ジャワ島メラピ山 巨大爆発のおそれ 地震急増 警戒レベル引き上げ
インドネシア・ジャワ島のメラピ山では火山性地震が増加し、爆発的噴火の危険性が高まったとして、同国国家災害管理局(BNPB)は22日、警戒レベルを2に引き上げると発表した。
ジョグジャカルタ市から北へ30キロ、ジャワ島の中央部に位置するメラピ山は、今月11日の大爆発に続いて、21日にも発生。この間も災害管理局は警戒レベルを「1(通常)」としていたが、火山性地震が急増した22日、「レベル2」へ引き上げ、火山から半径3キロ以内への立ち入りを禁止した。
メラピ山では21日から22日にかけて轟音を伴う水蒸気爆発が4回発生し、噴煙の高さは火口から最大3500メートルに上昇。ゴルフ場やリゾート地が立ち並ぶカンクリンガン地区やパケム地区などのふもとの集落では、大量の火山灰の飛散が報告されており、これまでに700人近い住民が避難所へ身を寄せているという。
メラピ山では日本時間けさ5時半ごろにも噴火があり、火山性地震が4分間観測された。BNPBのストポ・プルウォ・ヌグロホ報道官は「現時点では火砕流が起きるおそれはない」として、市民にはふだんどおり生活するよう呼びかけている。
メラピ山は、雲仙普賢岳と同じように、溶岩ドームが崩落して火砕流を起こす被害が多いことから、「メラピ型火砕流」と呼ばれており、かつて国際的な火山学会から、「世界の重要火山のひとつ」に指定された経緯もある。BNPBは24時間体制で火口を監視し、巨大爆発に備えている。