しーさるの鉄日記

JRグループ2018春改正(北海道編)


JRグループの3月16日ダイヤ改正、JR北海道の改正概要は以下の通り。

●北海道新幹線の青函トンネル内の最高速度を140km/hから160km/hに引き上げ、『はやぶさ』の所要時間を最大4分短縮させる。
●『はやぶさ』の時間短縮に伴い、それに接続する一部の『はこだてライナー』の時刻も見直す。

●『スーパー北斗』2往復に261系を追加投入する。(1号、15号、10号、24号)
●下り最終『スーパー北斗23号』を千歳に停車させて、普通手稲行に接続させる。それに伴い、南千歳は通過とする。

●『スーパーおおぞら4号』をトマムに通年での停車とし、全ての特急列車をトマムに停車させる。
●『スーパーおおぞら1・7・8号』を追分と新夕張に停車させる。それに伴い、追分~新夕張間の普通列車10本のうち、5本の運転を取りやめる。
●3月末で廃止となる夕張支線に臨時列車を設定する。

●札幌発8時35分の手稲行を小樽行に延長変更させる。
●学園都市線において、石狩当別行、あいの里公園行12本を、北海道医療大学行に延長変更させる。また、夜間に石狩当別発札幌行1本、あいの里公園発札幌行2本を増発する。

●宗谷線において、旭川発7時52分の比布行を名寄行に延長変更する。8時08分の名寄行については比布行に短縮変更する。

●石北線下り、特別快速『きたみ』北見行の設定時間帯を1時間ほど繰り上げる。また、旭川発13時19分の普通上川行の時刻を繰り下げ、『ライラック15号』から接続させる。
●根室線の直別駅、尺別駅、花咲線の初田牛駅を廃駅とする。

毎年恒例となったJRグループのダイヤ改正、北の方から順番に分析していく。

まず、リリース前から報道されていた青函トンネル内での最高速度引き上げによる時間短縮から。現行だと長さ53.85キロの青函トンネルを25分ほどで通過、表定速度は130キロほどになっているが、今回の改正では4分短い21分通過、表定速度は150キロほどになるようだ。2020年度、つまり2年後の春までには、多客期に貨物列車が走らない時間を設定して、200キロ運転を行なうことを検討しているとのこと、そうなれば表定速度は180キロで通過時間は18分となり、3分ほどの短縮となる。260キロ運転すれば、さらに5分短縮して13分となり、改正後より8分短縮されることになる。でも、短縮時間がたった4分とはいえ、東京~道内が3時間台になるというのは、いいアピールになる。

リリースでは最大と書いてあることから、4分短縮しているのは一部だと思ったが、下り27号、上り34号が3分の短縮になっている以外は全て4分短縮となり、新青森~新函館北斗間の所要時間はノンストップで57分、奥津軽いまべつ、木古内停車で62分になっている。

時間が短縮されているため、新幹線の新函館北斗着は4分繰上がっているが、『はこだてライナー』の時間変更列車は意外と少なく、新函館北斗発が4分以上繰り上がったのは、10時11分発、13時47分発、18時44分発、21時54分発、23時40分発の5本だけだ。ただし、このうち10時11分発と21時54分発は現行より16分も繰上げて、本州方面と函館の間の所要時間を大幅に短縮させている。函館発の『はこだてライナー』で4分以上繰り下がっているのは、6時07分、10時18分、14時09分、18時08分、20時06分の5本、特に10時18分発は現行の新函館北斗38分接続が改善されているので、函館~東京間の所要時間は5時間15分から4時間46分接続と29分も短縮されている。『スーパー北斗』については数分の時刻修正程度だから、新函館北斗での乗り換え時間が4分程長くなるケースがほとんどである。

