朝ドラ修行もようやく終業「純と愛」(NHK)(gooニュース×GALAC) - goo ニュース
文=桧山珠美「今月のダラクシー賞」
断っておくが、これはデジャヴでもなければ、ボケたわけでもない。前々回、「ダラクシー賞」を贈呈したにもかかわらず、またもやの「純と愛」。これにはれっきとした理由がある。
前々回、ドラマ中盤での贈呈は本意ではないが、これ以上見続ける気力がないと異例の贈呈を行ったわけだが、そうはいっても後半、劇的に良くなるかも、とNHKの朝ドラクオリティを信じ、ささやかな希望を抱きつつ、毎朝、きちっと正座して、拝見していたのである。
煩悩を捨て、邪念を捨て、ただただ画面と対峙する日々。気分はもう修行僧。そんな苦行をこなし、最終回まで1秒たりとも見逃すことなく見続けたのだ。
それにしても、最後まで脱落しなかった自分を褒めてやりたい。残念なのは、せっかく完走したにもかかわらず、賢明な視聴者はとっくにリタイアしており、この怒りを誰とも共有できないという悲しい事実。仕方がないのでドラマの感想が書かれたブログなどをチェックしてみたのだが、あろうことかこのドラマに高い評価をつける輩もいるというこれまた驚きの事実(ごく少数だが)。どこが良かったのか一人ずつ事情聴取したくなった。
さて。「純と愛」のあんまりなところをすべて書き出そうとすれば、これはもう千夜一夜物語の比ではない。なので、「ここがヘンだよ『純と愛』」として、最終週で最も気になったところをあげつらうことに決めた(と、純の口調をマネて)。
まず、愛について。脳腫瘍を発症し手術するも、腫瘍が脳幹に達して完全には取りきれず、目覚めることなく寝たきり状態に。そんな患者を在宅介護。酸素吸入もせず、胃ろうの処置もせず、ただ寝かせているだけ。リアリティがないならないでいいが、そのくせ床ずれしないように2時間おきに体の向きを変えなくては、とかなんとか言いながら体を転がす場面はある。海水浴場のラムネじゃあるまいし、ゴロゴロゴロゴロって。これが介護だなんて笑わせる。
純はといえば、海岸で宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」もどきの詩をつぶやき「私は死ぬまで、街田純であり続ける、と決めた」って言われても……。結局、魔法の国はなんだったの? 超能力の落とし前もつけず、大風呂敷を畳み損ね、トンズラしたとしか思えない最終回だった。残されたのは不快感のみ。
もう二度と朝ドラで実験はしないように、との願いを込めて、2度目の「ダラクシー賞」を贈呈する。
■ライター紹介
ひやま・たまみ 5歳の姪っ子に「お仕事は早くやれば早く終わるのよ」と叱られました。反省。
断っておくが、これはデジャヴでもなければ、ボケたわけでもない。前々回、「ダラクシー賞」を贈呈したにもかかわらず、またもやの「純と愛」。これにはれっきとした理由がある。
前々回、ドラマ中盤での贈呈は本意ではないが、これ以上見続ける気力がないと異例の贈呈を行ったわけだが、そうはいっても後半、劇的に良くなるかも、とNHKの朝ドラクオリティを信じ、ささやかな希望を抱きつつ、毎朝、きちっと正座して、拝見していたのである。
煩悩を捨て、邪念を捨て、ただただ画面と対峙する日々。気分はもう修行僧。そんな苦行をこなし、最終回まで1秒たりとも見逃すことなく見続けたのだ。
それにしても、最後まで脱落しなかった自分を褒めてやりたい。残念なのは、せっかく完走したにもかかわらず、賢明な視聴者はとっくにリタイアしており、この怒りを誰とも共有できないという悲しい事実。仕方がないのでドラマの感想が書かれたブログなどをチェックしてみたのだが、あろうことかこのドラマに高い評価をつける輩もいるというこれまた驚きの事実(ごく少数だが)。どこが良かったのか一人ずつ事情聴取したくなった。
さて。「純と愛」のあんまりなところをすべて書き出そうとすれば、これはもう千夜一夜物語の比ではない。なので、「ここがヘンだよ『純と愛』」として、最終週で最も気になったところをあげつらうことに決めた(と、純の口調をマネて)。
まず、愛について。脳腫瘍を発症し手術するも、腫瘍が脳幹に達して完全には取りきれず、目覚めることなく寝たきり状態に。そんな患者を在宅介護。酸素吸入もせず、胃ろうの処置もせず、ただ寝かせているだけ。リアリティがないならないでいいが、そのくせ床ずれしないように2時間おきに体の向きを変えなくては、とかなんとか言いながら体を転がす場面はある。海水浴場のラムネじゃあるまいし、ゴロゴロゴロゴロって。これが介護だなんて笑わせる。
純はといえば、海岸で宮澤賢治の「雨ニモ負ケズ」もどきの詩をつぶやき「私は死ぬまで、街田純であり続ける、と決めた」って言われても……。結局、魔法の国はなんだったの? 超能力の落とし前もつけず、大風呂敷を畳み損ね、トンズラしたとしか思えない最終回だった。残されたのは不快感のみ。
もう二度と朝ドラで実験はしないように、との願いを込めて、2度目の「ダラクシー賞」を贈呈する。
■ライター紹介
ひやま・たまみ 5歳の姪っ子に「お仕事は早くやれば早く終わるのよ」と叱られました。反省。
嫌なら見なければいいわけで、いちいちイチャモンをつけるために見続けるという愚かな方なんですね。
単なる朝ドラに、そこまでリアリティを求めていない自分としては、楽しく見終わったドラマをいちいち批判されて、嫌な気分になりました。
まあ自分も、愚かな記事に、いちいち反応するという愚かな行為をしているんですがね。