中国経済ニュースクリップ

中国経済に関して興味深い新聞記事をクリップしていきます。

中国、今年は10.8%成長=中銀予想

2007年06月29日 | 国内マクロ
 【北京29日時事】中国人民銀行(中央銀行)は29日までにまとめた物価分析報告の中で、今年の消費者物価指数(CPI)上昇率は3.2%と昨年の1.5%から大きく加速し、国内総生産(GDP)は10.8%増加するとの見通しを示した。
 新華社電(電子版)が人民銀行傘下の中国紙・金融時報の報道として伝えた。昨年のGDPは10.7%増加。予想通りとなれば、2003年から5年連続の二ケタ成長を記録する。
 また、今年上半期のCPIは前年同期比3.0%上昇、GDPは11.0%増加としている。物価上昇の主因は食肉など食品価格と原材料、燃料価格の上昇。
 報告はまた、下半期は消費の増加幅が前年を上回り、投資が再び加速する圧力が存在すると指摘した。金融引き締めを継続する姿勢を改めて示唆したとみられる。(了)

利子課税の撤廃・低減を審議=中国全人代

2007年06月27日 | 金融
【北京27日時事】中国・北京で開会中の全国人民代表大会(全人代)常務委員会第28回会議は27日、銀行預金の利子に対する課税(20%)について、廃止または低減の権限を国務院(中央政府)に与えるとする「決定草案」の上程を受け、審議を開始した。
 利子課税は1999年に導入されたが、貧富の格差是正への効果が疑問視されているほか、株式投資の過熱抑制策の一環として個人預金の魅力を高める上で、撤廃もしくは税率大幅引き下げの必要性が指摘されていた。(了)

労働契約法、成立の公算=外資も対応必要に-中国全人代

2007年06月24日 | 産業
 【北京24日時事】中国の第10期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第28回会議が24日開かれ、労働者の権利保護の強化を盛り込んだ労働契約法草案などの審議に入った。
 会期は29日まで。新華社電によると、全人代の法律委員会は、労働契約法草案の採択を提案しており、今会議で成立する公算が大きい。
 同法草案では(1)契約満了時の経済補償金支払い義務付け(2)20人以上の人員削減は従業員への事前説明と当局への通知義務付け-などを規定。労務コストが上昇する可能性が高く、外資系企業も対応が必要になる。
 会議ではまた、性別などを理由とする雇用差別を禁じる就業促進法や独占禁止法が継続審議されるほか、民事訴訟法、弁護士法、省エネ法の草案が初めて審議される。(了)

輸出抑制へ大幅な税調整=貿易黒字削減に本腰-中国

2007年06月19日 | 対外経済
 【北京19日時事】中国財政省は19日、セメント、一部金属製品など553品目の輸出にかかる増値税(付加価値税)の還付を取り消すほか、衣料品、玩具など2268品目の還付率を引き下げ、7月1日から実施すると発表した。これだけ大規模な調整は異例で、拡大する貿易黒字の削減に強い姿勢を示した。 
 中国の貿易黒字は今年1~5月で857億ドルと前年同期比で83%も増加。人民元の対ドル相場は上昇基調にあるものの、輸出を抑制する効果はほとんど出ていない。米国、欧州連合(EU)から批判が強まっており、中国として新たな対策を迫られていた。
 財政省によると、税還付の取り消し対象は「エネルギー多消費、資源浪費性が強い」商品。還付率引き下げでは、紙製品、帽子、自転車など、中国がコスト安を生かして輸出を拡大し、「貿易摩擦を引き起こしやすい」(財政省)品目が対象となった。靴製品の還付率は13%から9%に、毛皮製品は13%から5%にそれぞれ引き下げられた。
 財政省は「(黒字の過度の増加は)摩擦を激化させ、人民元上昇圧力を高める」と警戒しており、今回の措置で効果が薄ければ新たな抑制策を打ち出す方針だ。(了)

中国財政省発表文(中文)

5月の原油輸入、前年比4.7%増の1297万トン=中国

2007年06月12日 | 対外経済
 【北京12日ロイターES=時事】中国税関総署が12日発表した暫定統計によると、5月の中国の原油輸入量は前年同月比4.7%増の1297万トンだった。
 1-5月の原油輸入は前年同期比9.6%増の6743万トン。
 5月の石油製品輸入量は317万トン。1-5月は前年同期比4.5%増の1479万トンだった。(了)

貿易黒字、大幅拡大=5月は224億ドル-中国

2007年06月12日 | 対外経済
 【北京11日時事】中国税関総署は11日、今年5月の同国貿易黒字が224億5000万ドルとなったと発表した。黒字幅は4月の168億8000万ドルから大幅に拡大した。前年同月(130億ドル)比では約73%の増加。
 1-5月の黒字累計は約857億ドルで、通年では昨年の1775億ドルを上回る勢いが続いている。人民元相場は上昇基調にあるが、黒字是正に効果は見られず、米国などから一段の上昇を求める声が強まりそうだ。
 5月の輸出は前年同月比28.7%増の940億5000万ドル、輸入は同19.1%増の716億ドルで、輸出の伸びが輸入を上回った。
 中国は鉄鋼など一部製品の輸出税の還付撤廃、輸入関税の引き下げなど、一連の是正策を講じているが、旺盛な輸出意欲を抑制するには至っていない。
 抑制策の導入を控えた駆け込み的な輸出も黒字を拡大させたとみられる。今年の貿易黒字については、このまま推移すると2000億ドルを大きく上回るとの見方もある。(了)

