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〜かたることばが歌になる風になる〜

音色(ねいろ)を輝く石や宝石に例えてみると、、

またショパンコンクールのことで恐縮です。
反田さんのファイナルの演奏は真夜中で
最近配信されて興味津々の韓国ドラマ「恋慕」という動画が更新日で
そちらを観ていました。アハハ。
反田さんのグループのライブは、アーカイブでゆっくり聴きました。

ショパンの1番のピアノ協奏曲のオーケストラの前奏は結構長く
同じ曲を演奏されるそれぞれのピアニストに合わせて、少しずつテンポが違います。
同じ曲をその都度テンポもニュアンスも変えながら演奏する、オケの奏者も
相当な集中力と疲労感があることと思います。
まずオーケストラの前奏は、短調のドラマティックなTutti(全員演奏)で始まり
途中で弦の裏拍から始まる、美しくメランコリックなテーマのメロディーが
滑らかに出てきます。
そしてピアノへとバトンタッチして、ピアノは堂々とした和音の打音で始まり
オーケストラが奏でたテーマのメロディを反田さんは
「珠玉の」ということばがピッタリの
ブリリアンカットのダイアモンドのような煌めきで歌われて
途中のパッセージ(メロディーとメロディーを繋ぐ経過的なフレーズ)は
まるで、真珠玉が鍵盤の上でコロコロとこぼれ落ちてくるような音色(ねいろ)で
たおやかに歌う部分は、思いっきりルバート(自由なタメ)もあり、でも嫌みがなく
細部もきめ細やかで、大胆で、オーケストラとの呼応も
互いの音色もピッタリ合っていて、完璧にまとまっているという印象でした。
3楽章のピアノ演奏が最後の音を鳴らし終わった時点で「フライング」という
オーケストラの後奏がまだあるというのに
マナーとしては最後の余韻まで聴いて、それから拍手なのですが
待ちきれないといった観客は「オー!」と感嘆の声を上げ割れるような拍手でした。
私も声を上げながら一人で拍手を送り続けてしまいました。

反田さんご自身も大満足な演奏ができたと演奏後のインタビューで語っておられ
やっぱり相当なお疲れのようで、ゆっくり休んで
後は小林さんのサポートをしたいとおっしゃってました。

反田さんのグループの1番バッターは地元ポーランドの方で、アーカイブで
先に反田さんの演奏を聴いていたので、同じスタインウェイのピアノなのか?と
疑ってしまうほど音が立たず、私の様な者が言うのはおこがましいですが
何となく音楽が前に進んでいくスピード感や覇気が感じられず
この方の拘りなのでしょうが、歌わせる部分はテンポがゆっくりで停滞気味で
なんとも私にはつまらない演奏に聞こえました。
偉そうで失礼なコメントですみません。

ポーランドの演奏者の次は、中国のHao Raoというピアニスト。
この方もとても綺麗な音で、たおやかに歌っておられましたが
反田さんより太めの音色で、ハイドンなど古典派の曲が合いそうだなという感想です。3楽章最後頃、少し疲れていたのか
微妙に荒っぽい演奏のところもあった気がします。

反田さんのあとはイタリア人の女性ピアニストで
イタリア製「FAZIOLI」(ファツィオリ)で弾いておられました。
イタリアのお国柄のように明るい音色ですが、少し調律の緩んだ時の音のようで
反田さんとは違い、派手な開放感のある演奏のように聞こえました。

2次予選で聴いた、BRUCE (XIASOLYU)LIUさんの青空のような爽快感は
このピアノだからでしょうか。
スワロフスキー水晶、あるいはブルートパーズといった透明感のある宝石を
思い出されます。
(訂正です。今更ですがJJ.JUN LI BUiさんとBRUCE (XIASOLYU)LIUさんを
間違えていました。
あの清涼感の方はBRUCEさんでした。ピアノもFAZIORIでした)
最後に上位で競われるのではないでしょうか。 

JJ.JUN.LI.BUIさんは
反田さんと同じ1番の協奏曲で、この方もとっても良い塩梅の「アゴーギク(独語)」
「テンポやリズムを意図的に変化させる」のですが
嫌みのない心地よい緩急です。


活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

コメント一覧

chorus-kaze
sunnylake279さま
いつもお立ち寄り下さってありがとうございます!
ピアニストの音や、自分が弾く時も音色が気になります。
楽器は演奏者の体格や、ピアノなら指の太さ、骨の太さなどと
弾く人の感性で色々な音色がします。面白いなぁと思います。
曲の作り方や、抑揚などに加えて、音色の美しさや
曲とのマッチ度が重要だなぁと、今回のコンクールで
同じ曲を色々なピアニストの演奏を聴き比べて
ものすごく勉強になりました!
sunnylake279
こんばんは。
反田さん、すごいですね。
宝石にたとえられるような演奏、素晴らしいです。
オーケストラの方々も、言われてみれば、とても大変なんですね。
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