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自然回帰マーチャンダイジング

-地域-自然-デザイン-商品-生活-を繋ぐ遊び場・仕事場から

ふたたび、京丹後へ

2008-10-31 23:57:55 | 自然回帰の旅

 京丹後市の方々から声がかかり、ふたたび間人(たいざ)を訪れてきた。今年の冬から初春にかけての間人しか知らなかった目に、秋の間人はさらに新鮮に映った。

 今回は、暗くなるまで間人の路地を自転車で走り回った。それなりのアップダウンと、路地を抜け切ったときに現れる空間の面白さは、きっとサイクリストにも大受けするだろう。

 以前の記事で「間人の人間になってみる」というキャッチフレーズを示したことを書いた。今回の訪問では初めて会う方もたくさん居たが、その発言を聞き、振る舞いを見るにつけ、このフレーズに込めた想いは、確信に近いものとなった。

 “ここは特別なカンジがする”という発言で、カメラマンの小川博彦さんと息が合った。特にこの地では、西暦1000年以前のエピソードが多い。東海道筋の歴史ネタは戦国時代のものばかりだが、ここは違う。なにしろ、聖徳太子の母がここに居たのだ。

 まるで天空の城ラピュタに出てくるような遺跡。木の家が整然と立ち並ぶ街並。神社へと長くまっすぐ伸びる美しい参道と高床式の神社建築。誰が見ても驚くような圧倒感はないけれど、そこそこ感・ほどほど感の極み、と言ったらよいのだろうか。少なくともわれわれには、再訪というより繰訪(そうほう)の意欲が高まったままだ。

旅の終わりに

2008-10-01 23:02:53 | 自然回帰の旅

 アメリカ大陸への上陸は初めてだった。異国の地で釣りをすることは、子供のときには想像すらできなかった。感慨深いものがあったのは、“釣りが全てを繋げてくれた”ということだった。浜野さんとの出会いもそうだし、今の仕事に携わっているのも(グレートネイチャーとは言い難いけれど)日本の山里に生まれ、暮らしたことで醸成された自然観があり、そこからの導きがあったからだろう。

 VEGAというビジネスマガジンに「しずおか自然回帰の旅」というコラムを2年ほど寄稿してきたが、自然回帰の旅は、そこへ次に誰を導くか、が重要なテーマなのだということを、今回の旅であらためて思い知ることになった。

 さぁ、来年のワイオミングには誰が一緒に行きますか?

自然再生産の実感

2008-09-23 18:29:44 | 自然回帰の旅

 ルイス・リバーでのひとコマ。倒木のある浅瀬をそっと横切ろうとして水に浸かると、小魚たちが逃げ回った。日本の場合の多くが、鯉族の稚魚が群れている状態に対して、イエローストーンではその小魚たちに鱒族の証しである“パーマーク”がしっかりとついていた。これは、ブラウントラウトの稚魚だ。

 ひと口に自然再生産といっても、そのサイクルを脅かす要因が、日本の川にはたくさんあり過ぎる。ダムや堰堤。わがままな釣り人。あってないような遊漁レギュレーション。怠慢な漁協経営。ハードしか管理しない河川行政・・・。

 それに対して、なんというおおらかさだ。ごくフツーに、鱒の自然再生産が行われるであろう川環境の中で、フライフィッシングができることのシアワセ感。日本の川で、悲壮感をもって釣りをしているのとは大きな違いだ。

 日本での釣り師の会話は、いかに出し抜くか、いかに良い場所を確保するか、に長い時間を費やしている。そんなことよりも、もう一度セオリーを思い出し、素直に、おおらかに、鱒たちと遊んでもらうことの悦びを、カラダいっぱいに実感できるというのは、なんと素晴らしいことだろう。

どこに、どのように佇むか

2008-09-20 19:18:10 | 自然回帰の旅

 1週間の滞在期間は、浜野安宏さんの別荘で快適に過ごさせていただいた。乾いた空気が澄みわたるこの地は、標高は2,000m。日中は25℃を指していても、早朝はかなり冷え込んだ。濡れたウェーディングシューズが凍っていたほどだ。

 別荘は、グランドティトンがより美しく見える場所に、周囲のゴージャスな別荘建築とは一線を画していた。ご覧の画像の通りだ。

 どうだろう、この馴染み方。抑制の効いた佇み方。

リゾートのあり方

2008-09-12 23:11:08 | 自然回帰の旅
 
 ジャクソンレイク・ロッジの玄関に着くと、浜野さんはこう言った。「この階段をあがってごらん。リゾートのあり方のお手本だ。とにかく階段を上ればわかるから」階段を一歩づつ踏みしめてロビーに上がっていく。

