これから猛暑となれば、汗だくの日々が続きます。汗はベタベタして汗ジミができるなど、何とも不快なものですね。今回はあせも対策を考えてみましょう。

汗によるトラブルといえば、真っ先に思い浮かぶのが「あせも」です。汗をかいた部分にプツプツと赤い湿疹が出て、かゆくなることもあります。これは急激な発汗で汗の管がつまって、汗が表面まで出てくることができずに皮膚の中にたまったものです。かかずに放っておけば数日で治ることが多いのですが、かいてしまうと傷になってこじれてしまいます。

あせもを防ぐためには、まずは服装に気をつけます。蒸れることであせもはできやすくなります。たとえば、男性はワイシャツの襟もとやベルトの当たる部分など、女性はブラジャーの下やガードルなどで締め付ける部分にできやすくなります。したがって、肌に直接触れる下着は通気性のよい綿素材などを選び、締め付ける衣類は極力避けましょう。

抵抗力が弱って「肌あれ」になることも

気をつけていてもあせもができてしまった場合は、市販の薬を塗ってかかないように気をつけましょう。どうしてもかいてしまう場合は皮膚科を受診して。

汗をかいた部分がかゆくなることは、多くの人が経験しますが、汗でかゆくなるものすべてがあせもというわけではありません。皮膚がもともと乾燥したりして抵抗力が弱っている場合、汗をかくと汗の塩分などに反応してかゆみが出ることがあります。これはあせもでなく、汗であれているわけですから、いわば「汗あれ」というべきものです。

首回りや腕の内側など、皮膚がやわらかくて薄い部分に汗あれは出やすくなります。汗あれはあせもと違ってプツプツとした湿疹はできず、皮膚がぼんやり赤くなってかゆみをおびます。かいてしまうとヒリヒリしてくることもあります。

汗あれを防ぐには、普段のスキンケアが大切です。体を洗いすぎて乾燥すると汗あれを起こしやすくなります。夏は特にべたつきが気になって、つい洗い過ぎる人が多いもの。しかし、汗をかいてべたついても、汗の99%以上は水であり、油性汚れではありません。よって、せっけんで洗わなくても落ちるのです。夏場でも、毎日せっけんで全身を洗うのは、洗い過ぎになることがあります。背中や胸の真ん中などの皮脂が多い部分は毎日せっけんをつけて洗い、それ以外の部分はお湯で流すだけにして、せっけんを使うのは週2〜3回にとどめましょう。

入浴後は保湿が大切。夏でも腕や脚にはボディローションなどを塗りましょう。

汗を出すことはデトックスにあらず

汗っかきの人は、夏になると悩みが多くなりますね。汗は、出そう出そうとしていると、より出やすくなってしまいます。サウナや半身浴などによる汗出しを頻繁に行うと汗っかきになることがあるので、ほどほどにしましょう。

汗を出すとデトックスになると思っている人がいますが、そういうものではありません。汗は99%以上が水。汗と一緒に毒素が体外に出るということはなく、また、汗をかく人がやせやすいということもありません。無理に汗出しをしても、メリットはないのです。

では反対に、汗が出ないようにする方法はあるのでしょうか。制汗剤などが売られており、脇などに使用するとある程度は効果がありますが、一日中効果が続くことはないようです。

脇の重度の多汗症に対しては、ボツリヌス製剤を用いた治療が可能で、保険適用になっています。重度の多汗症で生活に困っている人は、この治療を扱う皮膚科で相談しましょう。

手足の多汗症の相談も多いですが、これを確実に止める薬はなく、治療は難しいものです。緊張しやすくてすぐに汗が出るという人は、交感神経の緊張が強い人に多いよう。副交感神経にうまくスイッチする方法を探してみましょう。腹式呼吸をしてゆっくりと息を吐く、爪の付け根の部分をもむ、などが簡単な方法ですので、試してみましょう。


自分がトレセン後、腕に異様なる痒みを生じるのは、いわゆる『汗あれ』ということなんだろうか。