中国経済ニュースクリップ

中国経済に関して興味深い新聞記事をクリップしていきます。

8月の鉱工業生産、17.5%増=伸び率鈍化も依然高水準-中国

2007年09月13日 | 産業
【北京13日時事】中国国家統計局は13日、今年8月の中国の鉱工業生産が前年同月比17.5%増加したと発表した。伸び率は、6月の19.4%、7月の18.0%から鈍化したが、依然として高い水準にある。
 8月の主要産業の伸び率は、紡織が14.4%、通信設備・コンピューター・電子設備が18.5%、交通運輸設備が28.4%など。
 8月の原油生産は2.3%増の1591万トン、粗鋼は13.6%増の4158万トン、自動車は21.7%増の66万台だった。
 1-8月の鉱工業生産伸び率は前年同期比18.4%。(了)

中国、「独禁法」制定=競争促進に一歩

2007年08月30日 | 産業
【北京30日時事】中国の第10期全国人民代表大会(全人代)常務委員会の第29回会議は30日、公平な市場と競争秩序を保証する基本法となる「独占禁止法」を採択した。私有財産保護を明記した「物権法」(今年3月制定)と並び、本格的な市場経済に向けた一歩となる。施行は2008年8月1日。
 独禁法の立法作業は1994年から始まったが、計画経済からの本格脱却への抵抗も強く、制定まで13年かかった。ただ、電力、鉄道など基幹産業における国有大企業の「独占」を事実上、容認。先進国並みの市場ルールの確立には「道半ば」(専門家)との評価が多い。
 「独禁法」は8章57条。「カルテル」「市場支配的地位の乱用」のほか、計画経済時代の名残とも言える行政権力の乱用による競争排除行為も規制の対象とした。地元企業を優先したり、他地域の企業の参入を拒否したりする「地方保護主義」にメスを入れる姿勢を示した。 
 国務院(中央政府)が設置する「独占禁止委員会」が独禁法に関係する政策の指導、調整に当たる。ただ、実際の執行機関については「国務院が規定する」とされ、日本の公正取引委員会のような独立性が確保された体制になるのかどうか不透明だ。
 このほか、外国企業が中国企業を買収する際、国家の安全にかかわる案件は、独禁法だけでなく「国家の関連規定に基づき審査を行う」とし、事実上、外資の参入障壁を高くした。(了)

エネルギー効率利用が課題=発展戦略で5カ年計画 北京特派員 高村直人

2007年08月22日 | 産業
■エネルギー消費、年10%超の増加
■節約・環境重視の5カ年計画を策定

中国は2003年以来、連続して10%を超える経済成長を続けている。08年の北京五輪、10年の上海万博を控え、発展の勢いは一段と加速している。一方で、エネルギー多消費型産業の構造改革は進まず、極端な石炭依存、原油の輸入依存度の高さを背景に、成長の基盤であるエネルギー供給の将来に黄信号がともっている。中国政府は、こうした状況を踏まえ、資源開拓、供給体制整備、エネルギー消費効率の向上などに本格的に取り組む構えだ。

  ◇エネルギー消費、年10%超の増加

 中国の国内総生産(GDP)伸び率は03年から二ケタ成長となり、06年は11.1%、07年に入ってさらに加速し、1~6月期は11.5%、4~6月に限ると11.9%の高成長を記録した。中国経済は「01年の世界貿易機関(WTO)加盟で弾みが付き、03年から新たな成長期に入った」(国際金融筋)格好だ。
 WTO加盟の条件として、中国は対外開放と国内の規制緩和を実行したため、製造業を中心に日米欧の企業が東部沿海地区などに相次いで進出。様々な優遇措置を受けて、輸出を急拡大させた。こうした外資の投資と輸出が一つの起爆剤となって、投資、輸出主導の経済成長パターンが出来上がった。
 エネルギーについては、発展の指標として量的な拡大が中央・地方政府を問わず重視された結果、鉄鋼、石炭、セメント、石油化学などエネルギー多消費型で環境汚染度も高い産業で新規参入、設備投資が大幅に増加した。このため、エネルギー消費量はうなぎ上りとなり、ここ数年は、エネルギー供給、環境汚染などへの懸念が急速に高まった。
 国家統計局などによると、期間がWTO加盟で経済活動が刺激された時期と重なる2000年~05年の第10期5カ年計画中のエネルギーの総消費量は、年平均で10.15%増加する一方、エネルギー生産は同9.82%の増加にとどまった。供給の増加が需要拡大に追い付かず、「エネルギー需要が不断に増加する中で、資源上の制約はますます厳しくなっている」(国家発展改革委員会)のが現状だ。
 中国は現在、エネルギーの生産・消費とも米国に次ぎ世界2位。しかし、13億という世界最大の人口を抱えているため、一人当たりのエネルギー資源の総量は、極めて低水準で、石油は世界平均の7.7%、天然ガスは同7.1%にすぎない。
 このため、国民の消費構造の向上に伴うエネルギー消費の継続的な拡大と持続的発展には、安定的なエネルギー資源の確保、効率的な利用、節約がカギとなっている。経済成長率が1%下がると100万人が失業するともいわれる中国では、ある程度高水準の成長が社会安定の必須条件ともいえる。

