単に一つの部位等の色を指定するということと色彩計画・デザインの間には、大変な距離があるように思います。
自身が色彩デザインを行う際のプロセスとしては大きく二段階あります。周辺環境の調査や建築のデザインコンセプトとの対応、複数の建物が連続する場合は敷地のゾーニングとも連携し、色彩計画の方向性を絞り込み、カラースキムを複数案作成します。
それらをまとめた、色彩計画書を作成するのが第一段階です。これは4立面の配色指定図、平面図と対応した各階の仕上げ区分図、細かな品番等を記載した仕上表。まずはこの3点セットをまとめることが重要です。
色を指定してそこで終わりではない、ということは建築設計が図面を描けば終わりではない、ということと同義だと考えています。例えば、指定したメーカーが施工会社の取引の関係上、別のメーカーに変更になる場合等が多々発生します。
第二段階である実施の際には、そのような変更なども細かくチェックし、都度、“実際に使用する材料で”色彩調整を行います。
日塗工などで指定できる塗装色は、正直、最後の最後に決めればいい部位が殆どです。吹付けや塗装等の原料は発注してから納入までの期間も読めますし、色の調整が困難な建材(石材やタイル・煉瓦、電解二次着色の金属など)に対し、調合が容易であるためです。
つまり、色彩計画も建築の基本設計段階から竣工まで係わるのが、至極当然のあり方だと思うのです。
色彩計画書と実施レベルの調整は相当細かい作業です。例えば、先日事務所内でもこんなことがありました。
集合住宅、共用廊下の玄関周りのカラースキムを選定していた際の事です。既に床の材料、壁の塗装色、玄関扉のデザイン・色、天井…に至るまで、一応の計画はまとまっており、既に事業主へのプレゼンも完了していました。
今月に入り、いざモデルルームに再現する段になり、再度実際の材料や照明との関係等を詰めてみると、施主の要望で切り替えることになった床材の色相の僅かなズレや、対比の甘さが目立ちます。色彩計画書を作成した段階では、当然予期できなかった部分。
これは、図面やパースだけでは把握することが出来ません。全て実際の材料と色見本を並べてみた上で始めて認識できることなのです。
実はこれも協働している設計事務所の担当者がつくったカラースキムを見ながら、スタッフが判断をしようとしていて発覚したこと。これまで積み上げてきたことを疑わず、他の材料が加わったことを甘く見ていた結果です。なので、スタッフから“これでいいですか”と確認を求められたときは、どんなに忙しくても材料を全部並べて、関係性を確認した上で判断することにしています。そのためにはこのような秘密(?)の箱が大変役に立ちます。
自身が色彩デザインを行う際のプロセスとしては大きく二段階あります。周辺環境の調査や建築のデザインコンセプトとの対応、複数の建物が連続する場合は敷地のゾーニングとも連携し、色彩計画の方向性を絞り込み、カラースキムを複数案作成します。
それらをまとめた、色彩計画書を作成するのが第一段階です。これは4立面の配色指定図、平面図と対応した各階の仕上げ区分図、細かな品番等を記載した仕上表。まずはこの3点セットをまとめることが重要です。
色を指定してそこで終わりではない、ということは建築設計が図面を描けば終わりではない、ということと同義だと考えています。例えば、指定したメーカーが施工会社の取引の関係上、別のメーカーに変更になる場合等が多々発生します。
第二段階である実施の際には、そのような変更なども細かくチェックし、都度、“実際に使用する材料で”色彩調整を行います。
日塗工などで指定できる塗装色は、正直、最後の最後に決めればいい部位が殆どです。吹付けや塗装等の原料は発注してから納入までの期間も読めますし、色の調整が困難な建材(石材やタイル・煉瓦、電解二次着色の金属など)に対し、調合が容易であるためです。
つまり、色彩計画も建築の基本設計段階から竣工まで係わるのが、至極当然のあり方だと思うのです。
色彩計画書と実施レベルの調整は相当細かい作業です。例えば、先日事務所内でもこんなことがありました。
集合住宅、共用廊下の玄関周りのカラースキムを選定していた際の事です。既に床の材料、壁の塗装色、玄関扉のデザイン・色、天井…に至るまで、一応の計画はまとまっており、既に事業主へのプレゼンも完了していました。
今月に入り、いざモデルルームに再現する段になり、再度実際の材料や照明との関係等を詰めてみると、施主の要望で切り替えることになった床材の色相の僅かなズレや、対比の甘さが目立ちます。色彩計画書を作成した段階では、当然予期できなかった部分。
これは、図面やパースだけでは把握することが出来ません。全て実際の材料と色見本を並べてみた上で始めて認識できることなのです。
実はこれも協働している設計事務所の担当者がつくったカラースキムを見ながら、スタッフが判断をしようとしていて発覚したこと。これまで積み上げてきたことを疑わず、他の材料が加わったことを甘く見ていた結果です。なので、スタッフから“これでいいですか”と確認を求められたときは、どんなに忙しくても材料を全部並べて、関係性を確認した上で判断することにしています。そのためにはこのような秘密(?)の箱が大変役に立ちます。