『スーパー北斗』は261系を追加投入、281系充当列車は下り5号、7号、21号、上り2号、14号、16号の3往復だけになる。キハ281は2運用だけで済むようになるから、検査時でも組み替えることない7両×3編成だけに、余った6両は数両だけ増結用にして、残り数両は廃車にするのではないかと。運転時刻については、ほとんどの列車で数分程度の修正になっているが、『スーパー北斗1号』だけは函館~登別間で8分遅くなり、その分時刻が繰り上がっている。停車駅については、リリースにある通り最終『スーパー北斗23号』の南千歳停車を、普通の札幌終に接続させるために千歳停車に振り替えているだけ、南千歳は不便になるけど、普通苫小牧行で折り返せばいいだけだからな。それ以前にこの時間帯の南千歳の需要そのものがないわけだが。深夜は利便性が高くなるけど、早朝は北広島・恵庭方面から『スーパー北斗2号』に乗れないのが残念なところ。新札幌折返しもタッチ差でダメだし。

追分と新夕張は停車特急の拡充、その代わり普通列車が半減し、上下合わせて5本となる。途中ある川端、滝の上については、普通列車が通過する駅よりも本数が少ない。両駅とも乗降客数が少ないから、この2駅を廃止して、南千歳~新得間は特急だけの運転にするかもしれない。新たに特急が停車する時間帯から廃止対象となるのは追分発15時18分と新夕張発17時10分は確実、追分発11時17分と新夕張発9時14分、13時03分も同時間帯に特急を運転しているから廃止にするかもしれない。つまり、川端、滝の上は、通学客が見込まれる朝と夕方にしか列車が来ないことになると思われる。

『スーパーおおぞら1号』は停車駅増に伴い札幌発を3分繰上げの6時57分発に変更、7号はトマム着が2分遅れるものの、串内信号所での8号と交換するから新得以東は現行と同じスジ、8号もトマム~南千歳間でノンストップの4号より9分も遅く走っているから増停車による時刻変更はほとんどない。

夕張支線の臨時列車はどれくらい走らせるのだろう。留萌本線の時は旭川~増毛、留萌~増毛間に3両編成の快速を1往復ずつ走らせたけど。データイム約4時間間隔、新夕張~夕張間は往復1時間だから、残り3時間の間に新夕張~夕張間の臨時列車を走らせるのは余裕でないかと。新得方面からの特急に接続させれば18きっぱーは分散されるだろう。

学園都市線は北海道医療大学発着の列車が増発される。これは再来年5月に北海道医療大学から先が廃止となるので、その代行バスと接続させるための増発を先行して行なうと思われる。ただ、どの時間帯に増発されるかは明らかになってない。朝上りで北海道医療大学発が6時48分から8時59分まで空くから、この時間帯に増発されるといいのだけど。

札幌発小樽方面では、8時35分の手稲行を小樽行に変更、8時17分から43分までの26分穴を埋めて、手稲から先の需要に応える。通学時間帯にしては少し遅いから、観光需要に対応したのだろう。札幌発8時43分の小樽行は倶知安行に接続するから、札幌で宿泊したインバウンド客で混雑しているのだろうか。新幹線ができるまでは、小樽以西も増発した方がいいと思うのだけど。

石北線は下り特快『きたみ』を1時間ほど繰上げ、14時台の設定とする。旭川発14時36分の当麻行と順序を入れ替えるのだろう。特急大雪は旭川発12時41分から17時05分まで開くから、15時37分発より14時台の方が平準化されたダイヤになる。北見では知床斜里行に6分接続しているのだけど、改正後は17時台の西留辺蘂発の北見発を繰り下げて接続させるのだろうか。

今回の改正での廃駅は、直別、尺別、初田牛の3駅、直別は乗降人員1名以下でない駅で初めての廃駅だと思われる。直別、尺別は隣り合っているので、厚内~音別までの15キロの間に駅がないということになる。でも厚内の帯広寄隣駅、浦幌まではそれを上回る18キロの間に駅がない。石北本線白滝での、隣駅37.3キロと19.7キロよりはマシだけど。

現行ダイヤでは、函館本線の渡島砂原経由の徐行区間拡大や青函トンネルの保守工事で、普通列車が時刻変更しているのだけど、改正ではこれが正式なダイヤになるのだろうか。そうならば接続も見直してほしいところだけどね、


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