  ◇節約・環境重視の5カ年計画を策定

 こうした状況を受けて、中国政府は今年4月、2010年までの「エネルギー発展計画」を公布した。エネルギー資源の現状を分析した上で、発展目標を設定し、石炭、石油、原子力、資源節約と環境保護など、重点項目ごとに詳細な規定を盛り込んだ。関係者は「エネルギーの発展戦略に的を絞った5カ年計画は初めてではないか」と指摘している。
 発展計画は、「エネルギー情勢」「方針と目標」「建設の重点」「エネルギー節約と環境保護」「科学技術の進歩」「保障措置」の全6章で構成。
 エネルギーを取り巻く情勢は極めて厳しいとの認識から、「節約を優先し、国内に立脚、多元的に発展させ、環境を保護し、相互利益に基づく国際協力を強化する」ことをエネルギー戦略の基本に据えた。
 具体的な目標としては、年平均のエネルギー消費の伸びを4%に抑制し、10年の消費総量は27億トン(標準炭換算)に設定した。2000~05年に比べ、伸び率を半分以下に抑えることを意味する。大胆な目標設定は、「エネルギー需給に対する中国政府の危機感の表れ」(国際貿易筋)とみられる。
 各エネルギーの構成比率は、石炭と石油を05年比でそれぞれ3.0ポイント、0.5ポイント引き下げ、66.1%と20.5%とするほか、天然ガス、原子力発電を各2.5ポイント、0.1ポイント引き上げ、それぞれ5.3%、0.9%とするとした。
 計画の最大の特徴は、エネルギーの消費効率を向上させるため、節約と環境保護に大きな重点を置いたことだ。結局は経済成長の阻害要因となる環境汚染を無視して開発を続ける地方政府、企業を抑えて、短期的にはコスト高となる省エネ設備、環境保護技術の導入を促進するのは容易ではない。
 国務院(中央政府)は先に、省エネだけでなく、地球温暖化対策についても、温家宝首相をトップとし、関連部門の閣僚が軒並み参加する部門横断的な指導組織を立ち上げ、「中央政府が本気で取り組む姿勢」(同)を示した。
 現行の第11期5カ年計画では、GDP1単位当たりのエネルギー消費を10年までに20%削減するとの目標を設定した。しかし、初年だった06年は、鉱工業を中心とする生産拡大を背景に、未達成に終わった。今後、年間の削減幅を一段と改善しなければ最終目標は達成できず、中国のエネルギーをめぐる環境は決して楽観できない。

7月の鉱工業生産、18%増=中国

2007年08月15日 | 産業
【北京15日時事】新華社電によると、中国国家統計局は15日、今年7月の中国の鉱工業生産が前年同月比18.0%増加したと発表した。伸び率は6月の同19.4%から若干鈍化したが、依然として高い水準。
 7月の主要産業別の伸び率は、紡織が15.8%、通信設備・コンピューターなど電子設備が19.7%。電機機械・部品は23.2%だった。交通運輸設備は26.6%。
 7月の原油生産は1.7%減の1547万トン、粗鋼は14.5%増の4125万トンだった。自動車生産は32.7%増の67万9000台、うちセダン型は27.9%増の38万6000台。
 鉱工業生産は1-7月では前年同期比18.5%の増加。(了)

「労働契約法」要旨

2007年07月01日 | 産業
「労働契約法」の全文は、以下のホームページで閲覧できる。
http://news.xinhuanet.com/legal/2007-06/30/content_6311563.htm

