京丹後市の方々から声がかかり、ふたたび間人(たいざ)を訪れてきた。今年の冬から初春にかけての間人しか知らなかった目に、秋の間人はさらに新鮮に映った。
今回は、暗くなるまで間人の路地を自転車で走り回った。それなりのアップダウンと、路地を抜け切ったときに現れる空間の面白さは、きっとサイクリストにも大受けするだろう。
以前の記事で「間人の人間になってみる」というキャッチフレーズを示したことを書いた。今回の訪問では初めて会う方もたくさん居たが、その発言を聞き、振る舞いを見るにつけ、このフレーズに込めた想いは、確信に近いものとなった。
“ここは特別なカンジがする”という発言で、カメラマンの小川博彦さんと息が合った。特にこの地では、西暦1000年以前のエピソードが多い。東海道筋の歴史ネタは戦国時代のものばかりだが、ここは違う。なにしろ、聖徳太子の母がここに居たのだ。
まるで天空の城ラピュタに出てくるような遺跡。木の家が整然と立ち並ぶ街並。神社へと長くまっすぐ伸びる美しい参道と高床式の神社建築。誰が見ても驚くような圧倒感はないけれど、そこそこ感・ほどほど感の極み、と言ったらよいのだろうか。少なくともわれわれには、再訪というより繰訪(そうほう)の意欲が高まったままだ。