8月27日(土)、JLF(日本ランドスケープフォーラム)主催のランドスケープを語る会にご参加下さった皆様、暑い中お越し頂きありがとうございました。ランドスケープを学ぶ大学生から既に長く専門分野に携わられている方まで大変巾広い年齢層の方々にご参加頂き、後半はそれぞれのお立場から多様な質問が飛び交いました。色を測ることの意味から色が馴染む・映えるための仕掛けについて、更には行政の景観コントロールの状況や今後の展望に至るまで、大変多様な議論が展開できたと思います。本当にありがとうございました。
私の中では7月23日に浜松で行われた建築家と白について以降、GSDyサロンの素材と色彩、ランドスケープを語る、の3つの対談・レクチャーはシリーズとして捉えていたというか、全くの偶然ではあるものの、建築・土木デザイン・ランドスケープデザインと順序・タイミング良くそれぞれの専門の方と色彩の繋がりについてお話をさせて頂いた感があります。
著名な建築家の方等は毎週のように全国各地でレクチャーやワークショップを行っており、たかが3回程度で…と大げさに思われるかも知れません。ですがこのうちの2回のきっかけがTwitterであったことからもわかるように、社会的な認知度が未だ低い環境色彩デザインが他の分野と如何に係わりが深いものであるかを多くの方にお伝えすることが出来、本当に良い機会に恵まれたと思っています。
いずれの分野においても、環境色彩デザインが長い間“色でまちをつなぐ”というテーマを掲げてきたことから、専門の話をしながらも常にそれぞれの取り合いの部分や対峙する環境・空間を意識しながら話題を提供してきたつもりです。また、自身の性格もある程度影響していると思いますが、係わった仕事を“作品”として紹介することにいささか抵抗を感じており、自作を語るという形式ではなく、あくまで色の見方や見え方、在り方について等をご紹介することで、どの分野にも係わりのある色を“意識的に”捉えて頂きたいと考えて来ました。
私達(CLIMAT)はまた、色は現象であるという考え方を持っています。見るという行為の中に背景との関係性など、相対的な相互の作用の中で“色がそのように見えている状態”をつくり出すことがある部分まではコントロールが可能である、とも考えています。その判断には観察と経験が最も重要な資質であり、個人の嗜好や何となくといった感覚的な要素は(とりあえず)必要としないことを前提としています。
私達はまた、客観的な観測のために色のものさし(=マンセル表色系)を用い、色の数値化に拘りますが、マンセル値が絶対値でないことも十分に承知しています。数値を把握することによって色と色の関係を把握したりバランスを整えたりすることをし易くしているに過ぎません。
目の前にある色が“どのような状態で見えているか”を徹底的に分析し周辺との関係性を把握すること、こうした作業の後に具体的な計画をどのように進めて行くのか…。この点はまだどの対談・レクチャーでも掘り下げ切れていません。後のアンケート等で“結局、建築や土木における色が何なのかよくわからない”等のご意見を頂くこともあり、今後はより具体の方法論を提示して行くことが求められているのだと(勝手に)感じています。
正直、この夏の3つの対談・レクチャーにはこれまで溜めてきた全ての力と少しの勢いを必要としました。無事に終えた今、僅かな達成感の先には『環境色彩への理解を深めたり興味を持ったりした方に対し、次にどのようなボールを投げれば各人の具体の計画に生かしてもらえるか』という新たな課題があります。自身もその立場(対談やレクチャーに参加する)を考えるとき、特に会費を払う会であれば尚更、“今日インプットしたこの知識や思考をどうやってアウトプットに繋げようか、繋げられる点はどこか”ということを考えます。
話を聞いて面白かった・ためになったという感想だけでは単に色の知識を得た、に過ぎません。その知識を様々な場面で生かしよりより良い計画の実現に繋げて頂くことを心から願っています。
願ってはいるものの、きちんと活動として継続していくことも考えています。見聞きした情報は自身の言葉で話す(あるいは書く、描く)ことによって、自身の専門性を他者に伝わり易い表現で語ることができる、と感じますし、話したりアイデアを具体的な形にする段階で煮詰まったり思考が滞ってしまったりする時は、違う観点から色彩や素材にまつわる話を聞いたり、一見まったく関係の無いような事柄に触れたりすることなどから、自身の専門性に結び付けられる部分を探していくと、すっと風通しがよくなる場合が多くあります。
見聞きした情報や知識をどう生かすか、職能という清らかな水脈をいつも濁らせることのないよう、インプットしたものを色彩というフィルターを通してアウトプットし続けて行きたいと思っています。
その一つがこの『環境色彩デザインを考える人へ』です。
今回のレクチャーはJLFの運営委員をなさっている焔光景デザインの原田武敏さんにお誘い頂きました。Twitterで何度か会話を交わしたことがあるという顔見知り(?)程度から、Facebookに移行したことにより一気に相互の仕事に関する情報量が増え、色彩が何やら面白そうだという結論に至ったそうです。これもこうしたアウトプットのおかげ、と言えるでしょうか。
照明と色彩の関係についても、何度か会話を重ねる中で様々な発見があります。これを機に互いの仕事を色の観点から、照明の演出性等の観点から考えられるようになることも、自身にとっては大きな収穫です。
ちょっと申し訳ないなと思うのは知名度の低いスピーカーに目を付けてしまったばかりに、集客力にやや問題があったようで(苦笑)、実は直前まで定員の半分にも満たない状態だったとのこと。正直どうなる事かと思いましたが、運営委員の皆さんが色々な方にお声掛け下さったおかげで最終的には学生10名を含む26名もの方にご参加頂き、心からほっとしたことを記念に(?)記しておきます。
原田さん、本当に色々ありがとうございました!
