環境色彩デザインを考える人へ

長年の経験と実践の中から、色彩デザインに役立つ情報やアイデアを紹介して行きます。

魅力あるまちなみに欠かせない、固有性のある色

2010-08-25 19:21:12 | 日々のこと
古い写真で、かなりピントが甘い写真しかないため、今回はサイズ小さめで…。
長野県にある松本市美術館で見かけた、アートペインティング自販機です。草間弥生さんは松本出身、ということをこの地を訪れて初めて知りました。

この自販機は一台だけ、確かチケット売り場の脇に設置されていました。誰が見てもわかる、草間さんらしい色使いとモチーフ。見ているだけで楽しくなります。この場に一台だけだからこそ、愛着を持って接することが出来ます。街中の自販機がこうであればいいとは思いません。大量生産されたプロダクト製品とは異なる固有性が宿ったもの、単に姿形の美しさだけでなく、そのような言わば物語性に人の心は動かされるのではないか、と考えます。



私が建築や工作物の外観の素材・色彩にこだわり、近付いた時の表情などについて深く考えるのは、まちを歩いている時に惹き付けられる、こうした固有の雰囲気を持つモノやコトに興味があり、それを出来る限り汲み取れるような環境に居たい、と思うためです。

毎日の暮らしの中で発見するちょっとした賑わいや時にハッとするような変化。いつもは気付かなくても、一歩脇道に入ると見つけられるモノなど。こうした変化は、やはり環境全体の関係性の中で見ていますので、小さな存在はともすると全体の混乱に埋もれがちです。

部分が生きるための全体のあり方、を考えずには居られません。

美術館の前庭には花モチーフの巨大なアートが設置されています。こちらも大変印象的で、忘れ難い風景の一つです。

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