(1)雇用単位は労働報州や労働時間、休憩・休暇、労働安全・衛生、保険・福利、従業訓練、労働規律、労働達成量など、労働者の権利に直接及ぶ事項や重大な事項を策定、変更、決定する場合には、従業員代表大会か全体会議を経た上で、具体案や意見をまとめ、工会や従業員代表と平等に協議し決めなければならない。
この過程で工会や従業員が不適当と認めた場合は、雇用単位に対し、協議を通じて修正を求めることができる。
(2)雇用単位は雇用が始まる日から労働者と労働関係を結ばなければならず、それには書面による労働契約が必要となる。書面による契約は雇用が始まった日から1カ月以内に結ばなければならない。
 雇用単位と労働者が合意すれば、期限付き、あるいは期限のない労働契約、プロジェクトごとの労働契約を結ぶことができる。労働契約には両者の名称などのほか、「契約期間」「仕事の内容とその場所」「労働時間と休憩・休暇」「労働報州」「社会保険」「労働に際しての保護、労働条件、危険防止」などを盛り込まなければならない。また、両者の合意により、「試用期間」「養成」「守秘義務」「任意の保険・福利」などを盛り込める。
雇用単位は雇用が始まった日から1カ月を超え、1年を超えない時点で書面による労働契約を結んでいない場合には、その間は2倍の賃金を払わなければならない。
(3)雇用単位は、以下の場合には、労働者が期限付き契約を望まないかぎりは、期限の付かない労働契約を結ばなければならない。(一)労働者が10年以上継続して働いている(二)雇用単位が労働契約を導入した時に、労働者が継続して10年以上働いており、かつ法定退職年齢まで10年をきっている(三)労働者が期限のある労働契約を2度結んでおり、継続を望んでいる-。
 雇用単位が雇用を始めた日から1年を経過しても書面による労働契約を結んでいない場合には、期限のない労働契約を結んでいるとみなす。
この規定に反し、期限のない労働契約を結んでいない場合には、締結すべき日から2倍の賃金を支払わなければならない。
(4)試用期間は、労働契約期間が3カ月以上で1年に満たない場合には1カ月を超えることができない。1年以上3年未満の場合には2カ月を超えることはできない。3年以上か、期限のない労働契約の場合でも6カ月を超えることはできない。試用期間を同一労働者に対し、1度に限り設定できる。
プロジェクトごとの労働契約と、契約期間が3カ月に満たない契約には試用期間は設けられない。
試用期間は労働契約期間の中に含める。試用期間の賃金は、その地の同じ職種の賃金か労働契約に盛り込まれた賃金の80%を下回ることはできない。その地の最低賃金基準を下回ることも認められない。
試用期間は、労働者が採用条件に合致しなかったり、違反・違法行為があったり、仕事に対応できなかったりした場合以外には労働契約を解除できない。
(5)雇用単位は以下の場合には、労働者に経済補償を支払わなければならない。(一)本法38条に基づき、労働者の要求により労働契約を解除する(二)本法36条に基づき、雇用単位が提案し、労働者との合意に基づき、労働契約を解除する(三)本法40条に基づき、雇用単位が労働契約を解除する(四)本法41条第1項に基づき、雇用単位が労働契約を解除する(五)雇用単位が労働条件の維持、引き上げを提示し雇用継続を希望、かつ、労働者がこれに応じなかったときを除き、本法44条第1項に基づき、契約期間満了で期限付きの雇用契約を終了する(六)本法44条第4、5項に基づき、労働契約を終了する(七)法律、行政上の規定によるその他の状況‐。
 経済補償は、労働者の当該雇用単位で働いた年限に基づき、満1年につき1カ月分の賃金(工資)とする。6カ月以上で1年に満たない年限は満1年とみなして計算し、6カ月に満たないものは、その分について半カ月の賃金とする。1カ月分の賃金が、雇用地の前年度の平均賃金月額の3倍を超えるときは、3倍を支払額とする。また、支払い対象年限は12年を超えない。支払う賃金は労働契約を解除、終了する時点の直前12カ月の平均とする。
(6)雇用単位は残業を強制することはできず、残業については国に規定に基づき、残業分の賃金を支払わなければならない。
(7)労働者は30日前の書面による通知で労働契約を解除できる。試用期間では3日前の通知で解除できる。
(8)雇用単位は以下の条件の時に労働契約を解除できる。(一)試用期間に採用条件と合致しないことが証明された(二)重大な職務上の違反行為があった(三)重大な怠慢、私利行為で雇用単位に損害を与えた(四)別の雇用単位と労働契約を結び、仕事に重大な悪影響を及ぼした(五)労働者の過失により労働契約が無効となった(六)刑事責任を追及された-。
 雇用単位は以下の場合には、30日前の書面による通知か、1カ月分の賃金支払いで労働契約を解除できる。(一)労働者が病気か、仕事に起因しないけがで規定の医療休業期間満了後も元の仕事に復帰できないか、雇用単位が用意した代わりの仕事に従事できない(二)労働者が仕事に対応できず、訓練や職種変更を経ても、仕事を全うできない(三)客観的にみて、労働契約締結時の情勢に重大な変化があり、労働契約を履行できず、両者の協議でも労働契約の変更で合意できない-。
(9)雇用単位が以下の状況の下で人員削減を行おうとする場合、20人以上の削減か、それ以下でも全従業員の1割以上の削減となるときは、30日前までに工会か従業員全体に状況を説明し、意見を聞かなければならず、その後に削減案を労働行政当局に報告しなければならない。(一)企業破産法の規定に基づき、事業を見直す(二)生産・経営上に重大な困難が発生した(三)事業の見直し、重大な技術革新、経営の見直しで労働契約を変更し人員を削減する(四)客観的にみて、労働契約締結時の状況に重大な変化が起き、労働契約を履行できなくなった-。
人員削減時には、以下のものを優先的に残さなければならない。(一)長い期間の労働契約を結んでいる者(二)期限のない労働契約を結んでいる者(三)家庭内にほかに就業者がいない者、扶養すべき老人や未成年者を抱える者-。
(10)従業員は雇用単位との平等な協議の上で、労働報州や労働時間、休憩・休暇、労働安全・衛生、保険・福利などについて、集団契約を結ぶことができる。集団契約案は従業員代表大会か全体会議で決める。集団契約は工会が従業員を代表して結ぶ。工会が設立されていない場合には、工会上部組織が代表を推薦する。
(11)工会は、雇用単位が集団契約に違反し従業員の権利を侵害した場合には、法に基づき雇用単位の責任を追及し、争議が発生し協議による解決が図れない場合には、法に基づき、仲裁、提訴を手続きする。
(12)県級以上の労働行政部門は、労働契約の状況を監督、検査する。(了)