5月の消費者物価、3.4%上昇

2007年06月12日 | 金融
 中国国家統計局は12日、今年5月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.4%上昇したと発表した。これで3月(3.3%)、4月(3.0%)に続き3カ月連続で3%台となった。
CPI上昇率の推移
2006年 2007年
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
CPI 1.5 1.4 1.9 2.8 2.2 2.7 3.3 3.0 3.4
 都市 1.6 1.4 1.8 2.7 2.0 2,5 3.1 2.9 3.1
 農村 1.4 1.3 2.1 3.1 2.6 3.2 3.6 3.4 3.9

 周小川・人民銀行行長が6月5日、今後の利上げについて、5月のCPIの数値を見て判断するとの見解を示したことや、2007年のCPI上昇率の目標値が「3%以内」であることから、3.4%という数字は利上げを示唆する数字ではある。他方、5月の計数の内訳(下表)を見ると食料品の伸びががCPI全体の伸びを引っ張った格好となっており、利上げなどの金融政策よりも食料供給で対応すべき(するだろう)との見方も根強い。

食品類 8.3
食糧
5.9
油脂
21.4
食肉等と製品
26.5
生卵
37.1
水産物
4.1
野菜
-2.3
果物
-11.2
調味料
4.1
タバコ・酒及び日用品類 1.7
タバコ
0.8
酒類
3.4
衣類 -0.1
服装
-0.1
家庭設備用品・保守サービス 2.2
耐久消費財
2.4
家事サービス・加工修理サービス
6.5
医療保健・個人用品 1.6
西洋薬
-1.4
漢方薬材料・製薬
7.2
医療保健サービス
2.2
交通・通信 -0.5
交通機器
-2.4
自動車用燃料・部品
4.0
車両使用・整備
3.2
都市間交通費
3.9
市内交通費
2.1
通信機器
-17.7
娯楽・教育・文化用品及びサービス -1.2
授業料・雑費・保育園・幼稚園費
-0.7
教材参考書費
-0.7
教養娯楽
2.8
旅行
2.0
教養娯楽用品
-0.5
居住類価格 4.0
水・電気・燃料
2.8
家屋建設・改修材料
4.8
家賃
3.4

 なお、1-5月の累計では、CPIの伸びは前年同期比2.9%上昇となった。

<発表資料(国家統計局)>
http://www.stats.gov.cn/tjfx/jdfx/t20070612_402411033.htm


1~5月の貿易黒字は857.2億ドル、前年同期(467.9億ドル)比83.2%増

2007年06月12日 | 対外経済
 海関総署が6月11日発表した1~5月の貿易統計によると、 貿易総額は8013.4億ドル(前年同期比23.7%増)、うち輸出は4425.3億ドル(同27.8%増)、輸入は3578.1億ドル(同19.1%増)となった。
http://www.customs.gov.cn/YWStaticPage/419/55101087.htm
 この結果、(発表資料には掲載されていないが)1~5月の 貿易黒字は857.2億ドルとなった。前年同期(467.9億ドル)に比べ83.2%増である。下の表で分かるように、昨年の1774.7億ドルに続き貿易黒字が最高額を記録することは確実な情勢であり、米国やEUとの貿易摩擦が懸念される。

貿易黒字の推移
2006 2007
1~2 119.9億ドル 396.1億ドル 230.40%
1~3 233.1億ドル 464.5億ドル 99.30%
1~4 337.5億ドル 632.8億ドル 87.50%
1~5 467.9億ドル 857.2億ドル 83.20%
1~12 1774.7億ドル

 なお、5月単月の貿易総額は1656.5億ドル(前年同月比24.4%増)、うち輸出は940.5億ドル(同28.7%増)、輸入は716億ドル(同19.1%増)となり、5月の貿易黒字は(これも発表資料では書いていないが)224.5億ドル(前年同月の130億ドルに比べ72.7%増)。

?ちなみに、国別貿易のうち日中貿易は1~5月912.4億ドル(EU、米国に次ぎ第3位)となっている(国別の収支はまだ発表されていない)。

<関連情報>
発展改革委員会は「第1四半期貿易黒字分析」において、今年の貿易黒字を2500~3000億ドルと予測している(5/29)。
http://www.ndrc.gov.cn/jjxsfx/t20070529_137950.htm

中国、5月の卸売物価、2.8%上昇

2007年06月11日 | 金融
 【北京11日時事】中国国家統計局は11日、今年5月の工業品出荷価格(卸売物価)が前年同月比2.8%上昇したと発表した。上昇率は4月(2.9%)とほぼ同水準。1-5月では前年同期比2.8%の上昇だった。
 5月は食品類が前年同月比6.3%、原材料・燃料が同3.6%のそれぞれ上昇と、比較的値上がり幅が大きかった。(了)

GDPの60%は中小企業=資金難の対策強化-中国

2007年06月08日 | 産業
 【北京7日時事】中国国家発展改革委員会の欧新黔副主任は7日、今年10月に北京で開かれるアジア欧州会議(ASEM)中小企業担当相会合に関する会見の中で、中国の中小企業数が4200万と全企業の99%強に達し、生産額は国内総生産(GDP)の60%前後を占めていることを明らかにした。
 欧副主任は「中小企業の経済成長への貢献度はますます高まっている」と指摘。ただ、(1)資金調達難(2)全体的に企業の質が低い-などを課題として挙げ、資金問題については、国有銀行に対する中小企業融資の奨励、株式上場の促進、企業格付けなど信用評価システムの整備などの対策を推進すると強調した。
 ASEM中小企業担当相会合については、企業交流を促す一連の政策を検討し、互恵的な協力協定に調印すると述べた。また、「中国企業としては、欧州の先進的な技術、企業管理に学びたい」と期待を表明した。(了)