COCCOLITH EARTH WATCH REPORT

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61回目の終戦記念特集番組の雑感と、再放送予定について

2006-08-17 12:37:23 | Weblog
テレビ番組情報(8月22~29日)は前の記事です。

 新たに見つかった資料や、やっとの思いで語り始めた関係者の証言をもとに編成された満蒙開拓、日支事変、硫黄島玉砕等の特集番組が放送され、昭和史で隠されていた部分が明らかになり始めた。番組中に散見された時の指導者・ルーズベルト、スターリン、蒋介石、ヒットラー等の虚々実々の思惑も、戦時外交の複雑さを感じさせた。戦後の日中間の戦争責任・歴史問題についての特集番組も組まれた。
 日本は石油や兵器製造原料を米国から輸入していた。米国は中立法で交戦当時国への戦略物資輸出を禁じていた。それゆえ、日支事変(実質は日中戦争)は戦線布告なしに進められた。明治以来の天皇の宣戦詔書には国際法遵守が記されていたが、それ無しに起こった戦いゆえに、捕虜の人道的扱いを求めたハーグ陸戦法規の制約を受けないとの論理がまかり通った。背景に他国民を自国民と同じ目線で見ない偏見があった。硫黄島では大勢が決した後も、投降せずに洞窟にこもった日本兵の排除に難渋した米軍のとった作戦は、記述するのもおぞましいものだった。旧日本軍部の暴走を制止できなかったことが、他国民は勿論、自国民にも大変な災厄を招いた。今も絶えない軍事先制攻撃への傾斜、言論と思想の自由の弾圧、人種的偏見などが何をもたらすか、日本は学んだ貴重なレッスンを、もっといろいろな形で世界に発信できるのではないか。
思い立って千鳥が淵の無名戦没者墓苑を訪れた。周辺の高いビルに見下ろされ、千鳥が淵の堀をまたいで走る高速道路の騒音が絶えない。引取る遺族のない35万余の遺骨を納めた場にしては粗末に感じた。1人1本ずつは無理にしても、沢山の追悼記念樹を植えた森林公園で、訪れた人が世界の平和について思いを巡らせるような雰囲気が欲しい気がした
以下は関連ある再放送予定番組のリストである。
1. 日中は歴史にどう向きあえばいいのか(8月18日 01:10-02:40 NHK総合)
2. 満蒙開拓団はこうして送られた~眠っていた関東軍将校の資料~(8月25日 01:10-03:00 NHK総合)
3. 硫黄島 玉砕戦~ 生還者 61年目の証言~(8月26日 01:10-02:05 NHK総合)
4. 取り残された民衆~元関東軍兵士と開拓団家族の証言~(8月18日 22:10-23:00 衛星第一)

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