未だ うちゅうじん

人魚が人間になりたいと思うように、日々人間になるよう鍛錬中

懐かしい出会い

2006-01-12 20:42:13 | うちゅうじんの日記
先日、ブックオフに行った。
最寄の駅にあるので、人と待ち合わせのときや時間つぶしのときによく行く。
その日は、1階の漫画のコーナーを見ていた。
何かおもしろそうなのはないかなぁ~
と、探していたら・・・・
「あっ」
目に留まった本があった。
すごく懐かしく、思わず手に取り読んでしまった。
「昔、男がやってきて・・・・海原に立ってこう言った。
この海原ごしに呼びかけて船に警告してやる声を作ってやろう・・・・」
懐かしい言葉が並び、その一言一言が心に響く。
その本は、萩尾もと作の『ウは宇宙船のウ』という短編集。
その中の『霧笛』という話の中のせりふである。
この話は、レイ・ブラットベリという作家の話を漫画にしたものだと思う。
このせりふを聞いて思い出すのは、高校2年の冬。
当時演劇部で3月公演に向けての稽古の真っ最中。
題材は『半神』
先日結婚発表された野田秀樹さん作の台本に私達は挑んでいた。
この『半神』の中に登場するのが、このせりふ。
冒頭・劇中・そして、ラスト。
この芝居の核といってもいい。
いったい何度このせりふを読んだのだろう・・・
私は、この芝居の演出をさせてもらった。
久しぶりにこの言葉に出会って改めて読んでみると、
その言葉の深さ、重さ、その言葉と芝居の絡み合い・・・
高校生の時には感じなかったことを感じている気がした。
今の私がまた、この『霧笛』に出会ったのには何か意味があるのかもしれない。
ぜひ機会があったら、読んでほしい。
『霧笛』も『半神』もとても切ない話。
”孤独”をテーマにした切ない話。
でも、どちらも私にとって、とっても大切で大好きな作品。
そんあ作品に久しぶりに偶然に出会えた私は幸せなんだと思う

追伸:本屋さん
その日何気なく目に止まった本は、
その日私に必要な何かを投げかけてくれる気がする。
だから、ちょっと落ち込んだときは本屋に
もやもやしたときは本屋に
いってしまうのかもしれない