小田急電鉄は、10年ぶりの新型ロマンスカー『70000形』を製造、2018年春に投入することを発表した。また、30000形をリニューアルし、『EXEα』として来春から投入することを発表した。
『70000形』の外観は、ロマンスカー伝統のバーミリオンオレンジ一色を採用、編成はボギー車7両固定とする。編成両端は展望車とし16席を確保、荷棚を設けず展望車両としての大きな空間とダイナミックな眺望を創出する。その代わりに各車両(除く4号車)のデッキ部にラゲージスペースを設置、座席下も550×400×250以内の荷物が収納できるスペースを確保する。また、窓の高さは100㎝に拡大、車内Wi-Fiシステムも導入する。
在来線初の『電動油圧式フルアクティブサスペンション』を全車両に搭載することや低騒音化で乗り心地を向上、防犯カメラの設置及び、異常挙動検知装置や編成滑走制御で安全性も向上させる。また、車内Wi-Fiシステムで展望ライブ映像を楽しめるようにする。製造費用は2編成で40億円、来年11月の完成を目指す。
30000形リニューアル車『EXEα』の外観は、上半分はシルバーメタリック、窓下半分は濃いブラウンとし、車両側面ではその間にバーミリオンオレンジ一帯が入る。内装は木目調とし、照明と組み合わせることでくつろげる空間を確保する。『70000形』同様、多目的室、荷物収納スぺースや防犯カメラを設置し、ユニバーサルデザインを採用、トイレについてもウォシュレット付の洋式に更新する。制御装置も『70000形』と同じSicを使ったVVVFに更新する。2016年度は1編成10両が更新され、来春の営業運転を目指す。
複々線完成に伴う2018年春改正では、平日朝7~8時台に新宿・大手町に到着するロマンスカーを現行の3本から7本に増発、深夜時間帯にも『ホームウェイ』1本を増発する。土休日については、新宿発900、1000、1100の『スーパーはこね』に『50000形』と『70000形』を充当、新宿~箱根湯本間の所要時間を最速80分から70分へ短縮させる。
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真っ白なVSEに続いて、真っ赤な展望型ロマンスカーを投入することになった小田急。EXE、VSE、MSEと来て、どのような愛称が付くのだろうか。窓の広さから『WSE』と予想しているのだけど。
『70000形』の定員数は400名、イメージ図から先頭車の定員は56名、中間車は56名か60名といったところか。6両運転時のMSEやEXE及びVSEの定員は350名ぐらいだから、それよりは増えることになる。編成長は142mとVSEより少し短いが、定員を増やせたのは、VSEにあったサルーン席やカフェを付けなかったため、ワゴン販売があるからカウンターブースは確保されるだろうけど。今年の春改正時にVSEのシートサービスがなくなったから、『走る喫茶室』が再度なくなったのだな。VSEも更新されたら、サルーン席もカフェも普通の座席になる予感がする。RSEは同じ7両ボギー車で定員数が402名と変わらないから、ダブルデッカーにすればサービスを維持できるのだけどね。競合相手はダブルデッカーを導入しているし。
『走る喫茶室』と同じく、ロマンスカー独特の連接車も消滅、『電動油圧式フルアクティブサスペンション』という最先端技術が導入された。『しまかぜ』などには空気式、『E5系新幹線』には電気式が導入されてきたけど、電動油圧式というのは初めてでないかと。そう考えると、1両当たり3億近く近くかかったのもうなずける。
Wi-Fiは、今でも『odakyu Free Wi-Fi』がVSEとEXEで使えるのだけど、通信速度が上がるのだろうか。モバイルには充電が必要になるけど、日経の報道によると電源コンセントも取り付けられるとのこと。小田急のリリースでは触れてなかったが。
その『EXEα』は、デビュー時のJR九州『ハイパーサルーン』のような外装に。制御装置も、トイレなどの設備も『70000系』と同じものになる。さすがに『フルアクティブサスペンション』は付けられないけど。コンセントは取り付けられるだろうか。『EXEα』は『70000形』より1年早く投入されるから、『70000形』の心地を少し味わえるかもしれない。今年度は1編成だけ更新するけど、7編成全ての更新が終わるのはいつになるのだろうか。それまで混結編成も見れそうだ。
再来年春改正では複々線完成に伴い、特急を増発する余地もできた。4月に発表された複々線完成による効果で、新宿方面2本、千代田線方面7本増発の記述があるけど、それが特急も含めてというのはわからないのだな。もしかして、この増発分のうち、新宿方面1本、千代田線方面2本ぐらいは特急かもしれない。現状ダイヤだと新宿733着の後は916までないのだけど、新宿着750と900前ぐらい、大手町着700と900前ぐらいに増発があるかもしれない。916着と938着を『MSE』から『EXEα』『70000系』にすれば、地下鉄直通分を確保できるわけだし。
土休日は、現状900のVSE、1010のVSE、1040のLSEとなっているが、発車時刻を変更したうえで、『70000系』も充当されることに。この3列車は『運転日により列車の車型』表記がなくなるのだろうか。00発が他の時間帯にも拡充されるか気になるところだ。新宿から箱根湯本間の70分台は、現状ダイヤでも箱根登山線内のダイヤを見直せばどうにかなるわけで。例えば土休日のはこね71号は小田原~箱根湯本間が12分、スーパーはこね9号が新宿~小田原間が64分だから、小田原1分停車でも新宿から箱根湯本までの所要時間が77分になる。梅ヶ丘まで追い抜けなかった普通が、東北沢で追い抜けるようになるから複々線完成による時間短縮はあるだろうけど、せいぜい数分だろう。新宿から小田原まで1時間を切ったらインパクト大きいけど。
『70000形』の投入により、1981年から活躍してきたLSEは引退することに、ロマンスカーはEXEα、VSE、MSE、『70000系』の4種となる。ほんの最近まで、LSE、RSE、EXE、HiSE、VSEだったけど、2008年にMSE投入、その3年後にはRSEとHiSEが一気に引退したからな。
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