 正面の、それは大きなガラス越しに、グランドティトンがバシーッと見えてきた。「上ればわかる」の意味がすぐにわかった。見事な借景。しかも、グランドティトンが自分のもののように感じられる強烈な光景が、室内空間に拡がっていた。

 日本のリゾートや宿泊施設のつくり方が、本来はメインに据えるべき美しい風景に対し、背を向けて建てられている場合がいかに多いかを痛感することになった。

 リゾート、かくあるべし。


ワイオミング~モンタナへ

2008-09-09 23:10:45 | 自然回帰の旅

 浜野安宏さんを掛川に招いたことで、「天才の誘致」「感覚学校」というコンセプトを得て、われわれのNPOは、ライフスタイルデザインカレッジを開校することができた。

 浜野さんが、立命館大学の学生たちのテクニカルビジットをご自身の別荘があるワイオミングとモンタナで開催すると聞き、同行させていただきたいと申し出てから3年目。この夏にようやく訪問することができた。

 ここは、モンタナのアースシップ。この前にビーバースプリングスという湧水の釣り場がある。アースシップを見学し、「日本の里山版アースシップをつくろう!これをカレッジヴィレッジにするぞ!」と、つい声が出てしまった。

 ここ数回で、光栄にも浜野さん直々にガイドしていただいた、今回のワイオミング~モンタナの旅を紹介していこう。

丹後からやって来た二人

2008-06-06 20:25:33 | 自然回帰の旅

 今年になってから縁ができた京都の丹後半島から、タケチャンファームの野木さん、旅館炭平の本末さんがやってきた。約1日半、掛川の資源をみっちりと案内し、掛川の仲間をごっそりと紹介し、濃密な時間を過ごしていただいた。

 案内をする中で、多くの来訪者が唸るのは、この上垂木にあるかつての庄屋屋敷。立派な長屋門のある家を少し遠めに紹介すると、たいていの人が感嘆の声をあげる。

 京丹後と掛川の共通点があるとすると、著名な観光地ではないことだ。観光地ではない土地を、われわれの流儀で、野木さんと本末さんをもてなしてみた。二人の率直な感想を聞いてみたい。

 

ライフスタイルデザインカレッジが始まる

2008-05-12 21:06:13 | 自然回帰の旅

 2008年度のライフスタイルデザインカレッジ募集要項がようやく完成しつつある。

http://ldc2008.seesaa.net/

 昨年度との違いは、7月にスタートして翌年6月にファイナルを迎えるというスケジュールに変更したこと、アクティビティプログラムの多くを通年型にしたこと、アクティビティプログラムに、地域を愉しむ半日の旅をプログラム化した“ハーフデイトリップ”が加わったこと、ベーシックプログラムに“里山を愉しむ”という通年のテーマを設定したこと、などである。

 昨年度は、遠く東京や滋賀から参加もいただいた。もちろん今年も、全国から受講者を募集しているので、ぜひドアをノックしていただきたい。

ヤマトイワナに出会う旅

2007-09-18 11:13:24 | 自然回帰の旅

 掛川ライフスタイルデザインカレッジのフライフィッシングプログラムでは、年に一度、必ず大井川源流へ遠征することを決めている。今年は7月に予定していたものの、台風のため催行できず、9/16-17に延期した。

 受講生・講師・コーチ・スタッフを合わせると、なんと16名という大規模の釣り集団。なんとか分散して入渓し、参加者全員が、自分のフライにイワナが出てくるさまを目の当りにすることができた。もちろん、初めてイワナを釣った方もいる。大きなイワナをフッキングできたが、足元でバラした方もいる。

 4月からスタートし、キャスティング、タイイング、自然観察、マナー、アプローチ、プレゼンテーション、フッキング、リリース、といったフライフィッシングの思想と技術を体得していった受講生たち。ヤマトイワナは、彼らをキチンと迎え入れてくれた。

 静岡県の中央部が北に尖った地図を思い出して欲しい。この地に暮らしながら、いったいどのくらいの人があの地に足を踏み入れたことがあるだろう。南アルプスの清冽な水とヤマトイワナに出会う旅は、人間の中にある自然を呼び覚まし、自然に対する作法を確かめる旅でもある。