SEIKYO online (聖教新聞社):「新しい船を進水できたんだよ」と、岩手・三陸の漁師から知らされた。
「新しい船を進水できたんだよ」と、岩手・三陸の漁師から知らされた。大震災の津波で、船も、養殖棚も、全てを失ったが、「辞めるのは楽だ、進むしかねえ」と歯を食いしばってきた同志だ▼今期のアワビ漁では、浜一番の収穫だった。運が良かったと照れたが腕が光る。新米のころは、獲物を取りにくい場所で漁をするしかなかったという▼「それが良かった」と彼。常識にとらわれない、独自の漁法をあみ出すことにつながった。彼の船の水揚げに、仲間が目を見張った。その後も、祈っては知恵を湧かせ、常に”新しい工夫”を施した。「浜で学会員はうちだけだから、一番の実証を示したいのさ」▼広布の活動でも祈り、知恵を絞る。「”座談会の参加者が少ない”と嘆いていてもだめだ」――地区部長として、どうすれば皆が来たくなるかアイデアを出し、「笑い」があり、「ためになる」集いに。万全の準備と努力を重ね、回ごとに参加者が増えた▼苦境が人を磨くという。だが、潮焼けし、皺の深く刻まれた顔で、とつとつと「今でも夜になると涙があふれてくる」と語る姿に、新造船の喜びの陰には、言葉にできない激闘があったことを知った。被災者の一日も早い復興を祈らずにはいられない。(應)
間もなく震災から2年。
先日のボランティアで山元町を訪れた折、隊長から「被災地の方は、もう2年経った…という言い方はして欲しくないと言っていた」と聞きました。
地域によって格差はあるでしょうが、まだまだ復興が進まないように思われる現状ですから、これからも寄り添っていきたいと思います。