アリス・イン・ワンダーランド

この前観て来ました。

正直に言うと、小さい頃に観たディズニー映画の「不思議の国のアリス」はあの奇想天外なキャラクターとお話が生理的に合わず、どちらかというと嫌いな作品でした。（同様に「くまのプーさん」のプーさんの夢の中のシーンや「ダンボ」の夢？のシーンも苦手でよく早送りして観ていました）


そのイメージが強いためあまり乗り気ではなかったんですが、初の3D映画ということでまあその体験ができればいいやという気持ちで行ってきました。

3Dの技術には確かに驚かされます。雨粒の一つ一つまで立体的に見え、画面奥からこちらに向かってくるものなどは思わず体が避けようと動いてしまいます。小さい頃に体験した3D映像と比べると確実な進歩が感じられました。
ただ難点はやはり3Dメガネでしょう。映画館の使い回しのなので仕方がないのですが、細かい傷が目立ち見えにくい部分がありました。またメガネは色がついてますので映画そのものの色も暗い色になってしまいます。せっかくの発色がダメになってしまうのは非常にもったいない。
また、スクリーン内が立体的な分、枠外の空間が通常映画より気になりました。3D映画の感動を余すところなく体験するならば視界をすべてスクリーンにいれる必要があるので、真ん中以降の席では十分に効果が得られないと感じます。
それと当然ですがメガネをかけていると装着できないので、うっかりメガネで行った私は仕方なく裸眼で観ることになりました・・・

お話の方は・・・
キャラクターもストーリーも比較的（きちんと理解できるという意味で）常識的で、小さい頃に感じた不快感はほとんどありませんでした。


しかし、もう端的に言って平々凡々そのもの。
特に盛り上がるシーンもなくエンディングを迎えてしまいました。


（以下一部ネタバレ注意）



そこで、面白くするにはどうしたらよいかと考えてみました。

なにが気になるかと言えば、一番はやはり結末。序盤の描写から、最後にはアリスが夢の世界から完全に脱却し、現実と向き合えるように成長しましたっていうのを期待していたのですが、なぜか夢の国も残ってしまいいつでも戻れるよという消化不良の結末。
夢の国は幼いアリスが生み出した現実逃避の手段であり、それに打ち克ってこその成長だと思うのですが、どっちつかずの結末ではそのあたりがはっきりしない。子供向けに「夢は終わらないよ」ということを残したいなら、ここでアリスは夢に勝ちワンダーランドは消えましたが、アリスの心次第ではいつでも復活しますよってことでいいじゃないかなと感じます。（現実に向き合ったアリスには今後様々なストレスがかかることでしょうし、その一時的な逃避場所として必要かと）

つまり今作では現実に向き合うためワンダーランドから脱却しようとするアリスとワンダーランドを守る住人との戦いが私は見たかったのです。
そうするとラスボスはもちろん白の女王であり、ハッターはアリスを引き止めるために白の女王に操られている存在がいい。

そこに結末を置くと、ハッターは赤の女王の騎士（名前忘れた）との戦いで戦死し、死の間際に白の女王の呪縛が解けアリスが現実に向き合うようになるきっかけとなるのはどうだろう。
終盤のハッターはまったく必要ないばかりか、決闘に横槍を入れてどちらにとっても犠牲を最小限に抑えられた一対一の勝負をぶち壊すなど邪魔でしかありません。

ハッターの仇のため赤の女王を討ち、その後ワンダーランドの維持のため、また世界を創造できるアリスの力を我が物にしようとする白の女王の奸計を見破り、これを打破する。

そもそもうさんくさすぎる白の女王が本当にただの善人で終わってしまったのが拍子抜けなのです。

細かいところでは、あの剣（名前忘れた）のすごさ・あの剣じゃなければ怪物（名前忘れた）を倒せない理由の描写をしっかりさせ、戦闘経験のないアリスが怪物を倒せる説得力を持たせて欲しかったです。それがないから怪物を倒したときもご都合主義を感じてしまいます。
それと赤の女王はもっと残虐非道でいい。正体をあらわした白の女王はそれ以上に。もうここでこいつを倒さないと現実世界にまで影響を及ぼしてくるって感じで。


・・・いろいろと書きましたが、映画をほとんど観ない私の感想ですしあんまりあてにはならないかと思います。

3D映画を体験するということで、1500円はまあ許容できる範囲かなと思いました。
チシャ猫は本当に可愛かったですし！

結局観に行かなかったけど「アバター」はどうだったんだろうな～。