私の中では7月23日に浜松で行われた建築家と白について以降、GSDyサロンの素材と色彩、ランドスケープを語る、の3つの対談・レクチャーはシリーズとして捉えていたというか、全くの偶然ではあるものの、建築・土木デザイン・ランドスケープデザインと順序・タイミング良くそれぞれの専門の方と色彩の繋がりについてお話をさせて頂いた感があります。
著名な建築家の方等は毎週のように全国各地でレクチャーやワークショップを行っており、たかが3回程度で…と大げさに思われるかも知れません。ですがこのうちの2回のきっかけがTwitterであったことからもわかるように、社会的な認知度が未だ低い環境色彩デザインが他の分野と如何に係わりが深いものであるかを多くの方にお伝えすることが出来、本当に良い機会に恵まれたと思っています。
いずれの分野においても、環境色彩デザインが長い間“色でまちをつなぐ”というテーマを掲げてきたことから、専門の話をしながらも常にそれぞれの取り合いの部分や対峙する環境・空間を意識しながら話題を提供してきたつもりです。また、自身の性格もある程度影響していると思いますが、係わった仕事を“作品”として紹介することにいささか抵抗を感じており、自作を語るという形式ではなく、あくまで色の見方や見え方、在り方について等をご紹介することで、どの分野にも係わりのある色を“意識的に”捉えて頂きたいと考えて来ました。
私達(CLIMAT)はまた、色は現象であるという考え方を持っています。見るという行為の中に背景との関係性など、相対的な相互の作用の中で“色がそのように見えている状態”をつくり出すことがある部分まではコントロールが可能である、とも考えています。その判断には観察と経験が最も重要な資質であり、個人の嗜好や何となくといった感覚的な要素は(とりあえず)必要としないことを前提としています。
私達はまた、客観的な観測のために色のものさし(=マンセル表色系)を用い、色の数値化に拘りますが、マンセル値が絶対値でないことも十分に承知しています。数値を把握することによって色と色の関係を把握したりバランスを整えたりすることをし易くしているに過ぎません。
目の前にある色が“どのような状態で見えているか”を徹底的に分析し周辺との関係性を把握すること、こうした作業の後に具体的な計画をどのように進めて行くのか…。この点はまだどの対談・レクチャーでも掘り下げ切れていません。後のアンケート等で“結局、建築や土木における色が何なのかよくわからない”等のご意見を頂くこともあり、今後はより具体の方法論を提示して行くことが求められているのだと(勝手に)感じています。
正直、この夏の3つの対談・レクチャーにはこれまで溜めてきた全ての力と少しの勢いを必要としました。無事に終えた今、僅かな達成感の先には『環境色彩への理解を深めたり興味を持ったりした方に対し、次にどのようなボールを投げれば各人の具体の計画に生かしてもらえるか』という新たな課題があります。自身もその立場(対談やレクチャーに参加する)を考えるとき、特に会費を払う会であれば尚更、“今日インプットしたこの知識や思考をどうやってアウトプットに繋げようか、繋げられる点はどこか”ということを考えます。
話を聞いて面白かった・ためになったという感想だけでは単に色の知識を得た、に過ぎません。その知識を様々な場面で生かしよりより良い計画の実現に繋げて頂くことを心から願っています。
願ってはいるものの、きちんと活動として継続していくことも考えています。見聞きした情報は自身の言葉で話す(あるいは書く、描く)ことによって、自身の専門性を他者に伝わり易い表現で語ることができる、と感じますし、話したりアイデアを具体的な形にする段階で煮詰まったり思考が滞ってしまったりする時は、違う観点から色彩や素材にまつわる話を聞いたり、一見まったく関係の無いような事柄に触れたりすることなどから、自身の専門性に結び付けられる部分を探していくと、すっと風通しがよくなる場合が多くあります。
見聞きした情報や知識をどう生かすか、職能という清らかな水脈をいつも濁らせることのないよう、インプットしたものを色彩というフィルターを通してアウトプットし続けて行きたいと思っています。
その一つがこの『環境色彩デザインを考える人へ』です。
今回のレクチャーはJLFの運営委員をなさっている焔光景デザインの原田武敏さんにお誘い頂きました。Twitterで何度か会話を交わしたことがあるという顔見知り(?)程度から、Facebookに移行したことにより一気に相互の仕事に関する情報量が増え、色彩が何やら面白そうだという結論に至ったそうです。これもこうしたアウトプットのおかげ、と言えるでしょうか。
照明と色彩の関係についても、何度か会話を重ねる中で様々な発見があります。これを機に互いの仕事を色の観点から、照明の演出性等の観点から考えられるようになることも、自身にとっては大きな収穫です。
ちょっと申し訳ないなと思うのは知名度の低いスピーカーに目を付けてしまったばかりに、集客力にやや問題があったようで(苦笑)、実は直前まで定員の半分にも満たない状態だったとのこと。正直どうなる事かと思いましたが、運営委員の皆さんが色々な方にお声掛け下さったおかげで最終的には学生10名を含む26名もの方にご参加頂き、心からほっとしたことを記念に(?)記しておきます。
原田さん、本当に色々ありがとうございました!