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都市の住民にとって森林は縁遠い存在に思えるかも知れません。ところが森林は木材や燃料の供給元としてばかりでなく、水資源、土壌、生物多様性の保全や、訪れてリフレッシュされる保健文化効果など様々なサービスを提供してくれています。日本の国土の67%は森林で、先進国の中では稀有の存在ですが、木材自給率は28%(2012年値)で、食糧自給率40%とともに、先進国の中で飛びぬけて低い数値に留まっています。経済成長で日本は世界で有数の豊かな国となりながら、自国の恵まれた自然を活かした一次産業が著しく衰退している状況の現れと言えるでしょう。欧米型グローバル資本主義の行き詰まりと気候変動の激化は、あらゆるものが経済原理で解決できるとの考えを問い直し、それぞれの地域の自然を活かし、持続可能な循環型社会の構築を目指すべきことを示唆しています。
藤森さんは京大農学部林学科を御卒業後、森林科学研究所で職を全うされ、御退官後も現場に密着した林業の研究と指導に邁進を続けておられます。2016年に藤森さんは「林業がつくる日本の森林(築地書館 2016、A5版 約200頁)\1,800」を出版されました。藤森さんは、次世代以降の人々を考えた森とのつき合いを根幹とする大地に根差した持続可能な生き方、我が国がそんな生き様がにじみ出た誇りを持てる美しい国であることの願いを込めて執筆されたそうです。
詳しくは著書をご覧いただけますが、手っ取り早く藤森さんのお考えを聴けるやり方をご紹介します。藤森さんは、9月毎木曜日の12時45~13時00分にFM世田谷で放送の「私歳時記」に出演されました。番組は、藤森さんの著書に触発された世田谷の建築業で番組スポンサーの伊佐ホームズ社長伊佐 裕さん、番組進行役の吉田真奈美さんとの鼎談(ていだん、3人で向かい合って話すこと)でしたが、視聴できなかった方々が多数おられると考え、藤森さんと伊佐さんのご了承をいただいてインターネット上の情報保存サービスDropboxを利用して、大勢の方々に何時でも何処でも何度でもご視聴いただけるようにしてみました。その利用の仕方を説明します。青字の部分をクリックすると下図のようなウインドウが開きます。画面左下隅に見える▶をクリックしていただくと音声が流れます。プラウザウインドウ左上の戻る矢印(←)をクリックすれば元の画面に戻ります)。
第1話
森林専攻を選んだ藤森さんの生い立ち、木材生産以外に森林が提供してくれる様々な環境貢献、第二次大戦以降の日本の林業を襲った大きな波と現在の林業不振の原因、陸上の最大の資源である森林と上手に付き合っていくことの大切さなどが語られます。
第2話
人が年取って行くように森にも若い森、年取った森があること、木材生産と環境貢献は森林の加齢に伴ってどのように変わっていくか、土壌生産や水源涵養の仕組みなどが語られます。
第3話
林業家、製材業、工務店からなる会社の設立、生産者から消費者のつながりの拡大、関連分野の人々との共同作業で期待される幸せ感、木材産業の発展で増す山の豊かさの地球環境問題への貢献、若い林業家育成の大切さなどが語られます。
第4話
最終回は、林業国ドイツで森林の管理、木材の等級評価と取引の調整、市民のマナー教育などに当たり、国民の尊敬の的になっているフォレスター(森林官)という資格についてです。日本でも森林総合監理士(日本版フォレスター)という資格制度はありますが十分なものとは言えません。日本でもドイツのフォレスターのような人材を育てて、しっかり働けるようなシステムを作って行く必要性を強く感じさせます。
総集編
4回分をそれぞれ別々にアップロードしたサイトをお知らせしましたが、2回目以降から冒頭部分を省いて繋ぎ合わせた総集編を作りました。時間が40分弱と長くなりますが、続けて聞いた方が全体像をつかみやすいかも知れません。適宜ご利用ください。
伊佐ホームズ私歳時記のホームページでの視聴について
伊佐ホームズ私歳時記のホームページにアクセスすると上図のようなウインドウが開き、これまで番組で放送された全てを視聴することができます。
最初に聴きたい出演者を選び(赤矢印1)、次に何回目の番組を選び(赤矢印2)、最後に赤矢印3が指しているアロウヘッドをクリックすると音声が聞えてきます。
つきましては、空メールを送信願います。
東京農業大学造園学科卒30
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