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(( 過去記事 )) 聖教新聞(2015/ 7/19)親子によせる詩ごころ 詩人・エッセイスト 浜文子さん

2016年11月24日 23時25分12秒 | コラム・ルポ

聖教新聞 (2015/ 7/19)

 親子によせる詩ごころ ㉙ 詩人・エッセイスト 浜文子

< 人間らしい叫び >

子どもの存在を味わい楽しむ心。
何よりもその心が
子に伝わるのを忘れずに。

 親はわが子に小さい時から家族の一員として、日常の喜怒哀楽を分かち合う努力をしたいものです。就学前に、親子の共感の絆を結んでおけば、何かと育児が楽になります。

 幸い、子どもはみんな〝誰よりもお母さんが大好き〟という有難く尊い特殊能力を携えて生まれてきます。この時期に母親を求めて手を伸ばしている子の心に向き合うことです。短時間でも、日常的にわが子と触れ合うことで、子どもに少しずつ変化が表れた例をたくさん見ています。

 お母さん方は毎日、毎日、わが子のために食事を作り、洗濯をし、愛すればこそ頑張っています。けれども、子どもは自分のためにだけ、その多忙な家事の合間に目と心の両方で自分の方を向いてほしい、関心を持ってほしいと思うものです。訳もなくイライラし、ぐずる子、聞き分けのない子、反抗的な子の心の中にはコトバにならない「かまってほしい」「ボクを(私を)ちゃんと受け止めて」「こっち向いて、相手をして」という叫びが隠れていることがあります。私には、それはとても「人間らしい叫び」だと感じます。

 生まれてきた子を人間らしく育てていくためには、「親子の心のつながり」がスタートです。食事させ、清潔な衣類を着せ……といった一つ一つの小さいことにも「一人で食事に着かせない、洗濯物も一緒にたたんで会話する、おやつも時には一緒に作り、盛りつけなどの同じ作業をしながら小さな手伝いもさせ、時間と心を共有する……という気配りが、子どもの落ち着きや安定につながるのです。

 そのような子どもとのやりとりを丁寧に続けてみて、それでも子どもの側に一切の変化もない時、あらためて専門機関をたずね、脳の機能の病気などを考慮し、それをわが子の個性理解への手掛かりにすべきなのです。そして、子どもの様子が病的な原因によるものだとしても、子どもは「自分と向き合い受け入れる人」を持つことが本人の、より良い成長に何よりも欠かせないことは言うまでもありません。安心して心を開ける存在を得て、子どもの能力が目醒める回路も少しずつ育っていきます。

 長い間、お母さんや子どもと接してきて、親が生活の情報の大半をネットから得ていて、「生身の人間との付き合いを避けたい」という傾向にある人は、子どもにもスマホや携帯で早くから遊ばせることに抵抗がないようです。子どもがおとなしく遊んでいるからと、安心していると、環境によって作られた脳の機能の病気に似た様子を子どもが見せることもあり、不要な心配を抱き続けた親御さんもいました。4歳の娘の様子を心配した夫婦が専門家の方に「環境型人格障がい」と診断され、母親がうつ状態になりました。これからまだまだ成長し変化する子に、そのような診断名がつくことが信じられず、その子に会って見ると、まったく普通の「4歳児」のかわいい子でしたが、子どもらしさを発揮できず緊張いっぱいなのが分かりました。

 私はただ一言、しつけは二の次で、子どもと遊び、触れ合ってほしいと伝え、具体的な方法を告げました。結果はお母さんからのシャワーのようなスキンシップだけで「問題解決」になりました。医師は当初の診断を訂正したのです。繰り返しますが、わが子の日常の姿に心配を抱えた時、まず「かまってほしい」子の心に応じてみてください。


いいコラムだから、子育て真っ最中の娘に読ませたかったんだけど、なかなか新聞だと読んでくれないんだよねぇ。 

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