがイメージを呼ぶというのか。本作と前作の対照的なところかもしれない。思わず書いた言葉の積層が、散らばり溶け出し、音や文字が分解されたり組み合わされたりして、別の妄想を生み、さまざまな思いや体感に響きはじめる。

 題をつけたが、これはプロセスの一つ。導火線だ。上演まで続く作業のなかで、イメージも踊りも、どう変わってゆくだろうか。胸が騒ぐ。ここから。

 

 

 

⬇︎ 公演webサイト ⬇︎ click  

https://dance-sakuraiikuya-stage.localinfo.jp/

 

lesson.櫻井郁也ダンスクラス

レッスン開講中。踊ってみたい方はぜひ!

 

 

 

 

 

 

 

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