「JCダート・G1」(12月5日、阪神)
積極的な路線変更が怖い。ダート初挑戦のアリゼオだが、芝では1800メートルのG2を2勝。距離適性は抜群で、血統背景から砂もOKだ。賞金を十分に保持しながら、あえて芝ではなくダートに矛先を変えてきた。「1回使ってみたかったんです。いきなりG1というのは確かに気掛かり。でも今年は不動の王者がいないから」と橋本助手は勝算あっての参戦を強調する。
芝の重賞を2勝。春はクラシックで奮闘するなど、芝路線でトップ級の能力を示してきた。ただタイプ的に切れる馬ではなく、毎日王冠Vも稍重馬場。父シンボリクリスエスという血統背景、500キロを優に超える馬体には潜在的な砂適性も強く感じられる。「気性的に砂を嫌がるとかもないと思う」。勝ち気で前向きなアリゼオなら、初ダートで力を出し切ることも可能だ。
中間も順調に調教をこなし、天皇賞・秋(14着)の反動は見られない。「状態は問題ありません。秋は馬体が増加傾向だけど、輸送で絞れてくるはず。あとは初めての長距離輸送がどうか。落ち着きさえあれば楽しみです」。芝路線を生き抜いてきた底力で混戦G1を切り裂く。