先にご紹介した武蔵野市の分譲住宅。
ここでは、特に周辺の低層住宅群のスケール感の調和を意識しました。
規模の大きな建物が与える存在感を、特にアイレベルにおいては出来るだけ緩和し、
圧迫感を与えないようにする、という考え方です。
そこでよく活躍するのは、色彩による分節化、という手法です。
それはもちろん、建築の形態や意匠に添ったものでなくてはなりません。
この物件では分節化と共に、アイレベルにおける壁面の表情を豊かにする、ということを重視しました。
3つの住棟は中庭を囲むように、コの字型に配置されています。
つまり、2棟の妻面が道路側を向くことになります。
通りに面する顔となるファサードですから、住戸プランを何度も練り直し、
妻側にあわられる開口部の位置、寸法が検証されました。
色彩計画では、必然的に壁面率が高くなる面に対し、どのように表情を与えるか、
基本設計段階から検討を進めました。
帯状に見える3本のタイルは、地のレンガタイルよりも7mm、厚みのあるタイルを使用しています。
レンガタイルの豊かで繊細な色むらとわずかな段差により、より深みを感じさせる壁面にしたいと考えました。
地のレンガタイルは210×30×15、帯のタイルは200×25×22。
つまり、縦横の寸法も微妙に違います。
そこで、地のレンガタイルはイモ目地(通し目地)でしっかりとした地をつくり、
帯の部分は3本をランダムに割り付けることにより、寸法の違いが気にならないデザインを考えました。
これは途中段階の見本貼りです。
目地の深さにも留意し、少し深めに抑えることでタイル面全体にも繊細な陰影を与えることが出来たと思います。
当初は、厚みの変化だけでどの程度陰影を強調することが出来るか、
様々なタイルで検証を行いました。
検討段階で、『タイルの厚さ半分まで目地を詰めないと後々剥離の危険がある』との指摘を受け、
ある程度の厚みを持つタイルの場合、差が7mm程度であれば施工的な問題をクリアできることを確認し、
採用に至りました。
実際の施工では、レンガタイルの表情を生かすため、通常モザイクタイルで行われるような
塗り目地施工ではなく、一本目地施工としました。
それにかかるコストも、基本設計段階から算出をし、見積図への反映や積算の質疑等といった
設計の補助的業務にも係わっています。
この場にふさわしい、こういう表情を演出したいと考えるとき。
自分一人ではそのアイデアをかたちにすることは出来ません。
計画の初期段階からしっかりとしたデザインの方向性を定め、それを設計者のみならず、
施主様や現場など、計画に係わる方々と共有出来る環境をつくること。
そして、施工の技術的なことやコスト等、いつも快く相談に乗って下さるメーカーの担当者に
適格にデザインの意図を伝えること。
そういった流れをスムーズにし、自身が仕事を進めやすい環境をつくることも、
色彩デザインの仕事の一つ、と考えています。
↓紹介した物件の詳細はコチラ
武蔵境の集合住宅
ここでは、特に周辺の低層住宅群のスケール感の調和を意識しました。
規模の大きな建物が与える存在感を、特にアイレベルにおいては出来るだけ緩和し、
圧迫感を与えないようにする、という考え方です。
そこでよく活躍するのは、色彩による分節化、という手法です。
それはもちろん、建築の形態や意匠に添ったものでなくてはなりません。
この物件では分節化と共に、アイレベルにおける壁面の表情を豊かにする、ということを重視しました。
3つの住棟は中庭を囲むように、コの字型に配置されています。
つまり、2棟の妻面が道路側を向くことになります。
通りに面する顔となるファサードですから、住戸プランを何度も練り直し、
妻側にあわられる開口部の位置、寸法が検証されました。
色彩計画では、必然的に壁面率が高くなる面に対し、どのように表情を与えるか、
基本設計段階から検討を進めました。
帯状に見える3本のタイルは、地のレンガタイルよりも7mm、厚みのあるタイルを使用しています。
レンガタイルの豊かで繊細な色むらとわずかな段差により、より深みを感じさせる壁面にしたいと考えました。
地のレンガタイルは210×30×15、帯のタイルは200×25×22。
つまり、縦横の寸法も微妙に違います。
そこで、地のレンガタイルはイモ目地(通し目地)でしっかりとした地をつくり、
帯の部分は3本をランダムに割り付けることにより、寸法の違いが気にならないデザインを考えました。
これは途中段階の見本貼りです。
目地の深さにも留意し、少し深めに抑えることでタイル面全体にも繊細な陰影を与えることが出来たと思います。
当初は、厚みの変化だけでどの程度陰影を強調することが出来るか、
様々なタイルで検証を行いました。
検討段階で、『タイルの厚さ半分まで目地を詰めないと後々剥離の危険がある』との指摘を受け、
ある程度の厚みを持つタイルの場合、差が7mm程度であれば施工的な問題をクリアできることを確認し、
採用に至りました。
実際の施工では、レンガタイルの表情を生かすため、通常モザイクタイルで行われるような
塗り目地施工ではなく、一本目地施工としました。
それにかかるコストも、基本設計段階から算出をし、見積図への反映や積算の質疑等といった
設計の補助的業務にも係わっています。
この場にふさわしい、こういう表情を演出したいと考えるとき。
自分一人ではそのアイデアをかたちにすることは出来ません。
計画の初期段階からしっかりとしたデザインの方向性を定め、それを設計者のみならず、
施主様や現場など、計画に係わる方々と共有出来る環境をつくること。
そして、施工の技術的なことやコスト等、いつも快く相談に乗って下さるメーカーの担当者に
適格にデザインの意図を伝えること。
そういった流れをスムーズにし、自身が仕事を進めやすい環境をつくることも、
色彩デザインの仕事の一つ、と考えています。
↓紹介した物件の詳細はコチラ
武蔵境の集合住宅