労働契約法、成立の公算=外資も対応必要に-中国全人代

2007年06月24日 | 産業
 【北京24日時事】中国の第10期全国人民代表大会(全人代)常務委員会第28回会議が24日開かれ、労働者の権利保護の強化を盛り込んだ労働契約法草案などの審議に入った。
 会期は29日まで。新華社電によると、全人代の法律委員会は、労働契約法草案の採択を提案しており、今会議で成立する公算が大きい。
 同法草案では(1)契約満了時の経済補償金支払い義務付け(2)20人以上の人員削減は従業員への事前説明と当局への通知義務付け-などを規定。労務コストが上昇する可能性が高く、外資系企業も対応が必要になる。
 会議ではまた、性別などを理由とする雇用差別を禁じる就業促進法や独占禁止法が継続審議されるほか、民事訴訟法、弁護士法、省エネ法の草案が初めて審議される。(了)

GDPの60%は中小企業=資金難の対策強化-中国

2007年06月08日 | 産業
 【北京7日時事】中国国家発展改革委員会の欧新黔副主任は7日、今年10月に北京で開かれるアジア欧州会議(ASEM)中小企業担当相会合に関する会見の中で、中国の中小企業数が4200万と全企業の99%強に達し、生産額は国内総生産(GDP)の60%前後を占めていることを明らかにした。
 欧副主任は「中小企業の経済成長への貢献度はますます高まっている」と指摘。ただ、(1)資金調達難(2)全体的に企業の質が低い-などを課題として挙げ、資金問題については、国有銀行に対する中小企業融資の奨励、株式上場の促進、企業格付けなど信用評価システムの整備などの対策を推進すると強調した。
 ASEM中小企業担当相会合については、企業交流を促す一連の政策を検討し、互恵的な協力協定に調印すると述べた。また、「中国企業としては、欧州の先進的な技術、企業管理に学びたい」と期待を表明した。(了)